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第18話

Author: チョウドイイ
この学校の名は、裕も耳にしたことがあった。千晴の成績が常に優秀で、在学中も迷惑をかけたことがない――その程度の認識はあったが、まさかここまで本当に優れていたとは思わなかった。

千晴は自分から離れても、これほど立派にやっていけるのか。

裕の胸に、かすかな痛みが走った。

いつの間に、このいつも自分にまとわりついていた小さな女の子が、こんなにも自立したのだろう?

今回こそ千晴を連れ戻したら、絶対に離れられないよう側に縛りつけておこう――もう二度と、この別れを味わいたくなかった。

裕は教室棟の下で真っ直ぐに立ち、秘書が千晴を連れてくるのを待っていた。

だが秘書は出てきた瞬間、そっと首を振った。

「社長、夏野さんは昨日ちょうど退学手続きを済ませたところでして、どこへ行ったのか誰も知りません」

裕は立ち尽くし、雷に打たれたように呆然とした。

千晴は、また逃げたのか?そんなはずはない!

自分がここに到着したばかりで、彼女が離れるなど、そんな偶然があるものか?!

裕は、千晴がまだ自分に怒っており、そのために身を隠しているだけだと強く信じた。

彼は千晴の寮に向かった。しかし、空になった部屋を見た瞬間、否応なく現実を受け入れざるを得なかった。

また置き去りにされた。千晴は本当に自分を必要としなくなったのだ。

だが誰が悪いというのか。千晴を傷つけたのは、他ならぬ自分自身だ。これは自業自得であった。

千晴がどれほど自分に依存していたか知っていたのに、世間の批判を恐れて手放してしまった。

しかも雅乃が千晴を傷つけるのを許してしまった。あの時の彼女は、今の自分より何倍も傷ついていたに違いない……

鋭い痛みが胸に襲いかかり、裕は壁にもたれて涙を落とした。

あの女の子を一生守ると誓っていた。その誓いを破ったのだ。だからこそ、今は愛する人を失う苦しみを味わって当然なのだ。

だが、それでも諦めるつもりはなかった。ようやく掴んだ千晴の手がかりを追ってここまで来た。彼女を見つけるまでは、絶対に帰国しない。

ここは国内とは違う。頼れるのは自分の力だけ。一歩ずつ、確実に彼女を探すしかなかった。

裕はずっと信じていた。ただ見つけさえすれば、ただ面と向かって謝罪し、心を示せば、千晴は必ず自分の元へ戻ってくる、と。

裕は確信していた。千晴は、自分が苦しむ姿を見ていられない
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