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66.尊死。

last update Petsa ng paglalathala: 2026-02-16 10:39:02

「あのね、あのね、柚子ちゃん」

里奈さんと悠里くんの尊いやり取りを見ていると、里緒ちゃんが私の服の袖を嬉しそうに引っ張り、キラキラとした目でこちらに話しかけてきた。

「お兄ちゃんはね、お姫様の柚子ちゃんのことがとっても大好きなんだよ。いつもお姉ちゃんに柚子ちゃんのお話してるの。えっとねぇ、この前はねぇ、どうやったら柚子ちゃんが喜ぶかって、お話ししててぇ…。あと、柚子ちゃんが忙しいそうで、心配とかぁ…」

ニコニコの里緒ちゃんから放たれた、とんでもない内容のお話に、心臓が一瞬止まりそうになる。

お、推しが、私のことを心配してご家族にまで話してくれているのか?

だからご家族のみなさんは、私=悠里くんの大好きな彼女だと思っているのか?

尊すぎないか?

「お兄ちゃんね、柚子ちゃんが可愛すぎてしんどいって言っててねぇ。なんで可愛いとしんどいのか、わたし、聞いてみたんだけど…」

未だに話し続ける里緒ちゃんに、もう私のHPは限界に近い。おそらくあと5秒後に倒れる。

死因は〝尊死〟と、今まさに意識を手放さそうとしていた、その時。里奈さんがその形の良い口の端を上げた。

「里緒ぉー。そのくらいにしといてあ
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  • 推しに告白(嘘)されまして。   91.傘と謎の動悸。

    その日の帰りももちろん雨が降っていた。その為、傘のない私は学校の置き傘を借り、1人で下駄箱にいた。私の隣に悠里くんの姿はない。いつもよりも部活が長くなるとのことで、今日は悠里くんと一緒に帰れないのだ。たくさんの生徒たちが行き交う下駄箱で、私は1人、どんよりとした空を見上げた。暗い空からザァザァと勢いよく雨の降る様が目に映る。やはり今日は天気予報通り、もう雨は止まなさそうだ。空から傘へと視線を落とし、そっと傘を押し広げる。小さく鳴った開閉音を耳に、そのまま私は下駄箱からゆっくりと外へと踏み出した。ーーーその時だった。私の視界の端に、ふわふわの金髪が入ってきた。千晴だ。一瞬、視界の端をかすめただけだったが、あの金髪が千晴だと私はすぐにわかった。この学校であんな派手な頭で堂々としているやつなど、千晴しかいないからだ。全く何度注意すれば、あの頭をやめられるのか。私は大きくため息を吐いて、広げていた傘を一旦畳んだ。それからあの金髪頭を探し、見つけると、ずんずんと力強い足取りで、そこへと向かった。「千晴」「あ、先輩じゃーん」私に低い声で呼び止められ、千晴が嬉しそうにこちらを見る。ふわふわの金髪に、ゆるゆるのネクタイ。首元のボタンは止められていないし、学校指定のセーターも着ていない。さらに耳にピアスまで光っており、全身あまりにも自由すぎる千晴に、私は眉間にシワを寄せた。だが、そのシワはすぐに緩められた。こんなにも雨が降っているのに、千晴の手には傘がなかったからだ。「千晴、傘忘れたの?」私の突然の問いかけに、千晴は一瞬だけキョトンとした。そして少し考える素振りを見せ、「うん」と、無表情に頷いた。どうやら千晴も私と同じらしい。お気の毒に。「傘なら職員室に行けばあるよ」おそらく傘がなく、困っているであろう千晴に、同情しつつも、そう伝える。しかし千晴はゆるゆると首を横に振った。「なかった。傘」「え、でも…」そんなはずは…と、一瞬思うが、もしかすると本当になかったのかもしれない、と言葉を一旦止める。私のように天気予報を見ずに登校し、制服ではなく、体操服で、1日を過ごす生徒を、私は今日、何人も見てきた。さらに私が傘を借りに行った時も、何人かの生徒が傘を借りていた。タイミングが悪ければ、千晴の主張通り、傘はもうなかった

  • 推しに告白(嘘)されまして。   87.アナタの声で夢をみる。

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  • 推しに告白(嘘)されまして。   86.特別な一つ。

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  • 推しに告白(嘘)されまして。   85.数ある一つ。

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  • 推しに告白(嘘)されまして。   84.最初のチョコ。

    やっとの思いで生チョコタルトを完成させ、いよいよラッピングの工程へと入った。最初の生チョコタルトこそ、元気いっぱい欲張りタルトになったが、残り二つは千夏ちゃんのアドバイスのおかげで、少しはマシになった。千夏ちゃん曰く、二つ目のタルトは、〝恐れすぎ、貧相タルト〟で、三つ目が、〝バランス最悪、アンバランスタルト〟なのだが。そんな辛辣な千夏ちゃんだが、最後には「でも頑張りは認めるわ。さすがお義姉様、苦手なことにも、逃げず立ち向かう姿は圧巻だったわ」と、どこか上から目線な笑顔で拍手を送ってくれた。大きなテーブルの上には、もう生チョコ作りに使われた調理器具たちはない。それらは先ほど片付け、今

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