Home / 青春 / (改訂版)夜勤族の妄想物語 / 2. 「最強になるために」⑰

Share

2. 「最強になるために」⑰

Author: 佐行 院
last update Huling Na-update: 2025-01-21 11:45:47
-⑰大きな一歩-

 夜が明けようとしていた、基本的な潜入作戦は深夜に行っているのでとても小さなドローンは見つからない限りほったらかしにしておいても大丈夫な状態だと言える、なので光明は海斗や結愛の了承の下、義弘の秘密の図書館、いや書斎の天井にドローンを停めてその場を監視することにした。しかしもうすぐ早朝補習が始まる時間だ、停まったドローンは録画体制に入った。

 忘れてはならない事だが彼らは高校生でこの学校はありとあらゆる物を投げ捨ててでも大学受験に熱を入れている場所だ、補習を欠席したらどういった制裁があるか分からない。伊津見のクラスメイトが銃殺されたのも事実だ、全員は素直に補習に出席しているフリを可能な限り行った。しかしその裏で義弘のみだけが入れる立入禁止部屋の大部分となる書斎の監視もできている状態だ、これは大きな一歩と言えよう。

 早朝補習は講師陣による補習でまだ教師は出勤してきていない・・・、はずだった。ただ今日はいつもと違って学園の講師教師全員が朝一から出勤していた。やたらと黒服もうろついている、明らかにいつもと様子が違う、貝塚財閥で何かがあったのだろうか。

 結愛は不本意ながら貝塚の人間であるので通りかかった黒服に尋ねてみることにした。

結愛「おはようございます、黒服さん。」

黒服「・・・。」

 黒服は深夜からずっと巡回していたのだろうか、意識が朦朧としている様だ。結愛はもう一度話しかけてみた。

結愛「黒服さん?」

黒服「あ!結愛お嬢様!おはようございます!大変失礼致しました。申し訳ございません。」

結愛「おはようございます、朝から如何なさいましたの?」

黒服「・・・と仰いますと?」

結愛「講師の方々に加えて教師の方々、ましてや黒服の皆さんが全員朝からいらっしゃるなんて異様ですわ。」

黒服「恐れ入りますが私は存じ上げておりません、昨夜村岡黒服長に残業を頼まれただけなのです。」

結愛「村岡さんが?!あの、働き方改革にかなり真面目な村岡黒服長さんが?!」

黒服「はい、私も耳を疑いました。」

結愛「分かりましたわ、ありがとうございます。今日は構いません、私から村岡さんに伝えますので今日は上がってくださいませ。」

黒服「はっ、失礼いたします。」

 黒服は安堵の表情を浮かべその場から離れていった、暫くして別の黒服が近づいて来た。

 結愛は大人
Patuloy na basahin ang aklat na ito nang libre
I-scan ang code upang i-download ang App
Locked Chapter

Pinakabagong kabanata

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」⑤

    -⑤ 冷静な対処- 内線の声の主は吉村 光の旦那であるナルリスの弟で、吸血鬼の家系に生まれた元黒竜将軍(ブラック・ドラグーン)である「暴徒の鱗」副店長のデルア・ダルランであった。デルア(内線)「ごめんごめん、イャンダが面白がって言うもんだから俺もついいじりたくなってさ。気を悪くしないでおくれ、後でサービスさせて貰うから。」守「気にしてませんよ、元の世界でも結構「変態」って呼ばれていましたし。」 確かに光や好美による「プロレスごっこ」の被害(?)を受けていた時、顔がニヤケついていたので変態であるという事は否めない。デルア(内線)「そうか、それなら良かったんだ。それはそうと好美ちゃんいるかい?」守「いますけど・・・。」 つい後ろを振り返る守、目線の先では食卓で好美が未だに手酌酒をしている。顔は先程以上に赤くなっていた。デルア(内線)「いるけどどうしたんだよ。」守「すみません、先程から日本酒呑んで陽気になっていまして。」 好美が気を悪くしてはいけないと表現を変え、好美が泥酔しているという事を伝えたのを察したデルアが今度は守に気を遣い始めた。デルア(内線)「なるほどな・・・、そりゃまずい事になったかも知れないな・・・。」 重苦しい雰囲気を醸し出す副店長に少し焦る守。守「まずいってどういう事ですか・・・?」デルア(内線)「ごめん、確か好美ちゃんって今夜夜勤だったんじゃなかったかなー・・・、って。」守「確かにあの状態だと起きても夜勤には行けそうにありませんね、ちょっと本人に確認してみます。」 守は刺身を肴に5本目の熱燗を楽しむ好美の肩をそっと叩いて尋ねた。守「こ、好美・・・。今夜、もしかして夜勤じゃないのか?デルアさんって人が心配してるんだけど。」 すっかり泥酔した好美は上手く呂律が回りそうになかった。好美「なぁにぃ?デルア?内線来てんのぉ~?」 ふらつきながらもデルアからの内線に出た好美。好美「2人して何?お楽しみ中のオーナーを呼び出しても良いと思っている訳?」デルア(内線)「何ってこっちが言いたいよ、今夜夜勤じゃないの?呑み過ぎは禁物だって。」 デルアの心配とは裏腹に好美には何の問題も無い様だ。好美「有給取ったから大丈夫だって・・・、折角守と住むことになったのにクリスマスに仕事なんてしたくないもん。」 どうやら好美は「恋人

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」④

    -④ 彼氏の扱い- 学生時代の頃から相も変わらず「鬼の好美」は健在だったが、この世界に来て数年が経ち少し変化があった様だ。イャンダ(内線)「好美ちゃん、別に呑むか呑まないかは勝手だけどまあ引越しの作業が終わって無いんだろ、大丈夫なのかい?」 やはり元竜将軍(ドラグーン)と言えどオーナーである好美には頭が上がらない様だが、イャンダは好美が忘れっぽい性格だった事をしっかりと覚えている様だ。好美「大丈夫だって、あと数箱しか残って無いんから。」 守はその「あと数箱」の事を思い出した、中身は家電等が中心で比較的大きめの物ばかりだった。まさか、全部一人でやらせるつもりなのだろうか。 守の表情を見た好美は恋人が何を考えているのかを察して少し表情を歪ませた。好美「何、女の子に重たい物を持たせるつもり?!」 好美の言葉に守は「まずい」と思ってしまった、このままでは自分が「鬼の好美」の餌食になってしまう。守「い・・・、いえ・・・。何を仰いますやら、自分の荷物なんで自分で行います。」 恐怖からか、つい敬語になってしまう守。ただ、この会話は内線を通してイャンダへと筒抜けだったらしく・・・。イャンダ(内線)「好美ちゃん、あんまり彼氏君を怖がらせちゃ駄目じゃないか。」 イャンダの優しさにじんと来る守の目の前で頬を膨らませた好美。好美「何よ、イャンダも守に味方する訳?!」 今度はイャンダに矛先が向いた様だが、店長は回避する方法を知っていた。イャンダ(内線)「まぁまぁ、落ち着きなよ。ほら、エレベーターに日本酒を載せておいたから。」 しかし今回は方法(というより手順)をあやまったらしい・・・。好美「だれが冷やって言ったのよ?!熱燗でしょ、熱燗!!」 拉麵屋のオーナーは相当ご立腹らしく、イャンダは逃げる様に電話を切った。その様子を見ていた守も逃げる様に荷解きへと戻った。 数秒後、好美の大声が守の新しい部屋へと聞こえて来た。好美「守、何やってんの?!1人で寂しいんですけど!!」 今まで1人にさせていた分、「寂しい」という言葉にどうしても反応してしまう守。守「はいはい、今行きます・・・。」好美「「はい」は1回でいいの!!」守「はーい・・・。」 日本でもよくある光景に守が安心しながら食卓へと戻ると既に肴は消えてしまっていた、よく見ると好美は真っ赤だった上に

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」③

    -③ ビビる- 守は好美の家(というより自分の新居)で初めての内線にドキドキしていた、通常ナンバーディスプレイには各々の部屋番号が記されているが最上階のこの部屋の物だけは「好美用」と書かれていた。イャンダ(内線)「引越し蕎麦出来たぞ、エレベーターに乗せて良いか?」 まさか自分の為に忙しい中用意してくれているとは思わなかった守。守「すみません、わざわざありがとうございます。助かります。」イャンダ(内線)「これ位構わないさ、それより・・・。俺らの大切な好美ちゃんを泣かせたら承知しないからな。」 元竜将軍(ドラグーン)のドスの利いた声に守は思わずビビってしまった、もし圭との一件を知ればどう感じるのだろうかと想像しただけで身震いしてしまった。 たとえ一度だけだったとしても守が好美を泣かせてしまったという事実、そして好美の放った言葉は変わらず守の頭にこびりついたままだった。好美(回想)「何よ、守なんてもう知らない。」 過去の記憶に頭を悩ませる守の横で、屈託のない笑みを浮かべる好美。そんな中、守は好美が学生時代にアルバイトをしていた中華居酒屋「松龍」で当時悪名が高かった学生の成樹による暴力事件があった日、店主である龍太郎の言葉を思い出した。龍太郎(回想)「自分から大切な物を失おうとしたんだぞ。」 あの言葉は今でも守の胸の中にずっと残っていた、そしてあの日誓ったはずだ。「好美の笑顔をずっと守る」という事を。 守が一人強く拳を握りしめる中、すぐ隣でただただ笑う恋人が声を掛けた。好美「守、何やってんの。早くしないと折角の蕎麦が伸びちゃうよ。」 好美の言葉を受けた守は空いた口が塞がらなかった、食卓の上には数十人分の物と思われる量の蕎麦が積まれていた。確かに元の世界にいた頃から好美が大食いだった事は今でも鮮明に覚えているが、いくら何でも多すぎやしないだろうか。好美「何言ってんの、麺類は別腹って言うじゃない。」守「いや、考えがほぼデブと同じだから。好美は違うだろう。」 言葉では口喧嘩している風に聞こえても久々に訪れた2人の時間に顔がニヤけついてしまう守。守「じゃあ好美にとってスィーツって何なんだよ。」好美「スィーツねぇ・・・、飲み物だね。」 好美には「食べ物」と言う概念が無いのだろうか、守はただ目の前に重ねられていく空いた容器の量を見て、今度は焦

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」②

    -② レベル違いなプレゼント- 早速2人はケデールから送られてきた荷物を好美の家の空き部屋へと入って行った、まさか今でも未開の地があったとは、作者としても驚かされる。好美「すみません、ケデールさん。お忙しいのにお手伝い頂いちゃって。」ケデール「良いんだよ、好美ちゃんにはいつも贔屓にしてもらっているからね。それより守が迷惑をかけていないかい?」好美「昨日の今日で何かトラブルがあったらビックリですよ、大丈夫ですのでご心配なく。それにしても良いんですか?いきなり守を有休にして貰っちゃって、この時期お店お忙しいんでしょう。」ケデール「気にしなくても良いよ、それにちゃんと従業員に有休を与えないとそれこそ法律違反になっちゃうからね。」 どうやらこの世界にも日本の「働き方改革」の様な物が存在する様だ。そんな中で守は1人表情を曇らせていた、目の前の恋人はこっちの世界に来た時も一途に自分の事を想っていてくれたというのに対して自分はどうなんだ。例え軽い気持ちでは無かったとしても、一度好美の事を裏切ってしまった様な気がしてならなかった。 1人浮かない顔をしている守の心情を察したのか、実は事前に真希子から真帆の事を聞いていた好美は守の事をけしかけてみる事にした。好美「ねぇ、守。私が死んでから他の女の子と付き合ったりしたの?」 「まずい・・・」と思った守は言葉を慎重に選びながら答えた、もしも一言でも誤ると大げんかになりかねない。 追い詰められた様な気分だった守は正直に話す事を選んだ。守「実は幼少の頃からの幼馴染と付き合っていたんだ、真帆って言うんだけどね。その子も俺と同時に毒を盛られてこことは別の世界へ飛ばされたらしいんだ、今はあっちの世界で子供がいるらしい。」 好美は数秒の間沈黙した後突然笑い出した。守「な・・・、何?」好美「もう、何真面目な顔で語ってんの?ウケるんですけど!!」 目の前で大爆笑する恋人にどうする事の出来ない守は、1人立ちすくんでいた。好美「あのね、こっちには結愛や真希子さんがいるんだよ。知ってたに決まってんじゃん。」 好美は涙ながらに笑い続けた。守「結愛か、やられた!!」 好美は守が悔しがる中、話し続けた。好美「それにね、真帆は私のはとこなの。全部筒抜けだったんだよ。」 実は守に好美からの手紙を渡す裏ではとこ同士の手紙の受け渡し

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」①

     ある事を理由に俺は望む事を止めた、いや可能な限り望みを言う事を止めた。確か俺がまだ夜勤族になっておらず、また姉が結婚していなかった頃の事だ。あの頃はよく家族で外食に行く事が多かったのだが、大抵は姉が希望する料理を食べに向かうばかりだったと思う(と言うより個人的にこう言った記憶の方が強く根付いてしまっていた)。 ごくたまにだが、母親から・・・。母「院は何が食べたい?」 と聞かれる事は有ったが・・・。院「別に・・・、何でも良い(と言うより俺の希望が叶う事は無いからどうでも良い)。」 希望は言わなかった、いや言えなかった。だから俺は一時的にだが考え方を変えてみた、姉の希望通りの店に入った時にお品書きを眺めて3つまで選んだ後に他の者が注文した物を確認して価格帯を合わせた物を注文していた。あまり目立たないようにする為の方法だ、ただ姉や父は俺が頼んだ料理に関してだけ何故か文句を言って来ていた。その事が嫌になった俺は家族で外食に行った時に可能な限り多く頼まず、最後には水だけを口にしてその店を後にした事が有った(その時はストレス等が原因で肋軟骨を損傷していたので治療の為に酒を我慢していたからと言うのもあったが)。 それから数年後だったか、皆さんも経験していた事もあったかも知れないが俺はアニメを通して遠い異世界に思いを馳せる様になった。剣士や魔法使い等として王国軍の1人となって敵軍と戦ったり、冒険者になってパーティーを組んで共に魔獣を倒したりといった夢の様な場面に憧れていた方もいたかもしれない。ただ俺が初めて想像し、憧れたのは「何も要求されなかったから自由に生きるだけの異世界」だった。 そんな中で俺の昼夜逆転生活が幕を開けた、最初の方は周りの者達があくせく働く昼間から堂々と酒を吞んでも良いのだと嬉しかったのだが今思えばこの生活により全くもって友人と休日が合う事がなくなってしまったが故に誰とも呑みに行けないという悲しい事実に直面していた。その上女性には全くもって出逢う事が無い、出逢った同年代の女性には必ずと言っても良い様に帰る場所があった。周囲の人間(ましてや後輩達)が同棲や結婚による新たな生活を楽しんでいる中で俺は未だに独身だ、何となくだが隣の芝生が青過ぎて辛かった。俺が彼らの様に人生を謳歌する事はきっと一生無い・・・。 ある日、俺は微かな記憶として残っていたとあ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   6. 「あの日の僕ら2」90

    -90 涙がくれたもの- 冷蔵庫の中を確認して1人顔をニヤつかせる守を見て怪しそうな表情をする店主は、目の前の従業員が何を言っているのかが分からなかった。ケデール「ん?何にだ?」守「ほら、例の試食会の料理にですよ。俺の得意料理に丁度良いのがあるんです。」 ケデールは守に試食会で出す料理の提案と当日の調理をお願いしていた事を思い出した。ケデール「そういう事か、良いじゃないか。是非、その方向で行ってみてくれ。」 そして迎えた試食会当日、朝早くに起きた守は何度も味見を繰り返して料理に使うタレを作っていた。守「あ、店長。おはようございます。」ケデール「おはよう、朝から気合が入ってんな。」守「店長のお役に立ちたくてつい・・・。」ケデール「それは有難い事だが、朝の餌やりも忘れるなよ。」守「あ、もうやって来ました。」ケデール「嘘だろ・・・、相変わらず凄い奴だな・・・。」 守がタレを作り終えた後に2人は朝食を摂り、ケデールが牛や豚達を放牧場へと誘導する中、守は試食会に向けて調理を進めた。ケデール「おっ・・・、良い匂いじゃないか。これなら皆さんに高評価を貰えるだろう。」守「ですね、では配膳台に乗せておきます。」 守が作業を進める中、食堂へと向かうケデールは踵を返してある事を思い出した。ケデール「そうだ、思い出した。この試食会はお前の紹介も兼ねているから呼んだら来てくれな。」守「わ・・・、分かりました。」 そしてケデールは配膳台を押しながら食堂へと向かった。 遂に試食会の時が来た、ケデールが来客たちと言葉を交わす中で食堂から漏れる数人の声を聞いた守はある事に気付いた。守「聞いた事のある声だ・・・、まさか・・・。」 そして店主に呼ばれた守は食堂へと向かい歓喜した。守「いらっしゃいませ、やはりそうだったか。」 来客達の中に見覚えのある女性達が2人。女性達「守・・・!!」 そう、目の前に好美と真希子がいたのだ。 試食会の後、守と好美は豚舎へと向かった。好美「どうしてここにいるの?!手紙送ったでしょ?!」守「不可抗力だった、毒を盛られたんだ。」 守の事情を知った好美は怒るのをやめた。好美「そうだったんだ、ごめん・・・。そうだ、桃や美麗は元気にしてる?」守「ああ、ただ死んだはずの結愛の出現に驚いていたけどな。」 友の事を聞いた好

Higit pang Kabanata
Galugarin at basahin ang magagandang nobela
Libreng basahin ang magagandang nobela sa GoodNovel app. I-download ang mga librong gusto mo at basahin kahit saan at anumang oras.
Libreng basahin ang mga aklat sa app
I-scan ang code para mabasa sa App
DMCA.com Protection Status