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第114話……富を増やす者

last update تاريخ النشر: 2026-09-11 01:38:47

 ――聖帝国暦六四五年八月下旬。

 ルドミラ教国領を目指す旧帝国軍は、過去の敗戦から得た教訓を、徹底して今回の遠征に反映させていた。

 艦隊が進む航路上の要所には、その都度、簡易的な補給基地を建設。

 食料、推進剤、弾薬、交換部品を蓄積し、さらに小規模ながら防衛艦艇や固定式対艦砲まで配置していく。

 後方を敵に荒らされ、補給線を寸断された過去の失敗を、二度と繰り返さぬためであった。

 だが当然、そのぶん侵攻速度は極めて遅い。

 その牛歩ともいえる進軍に対し、帝国最高議会では疑義を呈する声が強くなり始めていた。

「軍務尚書閣下」

 議場において、一人の有力貴族が立ち上がった。

「ロサリオ国家元帥の戦略は、いささか慎重に過ぎるのではありませんかな?」

 軍務尚書ハイアットは、苦々しい表情を浮かべながら答えた。

「これまでの遠征軍も、決して補給や兵站を軽視していたわけではございませぬ。ですが、ルドミラ軍は執拗にそこばかりを狙い、結果として我が軍は幾度も苦杯をなめました」

 ハイアットは議場を見渡した。

「ならば、敵が狙う弱点そのものを消しておくのは上策にございます。それに、ルドミラ教国と我
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