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第272話

Author: フカモリ
先日の話し合い以来、二人の間に連絡はなかった。

今となっては、法律上の「紙切れ一枚」の繋がりを除けば、信行と真琴の間には何の関係もないようだった。

目が合う。信行も足を止め、じっとこちらを見ている。真琴は堂々と歩み寄り、穏やかな声で挨拶した。

「あなたも来ていたのね」

今日のこの場なら、彼も貴博と同じく、学長の来賓なのだろう。

真琴の挨拶に、信行は笑みを浮かべた。

「いい講演だった」

「ありがとう」

真琴は短く礼を言い、続けた。

「それじゃ、個室に戻るわ」

「ああ」

信行の視線を背中に感じながら、真琴は会釈して個室に戻った。

中に入ると、克典の姿もあった。

挨拶を交わすと、貴博は二人が知り合いであることを意外に思ったようだった。

間もなくして、信行も部屋に入ってきた。

給仕が料理を運び始め、学長が皆に席に着くよう促した。

食事が始まり、簡単な挨拶が済んだ後、学長は真琴を見て言った。

「辻本くんの今日の講演は素晴らしかった。これからも大学に顔を出して、後輩たちに講義をしてやってくれ。君はまだ若い、未来は明るいぞ。

上層部の何人かも君を高く評価していた。
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Comments (2)
goodnovel comment avatar
ゆかり
そろそろ偽装死に関わる事故が起こるのかな...︎物語が大きく動きそう!
goodnovel comment avatar
zi zi
ストーリーにある、離縁はない、死別だけはどこに行った? 今日は手放そうだけど、また変わるの?
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