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第3話

Author: ゴブリン
「ポイントで交換したギフトよ」と菜月は言った。

晨也は胸を撫で下ろし、安心したように笑った。

「びっくりした……君が私を置いて行くのかと思った」

菜月は彼の手から封筒を取り上げた。

「あなたは私を裏切っていないなら、離れる必要はないでしょう?」

晨也は「そうだよね。私の心には君だけしかいない」と言いながら、笑った。

この言葉、かつての彼女ならきっと感動していた。

だが今は、心はすごく平気で、何の感じもなかった。

「菜月ちゃん、何を交換したの?見せてよ」

「たいしたものじゃない、ただの記念コインよ」と断った。

「南空国際が記念コインなんてあったの?」

「ええ」

そう言って菜月は寝室へ戻り、封筒を開けた。

中には、静かに1枚の航空券が入っていた。一週間後、ロンドン行き。

「賀来澄」の名義で買った。

同時に彼女のスマホには、国際便の荷物追跡情報が表示されていた。

三浦先生が送ってくれた「記憶喪失薬」も、だいたい一週間以内に届く予定。

7日後が、彼女が晨也の世界から完全に消える日だった。

階下から晨也の声が聞こえてきた。

「菜月ちゃん、具合悪いの?」

「昨日よく眠れなかったの。少し眠るわ」

「分かった。じゃ、ゆっくり休んでね。桜子は午後に授業があるし、私も会社へ行かないといけないから、彼女を学校まで送っていくね」

「分かった」

菜月は寝なかった。彼女は2階の窓際へ行き、外を見下ろした。

桜子が晨也の腕にからみつき、まるで跳ねるウサギのように嬉しそうだった。

彼女が晨也の頬にキスをすると、彼はその頭を掴んでキスを返した。

そして、頬から、唇へ。

さらにその先へ……

その後の様子は菜月には見えなかった。

二人は車に乗り込み、揺れる車体しか見えない。

車がようやく静かになったところ、菜月はスマホの時間を見た。

1時間40分。

二人はよく似合うようだ。そういうことに。

昨日徹夜しても、また足りないか?家に出たばかり、もう一回やりたくてたまらない。

そして、車が走り去ったとき、菜月はようやく長く深い息を吐いた。

自分の衣類を整理し始めた。

三浦先生は「この薬を飲んだら、この前のことは全て忘れてしまう」と教えたから。

彼女は衣類を整理した後、種類によって、メモを貼った。

日用品や日々の習慣も、細かく記録しておいた。

最後に、ジュエリー専門店へ向かった。

指から婚約指輪を外し、店員に差し出した。

店員は恐縮しながら尋ねた。

「奥様、他の指輪に替わるのでしょうか?婚約指輪だと思いますが、ご主人様と一緒にご来店されますか?」

「いいえ、溶かしてください」菜月は答えた。

「えっ?」

「溶かしてって言ってるの」

「かしこまりました……」

30分後、菜月は小さな赤いベルベットの箱を手に取り、店を出た。

帰宅すると、ちょうど晨也が家から飛び出してくるところだった。

家の中には警察、ボディガード、家政婦たちがいて、騒然としていた。

晨也は目を赤くし、彼女の姿を見つけるなり、強く抱きしめた。

「菜月ちゃんどこ行ってたんだよ、心配で死にそうだった」

その抱きはあまりにも強すぎで、息が詰まりそうになる。

警察官が笑って言った。

「神崎さん、これで安心でしたね。奥様、ご無事でよかったです」

家政婦も口を揃えた。

「奥様、旦那様が帰宅した時、あなたはいらっしゃいませんでした。しかも服がきちんと分類されていたから、家を出るのかとパニックになって……」

「そうです、奥様。旦那様はさっき一流の探偵を探せと命じて、もし奥さんが見つからなければ全員クビすると」

晨也はまるで宝物を扱うように、菜月を抱きしめていた。

「菜月ちゃん、どこ行ってたんだ?怪我は?寒くなかった?お腹は空いてない?」

菜月は少し距離を取り、淡々と答えた。

「ただ散歩に出ただけよ」

「でも、電話が通じなかった」

菜月はポケットから電源が切れたスマホを見せた。

「充電切れよ」

「じゃあ、あの整理された服は何だったの?」

「デザインが古いから、寄付しようと思って」

晨也はようやくほっとした。

「君が行かなければ、それでいい。菜月ちゃん、お願いだから、私を置いていかないでくれ。君がいなくなったら、私は崩れてしまう」

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