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第153話:雨季と乾季と傘づくり

Author: 大正
last update publish date: 2026-09-12 07:00:01

 時間ギリギリまで二層で粘り、ゴブリンのやらしい攻撃にも耐えて今日一日すっかり、搦め手で攻撃してくる相手というものに立ち向かった気がする。しばらくオルハヌスのダンジョンはいいかな、と思わせられるほどだった。

 その割に収入はそこそこなので、パナメラのダンジョンの最下層に居続けることと比べるとどっちが稼げたのか、というのは移動時間も含めて計算しなければいけないので一口にパナメラのダンジョンのほうがおいしいとはいいがたい。

 しかし、全部で300体ぐらいのゴブリンを倒すことが出来たので、まあ最高効率とは言わなくても、心理的経験を得られておまけに金までもらえた……と考えるほうが無難なんだろうな。

 一層でまたゴブリンの投石を盾でしのぎつつ、ゴブリンが投石を止めて棍棒に持ち替えている間にスコンと頭を割って倒す。これがもう少し続くのかと思うと面倒くさいな。一層で稼ぐのがEランクの常だとは言っていたが、俺としては一層より二層のほうが戦いやすかったな。

 カン、カンと盾で弾かれる投石を身に受けながら、ゴブリンに

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     どうやら、俺がゴブリンの耳を査定にかけた段階で第一報はフェリクスさんに伝わっていたらしい。そして、査定とカウンターで報酬の支払いと相談をしているうちに情報が伝わって、あらかじめ事前情報を共有。そこまではできているらしい。仕事が早いな。「えっと……このあたりで一匹、その後このあたりでもう一匹、それからここで一匹、この時点で戻ったのでこの先は不明ですね」「なるほど。つまり、この間には巣がある可能性は低い、というわけですね」 俺が通ったルートをたどり、フェリクスさんが書類の上に魔石を置いて場所を絞り込んでいく。「セルフィが一緒に居るので、もし巣に誘い込んで俺を引き離して襲おうとしていた場合、もっと早く仕掛けてくる可能性があったはずです。なのでここまでは安全ゾーンであると考えます」 アライ草を採りに行っていた範囲を丸っと安全圏ではないか? と判断する。巣があるとしたらその先の可能性が高いだろうと意見を具申する。「確かにそうですね。だとするとこの先にあるかどうか、探しながら行かなくてはなりませんね。本来ここにはゴブリンは生息していないんですよ。仮に住み着いたとしても、街に近すぎますので、駆除対象にしなくてはいけません。これがもっと遠くや、薬草群生地の近くでなければ問題はなかったのですが」 ゴブリンの発生場所について詳しく教えてくれている。今後も似たような場所にゴブリンが出た場合には参考にしろ、ということなのだろう。フェリクスさんのほうをちらっと見やると、こくりと頷く。そういうこと、ということなのだろうな。「一つ質問があります」 早めに聞いておこう。この後数日かけての作業になる可能性もあるからな。「なんでしょうか」「ゴブリンの巣の特定が必要になった場合、我々も特定のためにギルドの指示を仰がなければならないのでしょうか? 」「そうですね、手伝いをしてくれるなら一番ありがたい、というのが正直なところですね。やはり一度現地を知っている人物が追い込みや索敵、追跡をしてくれるほうがありがたいのが確かです」 こっちは初めて出かけた場所だから詳しくない

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     カウンターへ行く前に、今度はモンスターの査定を行う。ゴブリン二匹分だけだが、金になるならこれもちゃんとした収入。それに、あんまりアイテムボックスに入れておきたいものでもない。 査定カウンターにゴブリンの耳を持っていき、渡す。「ゴブリンの耳ですね……これをどこで? 」 査定嬢の目がぎらつく。ゴブリンがすぐそばに繁殖しているというなら大ごとだろうし、そうでなくても街の近くにいたという話だけでも大事なことだろう。「西門から南西に30分ほど行ったところでゴブリンが最低3匹はいることは確認しています。その内の2匹の分ですね」「残りの1匹はどうされたんですか? 」「こちらを警戒して罠を張ってる可能性があったので、下手に会敵したり戦闘をしないうちに撤退してきました。できるだけ警戒して帰ってきましたが、付いてくる様子はなかったので気づかれなかった可能性のほうが高いですね」「なるほど。その話、帰ってきてから誰かにしましたか? 」 査定嬢が更に確認を重ねてくる。報告はしたか、ということだろう。「ここで話しているのが最初です。誰に報告したらいいのかもわからない新人なので、専門の部署があるならそこへ相談しに行くのですが」「わかりました……と、カウンターで支払いを受ける際にこれをついでに渡してください。担当部署への引継ぎのサインになります。細かいお話はそちらでお願いします」 査定嬢からは耳二つ分の査定金額が記された査定結果書をもらう。 ゴブリン 2 どうやら、シールドゴブリンと普通のゴブリンに差はないらしい。いくらになるかは受け取るまで分からないってところだな。まあ、ダンジョンのモンスターより安いということはないだろう。 カウンターへ行って薬草の査定結果を渡す。カウンターでは薬草査定結果を確認して、銀貨7枚と大銅貨1枚を渡される。これで今日の稼ぎは銀貨9枚と大銅貨1枚となった。最近の稼ぎからすれば多くはないが、7日分の宿泊代金と考えれば安いものだ。 ゴブリンの左耳はどうやら一匹当たり銅貨5枚と

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     朝が来た。相変わらず日の差し込みやすいこの建物の一室は、俺の目を直撃するように日が入ってくるので、目覚ましとしては中々に性能がいい。 ふともう一つのベッドに目をやると、セルフィが丸くなって眠っているので、もう少し寝かせておいてやるかと一人起き出し、トイレと顔洗いを済ませる。ボットン海綿トイレにも三日目にして慣れた。二日目は気になった、服に染み付いた自分の匂いも気にならなくなった。やはりこういうところではいかに早く慣れるかが大事だ、と神崎さんも言ってたっけ。 井戸から水を汲んで顔を洗うと、口もすすいで後は磨き砂でも口に含んで歯のほうも綺麗にしておく必要があ

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