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第152話:面倒

Penulis: 大正
last update Tanggal publikasi: 2026-09-11 07:00:26

 三層をまだうろうろする。正直、効率だけを考えたら二層を回ったほうが戦闘回数と魔石は稼げると思う。

 ただ、三層のゴブリンアーチャーの魔石にもちゃんと需要があるのだろうということと、自分のレベルとは関係ない所での戦闘経験を得るためにも戦う必要性はある、と感じている。

 セルフィも剣聖レベルだけではなく、戦闘の「つくり」としての戦術や、ゴブリンたちがやってくるいやらしい戦い方というものを身に付ける必要があるだろう。

 イアンちゃんはその辺もきちんと心得ているようだが、こちらはまだまだ初心者。しっかり動きを見せてもらいつつ、ゴブリンの知能レベルがどのぐらいまで高いのか見定める必要がある。

「しかし……面倒だな。遠距離攻撃手がここまで面倒な手順で攻撃をしてくるのは」

「もうちょっと単純でいてくれるといいんですけどね。このオルハヌスのダンジョンではそういうものを学ぶためのダンジョン、ということなんでしょうか」

「セルフィちゃんは良い所を突きますね。ゴブリンの巣やゴブリンの集落の

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     どうやら、俺がゴブリンの耳を査定にかけた段階で第一報はフェリクスさんに伝わっていたらしい。そして、査定とカウンターで報酬の支払いと相談をしているうちに情報が伝わって、あらかじめ事前情報を共有。そこまではできているらしい。仕事が早いな。「えっと……このあたりで一匹、その後このあたりでもう一匹、それからここで一匹、この時点で戻ったのでこの先は不明ですね」「なるほど。つまり、この間には巣がある可能性は低い、というわけですね」 俺が通ったルートをたどり、フェリクスさんが書類の上に魔石を置いて場所を絞り込んでいく。「セルフィが一緒に居るので、もし巣に誘い込んで俺を引き離して襲おうとしていた場合、もっと早く仕掛けてくる可能性があったはずです。なのでここまでは安全ゾーンであると考えます」 アライ草を採りに行っていた範囲を丸っと安全圏ではないか? と判断する。巣があるとしたらその先の可能性が高いだろうと意見を具申する。「確かにそうですね。だとするとこの先にあるかどうか、探しながら行かなくてはなりませんね。本来ここにはゴブリンは生息していないんですよ。仮に住み着いたとしても、街に近すぎますので、駆除対象にしなくてはいけません。これがもっと遠くや、薬草群生地の近くでなければ問題はなかったのですが」 ゴブリンの発生場所について詳しく教えてくれている。今後も似たような場所にゴブリンが出た場合には参考にしろ、ということなのだろう。フェリクスさんのほうをちらっと見やると、こくりと頷く。そういうこと、ということなのだろうな。「一つ質問があります」 早めに聞いておこう。この後数日かけての作業になる可能性もあるからな。「なんでしょうか」「ゴブリンの巣の特定が必要になった場合、我々も特定のためにギルドの指示を仰がなければならないのでしょうか? 」「そうですね、手伝いをしてくれるなら一番ありがたい、というのが正直なところですね。やはり一度現地を知っている人物が追い込みや索敵、追跡をしてくれるほうがありがたいのが確かです」 こっちは初めて出かけた場所だから詳しくない

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     カウンターへ行く前に、今度はモンスターの査定を行う。ゴブリン二匹分だけだが、金になるならこれもちゃんとした収入。それに、あんまりアイテムボックスに入れておきたいものでもない。 査定カウンターにゴブリンの耳を持っていき、渡す。「ゴブリンの耳ですね……これをどこで? 」 査定嬢の目がぎらつく。ゴブリンがすぐそばに繁殖しているというなら大ごとだろうし、そうでなくても街の近くにいたという話だけでも大事なことだろう。「西門から南西に30分ほど行ったところでゴブリンが最低3匹はいることは確認しています。その内の2匹の分ですね」「残りの1匹はどうされたんですか? 」「こちらを警戒して罠を張ってる可能性があったので、下手に会敵したり戦闘をしないうちに撤退してきました。できるだけ警戒して帰ってきましたが、付いてくる様子はなかったので気づかれなかった可能性のほうが高いですね」「なるほど。その話、帰ってきてから誰かにしましたか? 」 査定嬢が更に確認を重ねてくる。報告はしたか、ということだろう。「ここで話しているのが最初です。誰に報告したらいいのかもわからない新人なので、専門の部署があるならそこへ相談しに行くのですが」「わかりました……と、カウンターで支払いを受ける際にこれをついでに渡してください。担当部署への引継ぎのサインになります。細かいお話はそちらでお願いします」 査定嬢からは耳二つ分の査定金額が記された査定結果書をもらう。 ゴブリン 2 どうやら、シールドゴブリンと普通のゴブリンに差はないらしい。いくらになるかは受け取るまで分からないってところだな。まあ、ダンジョンのモンスターより安いということはないだろう。 カウンターへ行って薬草の査定結果を渡す。カウンターでは薬草査定結果を確認して、銀貨7枚と大銅貨1枚を渡される。これで今日の稼ぎは銀貨9枚と大銅貨1枚となった。最近の稼ぎからすれば多くはないが、7日分の宿泊代金と考えれば安いものだ。 ゴブリンの左耳はどうやら一匹当たり銅貨5枚と

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     ここまでで出てきたゴブリンは二匹。そもそも偶然ゴブリンが出現した、という可能性はまだ否定できない。初心者冒険者がゴブリン二匹と出会ったからと言ってそれを元に巣ができたかもしれない、と引き返してくるのはありがちかもしれない。 だからといって、このまま次のゴブリンを探して彷徨ってる間にゴブリンの計略にはまって囲まれて……という可能性もある。ここは深追いせずに、薬草採取のついでにゴブリンを探す、という方向を続けているほうが良いな。 もうちょっと街に近い位置にまで戻ってアライ草を探す。そして、そこでゴブリンがもう一匹出てきたら、これはゴブリンが街の近くで繁殖している可能性が高い、と冒険者ギルドに報告する流れのほうが良いだろう。 こっちは二人しかいないんだ、集団戦に持ち込まれたらあっという間にのされてしまうだろう。いくら剣聖だとしても、ゴブリンが十数匹、数十匹と現れてくるような状況では限界もある。まだ剣聖としてのレベルが高いとは言えないセルフィでは手に余るだろう。 そして、ゴブリンによって攫われてあーんなことやこーんなことに……うむ、許せん。ゴブリンはすべて殲滅しなければならないな。そのためにはきちんとした手順を踏まないといけない。 俺とセルフィの力をもってすればゴブリンなどたかが低級モンスター……と言い切れるほど腕に自信があるわけでもない。世の中の流れや手順、ルールにはできるだけ従うべきである。 もしも、ここで討伐をしなかったり巣を放置したせいで少なからず損害が出るんだとしても、街の西側なら何もないし、あえて言うなら採石場があるのみ。 ゴブリンが石に興味を示すとは思えないので、ゴブリンがより繁殖してから襲ってくるか、通りかかる民衆を襲うのがせいぜいだろう。 その前に短期決戦でゴブリン退治をする、というほうが期待に応えることができるだろう。その為には報連相、無理に自分たちだけで解決しようとせず、冒険者ギルドに報告する。 そして、俺たちより使える安全なパーティーが偵察を行い、ゴブリンの巣を発見して駆除の流れをきちんと作ってもらうほうが大切だ。

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     セルフィと冒険者ギルドに戻る。ご飯は報酬を受け取ってから決めることにした。そのほうが、午前の仕事をきっちり終えた、という気分になってちょうどいい。 冒険者ギルドで確認書を渡し、婆さんの署名があることを確認してもらい、銀貨2枚を受け取る。昼食には多すぎるし、今日一日分生きるためには十分な稼ぎではあるものの、今日一日分でしかないのもまた確か。 余裕のある生活を送るには、午後ももうちょっと誰かの助けになることをしなければならないだろう。さて、午後からは何をするかな。「とりあえず、どこかでお昼を食べましょう。近くにお腹にたまる店があればいいですが」「どこもまだ入ったことのない店だからな。ある意味でどこに入っても一緒……ということにはなる。かといって歩き回ったり悩み抜いたりするぐらいなら、銀の卵亭まで戻って食事にしたほうが効率的だ。ここは一番近そうで気軽に入れそうな店にしよう」 食べ物を売ってそうな店を探すと、店構えがそこそこよく、ちゃんと屋根があって座れる店を見つけた。名前は「マヨイネコノスープヤ」と書いてある。迷いネコのスープ屋か。迷って入ってこい、ということなのだろう。 名前からして、スープに自信がある可能性が高い。塩辛い燻製肉と豆をぶち込んだだけのスープを売っているような雰囲気ではないので、ここで一食食べていくほうが良いかな。「よし、こういう時はインスピレーション……思い付きと思い切りが大切だ。ここに入ってみよう」「はい、ついていきます」 店の中に入ると、コンソメのようないい香りが漂っている。ガラスを使えない地方のため、石の据え付けられた壁にも香りが移っているらしく、店全体から何とも言えない腹の空くようないい匂いが詰まっていた。「いらっしゃい、空いてる席にどうぞ」 二人掛けの席があったのでそこに座り、早速店員に聞く。「初めてなんだけど、何がある? 」「今はランチと、基本メニューにスープが三種類。どれも白パンがつくよ。値段は全部大銅貨1枚」 銀の卵亭よりは割高に感じるが、黒パンじゃなくて

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     身支度を整えたところで一階の食堂に降りて行って、リンカちゃんにリッチな夕食を二人分頼む。「父さん、白パンセット2つ! 」 席に座り、しばらく待っていると、しっかり両面を焼かれた白パンに具だくさんのスープとちょっとしたソースがかけられた肉が小さく一枚乗ってきた。どうやら今日はサービスがいいらしい。それとも、夕食の白パンセットには必ず肉がつくんだろうか。まあ、いい。 とりあえず食べよう……と、肉についているソースをなめとる。少しはちみつが混ぜてあるのか、ほのかな甘みとソースのこってり感がある、なかなかに味のあるソー

  • 有給休暇は異世界で   第27話:セルフィの思い

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  • 有給休暇は異世界で   第26話:今日の稼ぎは順調に

     結局ミニボアを3匹ほど倒し、心臓が動いてる間にできるだけ血抜きをしながら進んできたので思ったより時間がかかった。30分で間に合う道に40分かけて歩き、何とか2匹は血を抜いたが1匹は血抜きをしないままアイテムボックスに入れて持ってきた。 これはちょっと減額されるかもしれないな。でもまあ、セルフィが綺麗にさばいてくれたおかげで毛皮にもほとんど傷はついていない。肉の味にどうかかわってくるかだけが気がかりだな。 北門に到着して門で冒険者証を見せて通り抜ける。「素人質問で恐縮なのだが、北門だけ他の門と違う理由で通り抜けが可能だったりしないのか? た

  • 有給休暇は異世界で   第25話:ちょい苦戦

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