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【第12話】夜会①(アルカナ・談)

last update Petsa ng paglalathala: 2025-12-29 09:58:45
 胸糞悪い惺流の算段を知っている身としては、此処で留守番なんかもっての外だ。高位貴族達の夜会だとはいえども、どうせ私の姿は見えない者ばかりだし問題は無いだろう。

(叶糸相手には通じないけど、他が相手なら完全に隠す事も出来るのだし)

 ——そう思って私は、「私も夜会に行く、ぞよ。何かあれば、助けてやれるからな」と胸を張って伝えた。なのにどうだ。「無理じゃないかな」と即座に否定されてしまった。

「何故⁉︎じゃっ」

 初対面時の『うわあぁー!』と叫んでしまったあの時の様な声で訊くと、「あー……」と少し気不味そうに叶糸がこぼす。

「や、ほら、アルカナは小さくって可愛いから、会場内をウロウロしていたらボールみたいに蹴られちゃうんじゃないかな」

 そうか、姿が見えないが故の弊害か。大学の校内は広いのでまだ未経験だが、ゴロゴロと蹴られに蹴られて会場中を転がる自分の姿を想像すると段々悲しくなった。永年この惑星を管理している我が身がただのボール扱いをされてしまうとか、悲惨でしかない。——と、その惨状ばかりに気を取られ、そもそも触れられない様にしたらいいだけじゃないかという考えにまで至らずにいると、急に叶
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    「よし。まずは、この『ハコブネ』についての話を先にしようか、のう」 「小学や中学の時点で全て習っているぞ?」 「あ、いや。地理、構造や主成分とかに関しての話ではない、のじゃ。もっと根底の、始まりについてといった所だ、じゃな」などと、己の言葉遣いへの違和感をガン無視し、遠い目をしながら私は、私も前任の『管理者』から随分昔に聞かされた話を彼に語り始めた。  ——悠久の昔。 原初の宇宙に黒い靄の様なモノが誕生した。意思があるが、ただそこに『ある』だけで、何の目的も存在理由も無く、真っ暗な宇宙の中で身近にある全てを強欲に飲み込みながら、その『モノ』は、ただただ意味も無く彷徨い続けた。

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