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第432話

Author: 清水雪代
「ときどきね、自分があまりに従順でいい子にしすぎてるから、彼が『こいつは騙しやすい』と思って私を選んだんじゃないかって……そう疑ってしまうの」珠里は俯き、自信なさげに呟いた。

美穂が彼女を見て、深いため息をついた。「珠里ちゃん、自分がダメだなんて思わないで、もっと自分に自信を持ちなさい。その男があなたを不幸にするなら、別れて別の人を選べばいいのよ。そんなに自分を卑下する必要なんてないわ」

智美も美穂の意見に賛成だった。

何しろ、彼女も前の結婚で散々苦労したのだ。

そしてついに気づいた。男の本性というものは、永遠に変わらない。

もし最初から相手の欠点を受け入れられないなら、すぐに別れた方がいい。傷は浅いほうがいいのだ。

だが、珠里はそれでも別れる決心がつかないようだった。

「……まあ、もう少し様子を見てみるわ」

智美が音楽関連の事業をしていると聞いて、珠里が眼鏡のブリッジをくいと押し上げた。

「智美さん、人脈を紹介しましょうか?私、音楽教育分野に特化したインフルエンサーを何人か知ってるんです。彼らが宣伝を手伝ってくれれば、きっといい顧客をたくさん連れてきてくれますよ」

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