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第9話【転生者同士】

last update Date de publication: 2026-04-29 19:00:37

「続きをしよう。今すぐ」

 ユリアナ嬢から書状を握りしめたまま、クレア嬢へそう伝える。

 講習会をして、謝罪の作法を身に付けるために。

 彼女からの書状の要求を叶えるために。

 握っている書状に、力が入る。

 紙が、わずかに音を立てた。

(遅い)

 今日、拒絶されたばかりだ。

 それでも、まだ足りない気がした。

「今すぐ、の前に殿下。深呼吸」

「すぅ~はぁ~」

 そう言われ、深く息を吸って、吐く。

 心が落ち着く。

「声量は?」

「小さめ」

「”はい”」

「……はい」

 小さい声で返事をする。

 クレア嬢は完全に先生であった。

「よろしい。ですが、外を見てください」

 廊下の窓を見てみると、空は暗くなっていた。

 橙色は見えなくて、濃い藍色に染まっていて星がよく見える。<
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  • 王太子に転生しましたが、なぜか悪役令嬢に土下座する羽目になりました   第4話 二度目の謝罪

    「う~ん」 俺は悩みながら、王宮の廊下を歩いていた。  あれ、何か新鮮だな、この廊下を歩くのも。理由は分からないが。「それにしても」 ずっと歩いているのが新鮮に感じてしまう事、に関してはどっちでもいい。  今の状態としては、別の事で悩み中だ。「ユリアナ嬢、許してくれるかな」 二度目の土下座をしたいが、いつにするかを決めかねていた。  すぐにユリアナ嬢の屋敷へ向かっては、呆れられるだけだろう。  だから、多少は時間を置いて謝罪をしたほうがいい。  でも、どのタイミングで?  それが一番の悩みだ。  顎に手を当てながら考えていた。「殿下、何か悩まれているのでしょうか?」

  • 王太子に転生しましたが、なぜか悪役令嬢に土下座する羽目になりました   第3話 婚約破棄

     数日後、王宮にある応接室。  そこで俺は立ってある人物を待っていた。  侍女《じじょ》を通じて、やってくるように伝えている。「失礼いたしますわ」 やってきたのはユリアナ嬢。  礼をしながら応接室に入ってくる。  いつもと変わらない表情をしていて、何も不安に思っていない。「来てくれてありがとう。時間は取らせない」「殿下、どういった用件でしょうか?」 一呼吸置いて、伝えることにする。「君との婚約を、ここで解消したい」「……っ!」 ユリアナ嬢は驚いた表情をしていた。  確かにそうなるよな。  でも取り乱すこともなく、ただ考えているようだった。「理由を、お聞きしても?」

  • 王太子に転生しましたが、なぜか悪役令嬢に土下座する羽目になりました   第2話 正しいより楽

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  • 王太子に転生しましたが、なぜか悪役令嬢に土下座する羽目になりました   第1話 悪役令嬢は土下座を知らない

     俺は、人生で初めて土下座をした。(最短で信頼を取り戻すなら、これしかないと思った) 形式も、言葉も、全部捨てる。  ”誠意《せいい》だけを見せる”ーーそのはずだった。  そして、その謝罪は思うようには進まなかった。  過去、別の人物への謝罪時、他の手段は上手くいかなかったからだ。  言葉で謝っただけだと、何か裏があるのではないかと疑われ、贈り物を送ったら、印象操作だと思われてしまった。  だからこそあの日は、土下座しか手段が残されていないと思っていた。  そして行った。(段取りも、時間も、言葉も)  現実は上手くいかなかった。「いや、違うな。完璧だった”つもり”なだけだ

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