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【第11話】コレでは、ただの『同居』では?(スキア・談)

last update Date de publication: 2025-12-26 14:03:54
 討伐ギルドのある通りからまた少し奥の方へ進み、広めの路地を住宅が多く並ぶ通りへ向かうと、ルスの弟・リアンを預けている保育所がある。

 入口から中に入った途端、開口一番説教されてしまった。『ご自分で、この時間までと言っていた時間通りに迎えに来て欲しい』と。僕らよりも先に討伐ギルドの方から伝書鳥が送られてはいたらしく、深刻な事情があっての延滞である事は理解しているものの、それでも人手が足りていない現状では連絡無しのまま延滞されるのは非常に困るのだとか。

(……まぁ、向こうの言い分も理解出来るが、一人寂しく森の中で瀕死にまでなっていた者に対して言う台詞では無いのでは?)

 ついそんな事を考えて、すぐにかぶりを振った。僕らしくない考えがふと無意識のうちに浮かんでくるこの感覚は初の経験で、なんだか気味が悪い。

「すみません、すみません」

 何度も頭を下げてルスが平謝りし、延滞料金を支払った。今日は報酬をかなり多く貰えたので痛くも痒くもない額ではあったものの、待ち疲れて眠るリアンを腕に抱えて家に戻ろうとしているこの道中、ルスはずっと凹んだままでいる。

 そんな嫁の横で、僕は義弟となったリアンをじ
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  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【エピローグ】初夜・後編(スキア・談)

     出逢った頃からずっと、膣壁に刻んだ契約印に僕の魔力を馴染ませる行為を毎日続けてきたせいか、ルスの体はすっかり快楽に堕ちやすくなっているのか、自らシーツに擦り付けている淫部からクチュクチュといやらしい音が聞こえてきた。当初、僕は『ルスを堕とす』事を念頭に置いていたが、まさかこんな形で成功するとは。今までの憑依対象者みたいな不幸のどん底に—— ではないが……うん、悪くない。「んくっ、ふっ、んんーっ」 敷布や穿いている衣類に、すっかり勃起した肉芽が擦れて気持ちよさそうだ。僕の手を掴む手には力が入り、規則的に腰を動かす姿はちょっと騎乗位にも似ている。「気持ちいいんだ?」 獣耳の近くまで顔を寄せ、息を吹き掛けながら囁く。するとルスの体は容易く跳ね、「ひぅっ!」と大きな声をあげて背中を仰け反らせた。「まさか、イッた?イッちゃったの?……えっちだねぇ」 意地悪い声色でそう言うと、ルスが僕の胸の中にぽすんっと頭を預けてきた。肩で何度も呼吸を繰り返し、びくびくと小さく体を震わせている。 間違いなく達しはした。だがまだ全然満たされてはいないのか、またすぐにルスの腰がもじもじと動き出す。ナカを散々指で刺激され慣れている彼女の体では、クリイキ程度じゃ到底満足は出来ないのだろう。「こんなんじゃ全然足りないよね。もっと沢山、刺激が欲しいよね?」 僕の問いに対し、頬を赤く染めたルスが、ゆっくりと、でも素直にうなずき返した。「……いつもの、しゅるの?」 先への期待で蕩けつつも、涙で潤む瞳と、舌足らずになっている話し方がめちゃくちゃ可愛い。そんなルスに僕は、「違うよ。今日は、もっとスゴイ事をしてあげる」と囁き掛けた。「……しゅごい、の?」と小さく呟きながら首を傾げるとか、ルスは僕を殺す気か?契約が完了している今では共倒れするだけだから止めておけ。(嫁のえっちな期待には、応えねば) 新参者とはいえ、今の僕はルスの夫だ。夫らしく、まずはたっぷり愛撫でも……と思ったが、ルスが手を離してくれない。はぁはぁと雑な息をしながら、また肉芽を自分で布に擦る事で得られる微弱

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    「早速つけてみるか?」 僕だって計画はしていたのに、それよりも先に指輪を用意していやがったレアンに対しての苛立ちや、軽い嫉妬心は感じるが……物に罪はない。こっそり盗んで他の物をすぐに用意する事も出来るけど、夫婦の誓いとなる印の指輪でそんな物を渡したくはないから、今回は妥協しておく事にした。「あ、ぅっう、うん」 ルスはちょっと緊張しているのか、短い返事なのに噛みながら返事をする。「えっと、どっちだっけ……あ、左か」 移住したおかげで頭の中に色々な知識はあれども、魔法で強制的に叩き込まれたせいか、引っ張り出すのに少し時間がかかったみたいだ。(そんな様子もまた、かわぃ——) 指輪を小箱から取り出し、ルスが左右の手を見比べてから僕の大きな手をそっと掴む。ちょっと緊張しているのか、白くて小さな手が少し震えていた。「え、えっと、お互いの指に、順番に、はめてあげるんだよね?」 「そうらしいな」と頷く。でも確か一般的には男性から先に女性の指へ指輪を贈ってから、男が次に、だったはずなんだが……心境が全て尻尾の動きにまで影響している姿がどちゃくそ可愛いから、僕はルスの好きにさせる事にした。 「……どの指、だっけ。確か指ごとに意味があるんだよね?」 「そうらしいが、結婚指輪は薬指だな」 「薬指……おっけぇ」 深く頷き、口元をへの字にしながら指輪をはめてくれる。出逢ったばかりの頃だったのなら『嫌そうな顔だ』と認識しただろうが、頬を赤く染めているから、コレはただ緊張しているだけだなと察する事が出来た。……些細な事だけど、『僕だからわかるのだ』と思うと胸の奥がじんわりと温かくなる。少し前の僕だったら感じられなかった感情だ。生まれてからずっと、本当にずーっと負の感情にばかり浸ってきたせいか、すごく新鮮だ。 指輪を持つルスの手が震えているせいか、僕の爪に当たってカチカチと音が鳴る。何もそこまでとも思ったが、いざ自分の番になったら同じ事をしそうだなとも考え、黙って見守る事にする。でも少しだけ助け船をと、「……爪が邪魔なら、短くしておこうか?」と訊いてみる。切らなくても自在に変化させられる利点を活か

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  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【第48話】魔塔主との対話④

    「——落ち着いた、かな?」 「……おかげさまで、なんとか」 レアンが用意したハーブティーの入るカップを両手で包み込む様に持ち、スキアは真っ青な顔でカップの中の水面をじっと見つめている。今はもうレアンからの指摘を理解したので無闇矢鱈に否定はしていないが、まだ納得はしていない。そのせいか口元がへの字の状態だ。 初めての感情に戸惑いつつも、全ては『他者から求められて湧き出ている感情だ』と帰着した事で自分を保てていたのに、『違う』と指摘されても、そう簡単には受け入れられない。少しでも認めたらもう、二度と『彼女から離れよう』などとは思えなくなる事が目に見えている。彼女の過去を知り、それ故生じた『自分みたいな存在が傍に居るべきではない』という思いも捨てきれないし、どうしたって自分から、いつ監獄に豹変するかわからぬ場所に居座り続ける様な行為をする気にもなれず、スキアは綺麗な形をした唇をガリッと噛んだ。「機会は今しかないかもよ?もうこのまま逃げて、憑依契約は反故にするかい?」「……するとしたら?その後、アンタはどうするんだ?」 「そうだなぁ。“あの子”は私の娘みたいなものだ。慰める為にすぐにでも傍に行ってあげたいから、出掛ける準備でもしようかな」 その答えを聞き、玩具を取り上げられそうになっている子供みたいにスキアがぶすっと不貞腐れるみたいな顔をする。親子以上に自分とそっくりな顔でそんな表情をされると、流石に声を出して笑いはしなかったが、レアンはおかしくってしょうがなかった。「……それにしても、名前では呼ばないんだな。さっきから“あの子”呼びじゃないか」(君も、ね) レアンはそう思いながらも口元に笑みを浮かべるだけに留めた。大きな子供がやっと落ち着いてきたのに、また拗ねると面倒そうだ。「だってねぇ。再誕した“監獄の乙女”が今は何者となっているのかを、ハッキリと言葉にして言われるのは嫌なんじゃないかなと思ったんだけど……違ったかな?」 膝置きに頬杖をつき、レアンが優しく微笑む。年輪を刻んだ顔立ちで柔らかな視線を向けられると、慣れないせいか、スキアはなんだか居心地が悪くなった。「なぁ」

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     幾千幾万と混在する世界の、とある星の一つに、緑と水に溢れた【オアーゼ】と呼ばれる大陸がある。その大半を広大な海で満たされているこの星では、オアーゼ大陸は砂漠で見付けたオアシスが如く貴重な大地だ。自然豊かなその土地は様々な資源に恵まれ、綺麗な飲み水も多く、栄養価の高い土は数多の命を育んでいった。精霊や神霊、動植物も数多く生きる美しい大地となったが、悲しい事にそれら全てを養うにはオアーゼはあまりに狭く、生き物同士は次第に対立するようになってしまった。 多種との平和と共存を願う人間と獣人、そして一部の獣達。 攻撃的で弱肉強食を掲げる魔物と、ぬるい平和を嫌うならず者。 両者は相見える度に争いを

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  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【第5話】契約①(とあるイキモノ・談)

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