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【第16話】善良な毒(スキア・談)

last update Date de publication: 2026-01-27 15:19:33

 ふっと意識を取り戻してまぶたを開くと、僕の腕の中でまだルスが眠っていた。

 掛け布団の上でゴロンッと横なっていた状態だったから、きっと少し寒かったのだろう。温もりを求めて自ら進んで体を引っ付けてきたような体勢だ。仮眠開始時に腕枕をしてやってはいたが、ルスの頭は僕の二の腕にまで達していて、彼女の獣耳が顔に当たってちょっとくすぐったい。抱き合っているに近い体勢でもまだ少し寒いのか、もふっとしたアイスブルー色の大きな尻尾を自分達の上に掛けるみたいにしている。

(あー……)

 かわいいな、このクソが。

 好意的な感情で心が動かされるこの感覚が心底気持ち悪い。なのに自分からこの体勢を変える気にはどうしてもなれず、彼女の温かな後頭部に自ら顔を寄せた。

 窓から差し込んでくる陽の光で頭部が温まっているからか、ルスの髪と小さな翻訳石を埋め込まれた獣耳はおひさまみたいな匂いがする。部屋で寛ぐだけなら充分な日差しだが、掛布も掛けずに眠るには少し寒いという半端な室温であった事に感謝したくなって、また胸の中にイラッとした感情を抱いた。

 僕が僕じゃなくなるような、変な気分だ。

 明らかにこれは、今までの契
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