ログイン「レア、安全の為とはいえ自由に外へ出掛けられないのは退屈だろう。客室のスペアキーを渡すから、城に来たときは好きに使うといい」
「あ……ありがとうございます」
クロックは優し過ぎる。心の底から心配になる良い人だった。
兵が城を固めてるとはいえ、狙われる立場なんだからもう少し周りを警戒してほしい。なんせ、そのうちのひとりが目の前に居るのだから。
キーを受け取った後、クロックに誘われ中庭でお茶会をした。
しかしそれだけで門外に集まっているクロックの女性ファン達が発狂する始末だ。
「王子、✕✕国の外相が到着しました」
「そうか。……ごめんなレア。今日はこれで失礼するが、ミコトとここでゆっくりしていてくれ」
「あっ、はい」
手入れの行き届いた薔薇の庭でお茶会をしていたが、クロックの公務が入ってお開きになった。
結局は仕事第一なわけだし、王宮生活というのも大変そうだなぁ。
護衛を連れ、去っていく彼の後ろ姿を見届ける。そわそわしていると、傍のティーポッドが宙に浮かんだ。
「王子にご執心な様子だね」
空のカップにローズマリーに似たハーブの紅茶が注がれる。
横に視線を移すと、それまで優雅に座っていたミコトがポッドを高く上げた。
「いつも目で追ってるけど、残念ながら王子はストレートだよ。淑女しか興味がない」
「そうなんですね。……って、そういうつもりはありませんよっ。あまりに優しくて、感動してるだけです」
あらぬ誤解をされてる為、ちょっぴり強い語調で返した。
クロックが自分にここまで良くしてくれるのは、閉鎖的な境遇に同情したから。だがその憐れみがいつまで続くかは分からない。
目的を果たすなら一刻も早く決行した方が良い。
でもそれをするには良心が痛んで、胃が痛い。
一度飲んだ紅茶を、リスのように口の中に留める。すると不意に頬をつつかれた。ごくんと紅茶を飲み干し、ミコトの目を見る。
「何ですか?」
「いいや。君、さっきも飲み物を口に含んで頬パンパンにしてたね」
「あ~……」
「俺の知り合いも同じ癖があった」
皿をどけた拍子に、スプーンが転がる。しかしミコトはそれに目もくれず、口元を隠しながらじっとレアルゼの顔を見つめてきた。
「…………っ?」
何だろう。
胸がざわざわする。
風が頬を撫でると同時に、いつかの夕景が蘇った。静まり返った音楽室。床に落ちた楽譜。長い指。
─────俺はこの目を知ってる。
記憶を辿るため一つ下の階層に脚をかけたとき、デコピンされた。
「その癖、早いとこ直しなさい」
「はあ……」
確かに、この上なく行儀悪い行為だ。額をさすりながら、脚を組む。
「すみません。もうしません」
「と言いながら、その子も五分後には同じことをしてたな」
うぐ。
五分経ってないし、俺の方はまだ分からないじゃないか。喉元まで出かかった不満を何とか押し戻し、悠然とお茶するミコトを睥睨する。
「……」
彼の落ち着いた横顔を見ると、妙に胸騒ぎがする。
その理由から逃げるように頬杖をつき、遠くの噴水を眺めた。
────夏の、うだるように暑い日。毎日のように大会前の練習の為に学校へ向かった。すぐにぬるくなるスポーツドリンクが嫌で、ペットボトルを凍らせてシャーベット状にして持って行った。それを口に含み、すぐには飲み込まずに楽譜をめくった。
『御代』。
低いが遠くまで通る、清澄な声で名前を呼ばれる。誰もいないからって、彼は俺に軽くデコピンしてきたた。
『話があるんだろ。……早く飲み込みな?』
視線が交わると同時に、耳鳴りがした。
頭の中で色づいた景色は幕がかかり、跡形もなく消え去る。
「…………」
紅茶に映る、揺らめく自分の顔を見つめていた。
俺は何でここにいるんだろう。一体何の為に……ここに呼ばれたんだろう。
そうだ、早く帰らなくちゃ。
深く息を吸ったとき、今度は膝を掴まれた。
「ひああ!」
「クールそうなのによく叫ぶねぇ」
「あっ貴方が驚かせてくるからでしょ!」
悔しいが、心臓がバクバク鳴っている。
こちとら中身は普通の高校生なのだ。胸を押さえながら猛抗議すると、彼は心外と言わんばかりに肩を竦めた。
「君の靴先が俺の裾にずっと当たってたんだ。他意はないよ」
「そ、そうですか。すみません……」
こっちも悪気はなかったけど、何か彼には謝ってばかりだ。まるで教師と生徒みたいに。
昨日は今日の昔という言葉が思い浮かんだ。桜の花びらを見ると改めて痛感する。誰にも言えない体験をしたことは、薄れはしても消え去ることはない。まだ少しチョークの跡が残ってる黒板に触れ、瞼を開ける。窮屈なネクタイを外し、御代は誰もいない教室を後にした。時間の大切さは分かっていたつもりなのだが、この世界に戻ってからは光の速さで日々が流れた。コンクールや入試はともかく、卒業式なんて体感的には十五分だった。今は廊下の窓から、校門に集まっている卒業生達を眺めている。保護者と一緒に帰る者、後輩に囲まれる者、友人と遊びに行く者。皆これから大きな世界へ飛び込んでいく。後輩達から貰った色紙を鞄に仕舞い、階段を降りる。壁にかかった姿見に映る自分は、なんてことない黒髪の青年だった。……いや、それも違うか。世界でひとりだけ。ありふれてるけどここにしかいない、唯一無二の存在だ。眼鏡を外し、昇降口を抜けた。青い空に舞う桜を見上げながら、ふと、自分の髪に触れた青年のことを思い出していた。「現状維持は最悪の選択……か」腕を組み、うーん、と首を捻る。俺は不変大好き人間だから現状維持が最善だと思ってしまう方だ。でも、こと恋愛に関しては違うのかな。お節介で優しいカミサマの言うことは忘れないでおこう。「御代!」校門に続く道に入ると、後ろから名前を呼ばれた。振り向くと、そこには息を切らした中都先生がいた。「連絡したんだけど、見てないな……?」「え? あ、ほんとだ。すみません」スマホを開くと、先生から今どこにいる? とメッセージが届いていた。朝からずっとミュートにしていたから気付かなかった。「あはは、でも会えて良かったです。先生、今日は忙しいのかなって思って」「気遣いありがと。でもどんなに忙しくても時間はつくるさ。大切な日なんだから」先生は呼吸を整えると、ゆっくりこちらへやって来た。「お前とここで会えるのは最後か。寂しいな」「寂しいですねー」「何か軽くないか?」「いや、寂しいですよ!」はい。実は、来たる大学生活の方に俄然気持ちが入ってる。なんて正直に言ったら絶対ど突かれるから隠しておこう。中都先生は訝しげに見つめてきたが、やがて笑いながら自身の腰に手を当てた。「はは。ごめんな。白状すると、俺はこの日をずっと待ってた」寂しいのは本当だけど。と、目の
死後の世界に来てしまった以上は、死んだも同然じゃないか。不安が頭をよぎったけど、今はただ信じるしかない。世界で一番大好きな人を。自分の決意を。やり直すというのは、それまで築き上げた過去をボロボロに叩き割る行為なのだ。それは楽だけど、とても哀しい。神様はずっと俺の恋愛を応援してくれていた。そう自惚れてもいいんだろうか。「……御代さん? 御代さん、聞こえますか?」深い水底から引き上げられるように、意識が鮮明になっていく。重たい瞼を開けると、見慣れない天井が広がっていた。傍には医療機器があり、白い服を着た女性が驚きながらこちらを見下ろしている。「ちょっと、先生に連絡して。あぁ、良かった……」驚きながらも胸を撫で下ろす彼女を見ながら、頭を横に向ける。見れば病室のような場所で、窓の外は雲一つない青空が映っていた。「生きてる。本当に……」片手を上げ、掠れた声で呟く。自分の本当の名前を呼びかけられて、現実に帰ってこられたのだと理解した。全身が痛いし、起き上がる気力もないけど、今なら迷いなく言える。 生きてるって、すごい。涙が零れるほど感動してるのに、頭に浮かんだ言葉は最高に薄っぺらかった。でも、これ以上なく満たされている。俺はまた、改めて生きる力を貰えたんだ。少しして担当の先生や家族、友人が代わる代わるやってきた。驚いたのは、俺が眠っていた期間は三日だけということ。向こうでは半年以上いたから、告白もとてつもなく遠い過去のように思えた。意外にも、父は無事に俺が目覚めたことで安堵していた。目元は腫れていて、親戚に声を掛けられるまで傍にいてくれた。階段から落ちた経緯を伝えてないから、何か申し訳ないな。幸い外傷は大したことはなくて、脳機能も今のところ問題はない。何事もなければ、週末には退院していいと言われた。病室から誰もいなくなった夕暮れ時。真っ白な廊下をゆっくり進み、目的の部屋を探した。そこは個室だったが、患者の名前を見た後もしばらく佇んだ。何を言うか定まらないまま、ドアをノックする。心臓は破裂しそうなほど大きな音を立てていた。わ。俺ってやっぱチキンだ……。嬉しいはずなのに、怖い、という感情の方が沸き立つ。必死に呼吸を整えようとしてると、「はい」という低い声が聞こえた。「……失礼します」引き戸を開けて、最奥のベッドに視線を向け
腕を掴む力は痛いぐらい強くて、振り払うことができない。雨に打たれ、うなじにかかる温かい吐息を感じていた。「……何が大丈夫なんですか。全っ然大丈夫じゃない」ここまでくると、彼の優しさもおかしく思えた。乾いた笑いを込め、足元の河に沈んだ街を見つめる。「全部思い出した。俺死んだんだろ? 先生も、俺のせいで……!」感情のまま叫ぶと、彼は驚いた顔を浮かべた。迷いながらも手を離し、俺を正面に振り向かせる。「それは違う。俺のせいでお前は階段から落ちた。俺がお前を助けられなかったんだ」どっちが悪いかは明白だろ、と彼は続ける。でもきっかけは全部俺にある。謝っても謝りきれない。ただでさえ悪い視界がぐにゃぐにゃにうねっていく。多分、ずっと泣いてるせいだ。嗚咽しながら、途切れ途切れでも言葉を紡いだ。どうしたらいい。何が正解なんだ。「俺……先生にフラれること分かってた。なのに勝手に傷ついて、階段から落ちたりして。こんなことになるなら告白しなければ良かった。本当に、本当にごめんなさい……っ!!」足元の水位は上がっていた。それでも構わず、床に両膝をつける。「大丈夫」先生は俺と同じ位置まで屈み、破顔した。「俺にも謝らせてくれよ、御代。お前の言う通り、俺はこの世界でたくさん隠し事をしてたんだから」彼は人差し指を俺の唇に当てる。もうどうしたらいいのか分からなかったので、大人しく彼の話に耳を傾けた。「俺は確かに階段から落ちた記憶があるから、ここがあの世だってことは最初から気付いてた」そして、必ず俺も一緒に来ていると。「大丈夫だって。あの世にいる神様は優しいんだ。俺達の記憶を保ったまま魂を繋ぎ止めてくれたんだから」「……繋ぎ……止める?」「そう」御代のぬれた前髪を持ち上げ、中都は自身の額を擦り合わせた。「安心しろ。俺達は死んだわけじゃない」真っ暗だった世界に、光芒が見えた。しかし納得いかない部分もあり、慌ててかぶりを振る。「で、でもここはあの世だって」「あぁ。だから、まだ死んでない……って感じかな。生死の境を彷徨ってるのは確かだ」聞けば聞くほど混乱して、立ち尽くす。すると彼は俺の手を取り、微笑んだ。「お前は、告白をやり直したいと思ったんだろう? だから神様は、俺達にチャンスをくれたんだ」現実で目を覚ます前に。そう言い、中都は御代を抱き起こした
知っているのは、先生のことだけ。でもその先生のことすら信じられなくなってしまった。途端に全てが歪み出した。ここに居場所はないと告げるように、道が狭まっていく。一目散に走り出す。何から逃げているのかも分からないが、とにかくここから離れたいと思った。やり直す機会を与えられたのに、それすらもやり直したいと思った。この崩壊はその代償だと気付けなかった。次第に雨も降り、地面を叩きつける豪雨に変わる。建物を挟んだ道は瞬く間に川となり、腰の当たりまで達した。このペースで雨量が増えたら、本当に溺れる。「何だよ……俺が何したって言うんだよ……!」恐怖はやり場のない怒りに変わり、怒りは哀しみに変わる。こんな目に遭う筋合いはない。現実世界では普通に生きて、普通に暮らしてただけだ。それとも本当は罪深いことでもしていたのだろうか。ずぶぬれになりながら、重たい一歩を踏み出す。夜のような暗さ。凄まじい水音。足をとられないよう何とか建物の扉に辿り着き、中へ入った。階段を上り、最上階を目指す。命からがら屋上へ出て、目の前に広がる景色を見つめた。────河ができている。何故か、ここはいつか誰もが行き着く場所だと思った。異世界なんかじゃない。あの世の一歩手前にある場所。「何で……?」あの世とこの世の境にある、河の畔。ここには死者しかいない。行く手を阻む見えない桎梏が、押し殺していた記憶の箱を開けた。『……ごめんな、御代。気持ちは嬉しい。けど』放課後、学校の渡り廊下で告白した。中都先生は熱でもあるかのように頬を赤くしながら、辛そうにかぶりをふった。フラれた。考えるまでもなく分かっていたけど、それなりにショックだったのだろう。彼の返答に頷いてる最中、立ちくらみを覚えた。『ですよね。あは……変なこと言ってごめんなさい』窓を貫く夕陽の光が、俺の胸も突き刺している。真っ赤で、血を噴き出してるように。ああ、やり直したい。欲しいものはあっても、ねだったことは一度もなかった。欲がないことを本当に感謝した人生だけど、中都先生と出逢って全てがひっくり返ってしまったんだ。襟元に落ちる雫に気付いて、驚いた。本当の本当に、彼が好きで仕方なかったのだと。『あ……明日からは普通にします。ので、今まで通り接してもらえると嬉しいです。部活もあるし』『あぁ。それは、もちろん』掠れ
先生はああ言ってくれたけど。自分が抱えているのは、いつかは報われる恋なんだろうか。「やり直したいな」ぽつりと零した。先生に告白した時に強く願ったこと。「……っ?」その言葉を口にした直後、雲が黒くうねりだした。嵐でも来そうな空に、胸がざわざわする。御代は白衣を羽織り直し、館の屋上階で洗濯物を取り込んだ。この世界に来てから一ヶ月近くが経った。地下施設から出た後は毎日が晴天だった為、こんな天気は初めてだ。独りでいるのが嫌で、足は自然と彼の部屋へ向かった。「中都先生? 雨が降りそうなので、洗濯物取り込んでおきました。中で干しておきますね」「あぁ。ありがとう、御代」書斎で書き物をしていた中都は、慌てて振り返った。正体は別世界の人間でも、やはり仕事はしないといけない。今日も忙しそう……。先生は目的を達していると言うし、もう現実に戻っていい。戻る手はずも整っていると教えてくれた。それを一旦断ったのは御代だ。何故だか怖かった。こんな得体の知れない場所にいる方が恐ろしいのに、いざ帰ると思うと足がすくむ。このまま中都とこの世界で暮らした方が幸せなんじゃないか。( そんなわけないだろ…… )ここは自分達のいるべき場所ではない。分かってるのに、急に例えようのない不安に襲われた。進路はどうなるだろう。父は、俺が消えて良かったと思ってるかもしれない。ただの教師と生徒に戻り、中都先生とは距離が遠のくだけ……。良いことって一つもなくないか?ここにずっと留まっていたい。そう言ったら、先生はどんな反応をするだろう。「御代? どうした」「っ!」ぼーっとしていたせいで、彼が近付いてきたことに気付けなかった。不意に額に手を与えられ、ビクっと震えてしまう。「顔色が悪いぞ。気分は?」「あ……すみません。大丈夫です」しどろもどろになりながら、彼の手から逃げる。そして白衣の裾をぎゅっと掴んだ。「先生。この世界に来る直前のこと、覚えてますか?」「急にどうした?」「全然思い出せないので。先生に告白した後のこと。……家に帰った記憶がないんです」ため息まじりに肩を落とす。すると先生の顔は曇った。しかしそれは本当に一瞬のことで、よく見る前に頭をぐしゃぐしゃ撫でられた。「そっか。……そうだったんだな」「…………っ?」先生は少し苦しそうに頷いている。ますま
押し殺さないといけない願望が、水面のすぐそこまで上がってきている。顔を出す前に突き放さないと。だが、御代はゆっくり首を横に振った。「偶然でもいいし、気まぐれでもいい。それでも俺は救われたんだから……それが全てじゃないですか」 それ以上の理由を求められても困る。むしろ、恋愛ってそういうものじゃないか。御代は可笑しそうに、そう言った。 「仲良くないけど何か気になるとか、気付いたら好きになってたとか。他人からすれば中身ゼロの理由ですけど、そんな始まりのカップルは星の数ほどいます。俺は、きっかけよりもその後の方が大事なんじゃないかと思うんです」「……」 正直、少し驚いていた。昔から御代は自分といる時は特に多弁だったが、ここまで自分の意見を伝えてきたのは初めてだ。無理に明るく振舞おうとしていた時とも違う。純粋に、中都に惹かれた理由を話している。 「俺は先生を幸せにする自信もあります」「ちょっ。すごい飛躍したな」 付き合いたい理由を聞いていたはずだが、結局プロポーズに戻ってしまった。御代は堪えきれない様子で、あどけない子どものように吹き出した。 「ごめんなさい。何年も頭の中でシミュレーションしてたから気持ちばかり先走っちゃうんですよね」 彼も分かっているらしく、目元を擦りながら頷いた。 「現実世界から飛ばされて、次元が変わっても先生に対する“好き”は変わらなかった。それが一番嬉しいのかもしれない」「……っ」 御代のホッとした笑顔を見た瞬間、胸の中が熱くなった。いてもたってもいられず、彼を強く抱き締める。 「わ、せんせ……」「好きだ。俺も……お前が好きで好きでたまらない」 一方的な好意をぶつけている。御代はそんな風に思っているのだろう。でもそれは半分正解で、半分不正解だ。俺も無意識に、彼を手に入れようとしていたのかもしれない。 初めて会った時のよそよそしい一年生の彼も、三年生になり、頼りないが一所懸命なときも。 常になにかに押し潰されそうになりながら、ひたむきについてくる彼が可愛くて仕方なかった。 俺はとっくに彼に落ちていたんだろう。この世界に来て、その事実に布を被せて隠したかっただけだ。御代は笑いながら瞼を擦った。 「はは。両想いなのに付き合うのは駄目って、困りますね」「そうだなぁ」笑いながら、また御代の額に口