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第172話

Penulis: 酔夫人
last update Tanggal publikasi: 2026-03-23 19:53:29

目が覚めたとき、真っ先に目に入ったのはカーテンの隙間から差し込む朝の光。

朝日は寝室を淡く照らしているが、昨夜の余韻は、まだ体のどこかに残っている。

腕の中では、桔梗が静かに眠っている。

いつもは早起きの桔梗だが、昨夜はよほど疲れたのだろう。

子どもたちがそろそろ起きる時間だが……まあ、いいか。

いい年になって、仕事で夜の時間が忙殺されることもあって頻度は減ったが、こういう桔梗が起きられない朝がないわけではない。

三人の子どもたちは勘がいいし、状況に合わせて行動ができる子たちだから、長谷川あたりにねだって朝食を準備するだろう。

だから、大丈夫だ。

桔梗を起こす必要はない。

うん。

桔梗の髪が俺の胸元にかかり、微かに汗の匂いが混じったシャンプーの香りがする。

俺の知る、桔梗の匂い。

この匂いを吸い込むたび、胸の奥がじんわりと温かくなる。

桔梗がいてくれるから、俺は強くいられる。

そんな当たり前のことを、昨夜あらためて思い知らされた。

「……ん」

桔梗がゆっくりと身じろぎし、薄く目を開けた。

「……蓮司さん」

寝起きの声は、いつもより少し柔らかい。

昨夜の名残が、その声の奥に
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