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第85話

Author: 栄子
新年の午前1時過ぎ、悠人は救急処置室に運ばれた。

診察した医師は、深刻な顔で言った。「傷が深いです。骨に達しているかもしれません」

綾は救急処置室の前で、険しい顔で電話をかける誠也を見ていた。

彼の目に、動揺と焦りが浮かんでいるのが、綾にはよく分かった。

こんなことになるなんて、綾は思ってもみなかった。

確かに誠也に憎しみは感じていたが、悠人を傷つけたいと思ったことは一度もなかった。

5年間、悠人の面倒を見てきて、風邪を引いたり熱を出したりすることはあったが、大きな怪我をしたことはほとんどなかった。

悠人が生まれてから、これほどの大怪我をしたのは初めてだったので、綾は心を痛めていた。

5年間、大切に育て、「母さん」と呼んで慕ってくれていた子供が、自分のせいで大怪我をして、救急処置室に運ばれたのだ......

遥と誠也が悪いとしても、悠人はまだ子供で、何の罪もない。

綾は思わず自分のお腹に手を当てた。

悠人には優しくできるのに、自分のお腹の子供には、冷たくしてしまう。

彼らの存在を知った時から、ずっと、彼らを拒絶し続けている......

悠人が罪のない存在なら、
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