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7.小神野悠馬の気持ち(悠馬side)

ผู้เขียน: おおはた奈実(Ohata)
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-08-05 16:00:09

うちの部活に、天才がやってきた。

俺が高校2年のとき、一度だけオンラインで対戦したことのある相手だ。

その日は家でたまたまゲームをしていて、同じランクだったそいつと偶然マッチした。敵のチームに振り分けられた、ioriというアカウント。『ルーク』と呼ばれる攻守のバランスの取れたキャラクターで戦場を走るそいつが、とにかく凄かった。

俺のやっている『ゼロ・グラウンド』というゲームはFPSであるのと同時に戦略ストラテジーの要素もあるゲームだ。どの拠点を先に落とすか、自由に使えるモブの兵士をどこに配置するか、相手の作戦に合わせてこちらの攻撃をどう変えていくか……。

ioriは戦略ストラテジーにおける天才で、頭の中にスーパーコンピューターでも入ってんのかってくらい先読みが上手かった。きっと、こいつの性格は最悪だろう。そう思うほど、「このタイミングでされたら嫌だな」と思うことを的確にしてくるような奴だった。

(こんなプレーヤー、初めて見たな……)

自分もeスポーツの有名な高校で日々練習をしていて、在学中にプロになるのが目標だったりするが、こんな奴はプロの世界でも見たことがない。拠点制圧の順番、モブ兵士の配置、キャラクターの固有アビリティの使い方……。すべてにおいて「そんなやり方があるのか」と驚いたし、感心させられる自分がいた。

(誰だ、こいつ……)

そう考えながら、劣勢になってしまったこの状況をどう覆そうか思案する。

とりあえず、ルークに奪われた脱落済みチームの拠点を素早く取り戻して、自陣の基地へと戻った。ショットガンを抱えたそいつが、仲間とともに占領ポイントを狙っている。

あやうく、本拠地を取られるところだった……。

俺は地上からは見えにくい給水塔に登って、ioriとその仲間を撃つ。そいつは撃たれてからも俺のことをショットガンでずっと狙っていて――最後の一瞬までこの試合を諦めようとはしなかった。

(なんとか勝ったな……)

そう思ってイヤホンを外した瞬間、『誰?』とメッセージが送られてきた。

『そっちこそ、誰』

俺もお前が知りたい。そう思った。

『神谷伊織、中3。そっちは?』

そこで初めて、名前を知った。

(神谷、伊織……)

歳は俺より2つほど下らしい。

返事をしてくれたことが、素直に嬉しかった。

名乗ろうかと思ってやめたのは、このゲームを続けていればいつか会えるような気がしたからだ。

『次はぜってー泣かす』

神谷が、俺とまたやりたいと思ってくれていることが嬉しかった。

(……こいつは、きっといいライバルになる)

直感的にそう思った。

――だから、うちの部に入ってきた新入生があの神谷伊織だということは、すぐにわかった。使っているキャラがルークだったし、動きがioriそのものだったからだ。テストという名目でプレーしているとき、俺はずっとあいつの横顔を目で追っていた。

あと……神谷伊織は俺が思っていたよりも、ずっとビジュアルが良いみたいだった。サッカー部?って感じの、明るい髪色に爽やかな見た目。モデルとかインフルエンサーとか……そんな風に言われてもまったく違和感がないくらいに顔が良い。3年のうちのクラスでも、背が高くてイケメンの後輩はすぐ噂になっていた。

(俺も、さすがに見入ったもんな……)

入部初日、初めてリアルで会ったとき。

動揺を隠して、なんとか普通に話そうとするので精一杯だった。

俺は周りの誰にも打ち明けてはいなかったけれど、恋愛対象が同性で。神谷伊織は正直、好みのど真ん中って感じで目のやり場に困った。

(そんな奴から『美人』なんて言われたら、顔赤くなるに決まってるし、でも周りにバレたくないし……)

つい反射的に殴ってしまって、嫌われたと思ったけど……同じ部活ならそういう気持ちになるのは避けたかったし、ちょうどよかったと思った。好意がある、なんて死んでも悟られたくない。

それに、神谷は俺のライバルでもある。仮に同じチームでプレーするとしても、絶望的に気が合わなくても……近くに『すごい』と思える奴がいるのは刺激的で、俺はこの状況がかなり気に入っていた。

(だから……こういうのは、本当に困るんだって……!!)

お互いのプレーが噛み合わなくて……部長に今後のことを話され、イライラして神谷に当たっていたら――いきなり唇にキスされた。

本人は、きっと嫌がらせのつもりなんだろう。

それはわかる。わかるけどっ……!

(嫌じゃないんだって……!!)

俺がそう叫びたいのをどれだけ抑えていたか、こいつにはわからないだろう。

嫌がる素振り……できていたと思うけど、ちゃんとできていたという自信はない。

俺の様子を見て満足している神谷に手を引かれて、そのまま家まで連れて行かれた。でかいバッグを手に戻ってきた神谷と、俺の部屋まで来たのはいいのだが……。

「……ということで、今日から俺は先輩の家にお世話になりますっ!!」

そう、宣言されてしまった。

(いや、良くない。これは、ぜっっったいに良くない)

そんなことをされたら、困るに決まってる。だって今の俺は、eスポーツ部で有名な新葉に進学するため、親元を離れてひとり暮らしをしているんだから。

ベッドがひとつしかない、この狭い物件で一緒に暮らす、なんて……。

さすがに、俺の理性が持つはずないのだ。さすがに。

「おい、ふざけんなよ。出てけ」

強めの口調で言ったにもかかわらず、神谷は「もう覚悟は決まってるんで」とでも言いたげな、澄ました顔をしていた。

「嫌です! 今日からよろしくお願いします」

どうやら、譲るつもりはないらしい。

「あのなぁ……人の話聞けって! そもそも、『ということで』って何? 俺は何も聞かされてないんだけど」

「……部長は俺たちについて、『仲良くなる必要はないけど、お互いの考え方についてよく知る必要がある』って言ってたじゃないですか。長年連れ添った夫婦……みたいな例えでわかったんですけど、俺たちに必要なのはただ『時間』なんじゃないかって思ったんです。ケンカしてても、お互いのことが好きじゃなくても……ある程度の時間を一緒に過ごせば、お互いの考えはわかるようになりますよね?」

「それは、そうかもしれないけど……」

「それとも……小神野先輩は、次もまた負けるつもりでいるんですか?」

カチンとくる言い方だった。俺がムカつくと知ってて、わざと煽っているんだろう。

「それはない。……次は絶対に勝つ」

「じゃあ、決まりましたね。予選が始まるまでの2か月間、どうぞよろしくお願いします」

頭がくらりとした。

いや、無理だって。

一緒に練習はするけど、2か月も同居なんてぜったいに無理……。

「……でも、何も一緒に住まなくても……」

『一緒に住む』という言葉に、頭の中でつい妄想が広がってしまう。

ふたりでお風呂に入る……なんてイベントは発生するんだろうか。もし同じベッドに寝られたら、俺は神谷の胸に顔を埋めてパジャマの匂いを嗅ぎた……いや、待て待て。

(落ち着け、俺……)

深呼吸していると、神谷が「しつこいですよ」と渋い顔をした。

「この方が絶対に時間の短縮になります。俺の家からここまで通うのは遠いし、一緒に生活していれば練習の時間だって確保できますから」

熱心に話す神谷は、次の試合に向けて張り切っているように見えた。

ゲームにかける純粋な情熱が、今はまぶしい。ごめん、こんな先輩で……。

「……ていうか、小神野先輩ってひとり暮らしなんですね。まさか、新葉に来るために上京したとか?」

「まぁ、そんなとこ。ひとつ聞いておきたいことがあるんだけど」

「……? 何ですか」

「お前って、俺のこと嫌いなんじゃないの……?」

上目遣いに聞くと、神谷は考えるような仕草のあと、まっすぐにこっちを見て言った。

「……先輩にだけは、負けたくないって思ってますよ。もちろんヤなとこもあるし、ムカつきますけど……べつに嫌いではないです。嫌われてるなーとは思いますけど」

「……俺だって、べつに嫌ってるわけじゃない」

「それは僥倖ですね。……今日はまぁ、お互いに同じ方を向いてるってわかっただけでも収穫です。俺も、あんな試合は二度としたくないんで」

同じ負け試合でも、あんな手も足も出ないみたいな負け方はもうごめんだ。

それについては、俺も同感。次はせめて、お互いの実力くらいは出せるようになっていたい。

「じゃあ、さっそく練習しません? ……俺たちには、あまり時間がないみたいですから」

こうして(?)、俺たちの奇妙な共同生活が始まった。

この選択が俺たちの運命を変えることになるなんて――少しも気づかないまま。

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