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第402話

Author: 風羽
夜は、しんと静まり返っていた。

岸本家の車がゆっくりと庄園の別荘に入っていく。

三人の子どもたちが降り立ち、賑やかな声を上げながら駆け回る。

遊び疲れたのか、枕に顔を埋めた途端、あっという間に寝息を立て始めた。

岸本が主寝室に戻ると、衣裳部屋で妻の瑠璃が外出着を脱ぎ、部屋着に着替えようとしていた。

「待って……もう少し見せて」

低く柔らかな声が、彼女の動きを止める。

「まだ、ちゃんと見ていないから」

彼はその腰を引き寄せ、香りを含んだ吐息を耳元に落とす。

その囁きに、瑠璃の頬はうっすらと紅潮した。

岸本は彼女を抱き上げ、金箔張りのドレッサーに腰掛けさせると、顎から頬へ、そして唇へと、途切れることなく口づけを落としていく。

「雅彦」

震える声で呼ばれ、岸本はゆるやかに応じ、柔らかな耳の後ろをくすぐるように唇で辿った。

夫婦である以上、悔いは残したくない。

だが今の彼女は激しい動きに向かない。

体が安定するまでは——そう判断する岸本は、決して自分だけの欲を優先しなかった。

やがて唇を離すと、炎を帯びたような眼差しで、掠れた声を落とす。

「風呂に入って寝よう
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