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第10話

Auteur: 山田奈々子
「何に礼を言う?」と、彼は言った。「俺たちは法的に夫婦だ。君を守るのは当然だろう」

法的に夫婦だ。

それが彼の口からさらりと出てきて、私は一瞬、言葉を失った。

そうだ、私たちはもう夫婦なんだ。

この結婚は慌ただしく始まったし、顔を合わせた回数だって十回にも満たないし、二人の間にはまだ言葉にできないよそよそしさが残っている。

それでも法律上は、彼は私の夫で、私は彼の妻だ。

「寝よう」と、彼は言った。「明日は一度うちに行く。両親が一緒に食事しようって」

私は「うん」と答え、ドアを閉めた。

ベッドに横になった。

頭の中に昇の姿が何度も浮かんできた。

結婚式の会場で、照明が彼を照らし、その輪郭に淡い金色の縁取りを与えた。

なぜか分からないが、心のどこかが、そっと柔らかくなった気がした。

結婚後の日々は、思っていたよりも穏やかだ。

昇は仕事が忙しく、朝早く出て夜遅く帰ることが多い。

私たちはマンションに住み、寝室は別々で、その間にリビングがある。

どこかルームシェアのようだ。

でも、まったく同じというわけでもない。

毎朝、私が起きると、ダイニングテーブルには必ず
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