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【第三章】タトゥー女顔美容師・ルカ 5

Author: すずかん
last update publish date: 2026-01-28 21:50:49
「ねえ、やっぱり紗月ちゃんって、可愛いよね」

鏡越しに、ルカさんの視線がまっすぐこちらを射抜いた。

からかうような軽さはなく、むしろ少し照れたような、それでいて逃げ場のない真剣さがある。

胸の奥が、きゅっと縮む。

……可愛い。

そんな言葉、最近はあまり向けられていなかった。

お世辞だと受け流す癖がついていたはずなのに、なぜか今日は、そう思えなかった。

鏡に映る自分は、肩まであった髪をばっさり切って、少しだけ別人みたいだ。

首筋がすうっと露出して、頼りなさが際立つ気もする。

でも同時に、重たい何かを落としたみたいに、気持ちが軽い。

「本当に、短い髪も可愛いよ。 ……自分にもっと自信、持っていいと思う」

その言葉が、思ったより深く刺さる。

「……あ、ありがとうございます」

声が少し上ずるのが、自分でもわかった。

頬が熱い。たぶん、赤くなっている。

空気が一瞬、静かになる。

ドライヤーの音も、遠くで誰かが話す声も、やけにぼやけて聞こえる。

「あのさ」

ルカさんが、少し言いづらそうに視線を逸らしてから、またこちらを見る。

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