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第 30 話

作者: 藍葉
「隼人くん、今日は本当にありがとうね」春代は感謝の表情を浮かべた。「うちの娘の綾香も東雲グループで働いているの。二人、どこかで会ったことがあるよね?」

「江上部長、今日は母を助けてくれてありがとうございました」

綾香も真剣な口調で礼を言った。

世間って、本当に狭い。

それにしても、江上部長のような男性でもお見合いなんてするんだろうか。

隼人の視線が彼女に向けられる。

淡々としたまなざしで、特に感情は読み取れなかった。「大したことじゃないよ」

それ以上は何も言わず、彼は車椅子を押してくると、その前で腰をかがめた。

「先に病室へお連れしましょう」そしてごく自然な動作で春代を抱き上げ、慎重に車椅子へ
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