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第3話

Author: ゼンエツ
往年の甘い思い出が次々と目の前に浮かび上がる。

私の口角は自然と上がっていた。

しかし、次のページへスクロールした瞬間、その笑みは凍りついた。

【以前は、奈々のことをただの詩織の親友だと思っていた。詩織との時間を奪う彼女を疎ましく思うことさえあった。でも今回、ステージ上の彼女を見て、あまりにも輝いていて……心の中に奇妙な感情が芽生えた。神様、俺はどうしてしまったんだろう?】

更新日は……なんと五ヶ月前だ。

このソフト、二年前にバグで動かなくなったんじゃなかったの?

私は急いで下へスクロールした。

【今日三人で食事をした時、奈々が俺の正面に座っていた。俺はどうしても彼女を盗み見てしまった。彼女が笑うと薄いエクボができるなんて、どうして今まで気づかなかったんだろう?】

【奈々のお祖母さんが亡くなって、詩織と一緒に彼女を慰めに行った。あんなに悲しそうに泣く彼女を見て、俺は……抱きしめてあげたいと思ってしまった】

【彼女を想う気持ちが止められない。俺は本当にクズだ】

【今日、うっかり奈々の手に触れてしまった時、彼女は一瞬で顔を赤らめて、しばらく顔を上げられなかった。もしかして、彼女の気持ちもとっくに変わっていたのか?罪悪感はあるけど、本当に嬉しかった】

【俺が鈍感すぎたんだ。普段は俺の粗探しばかりして、『詩織を悲しませたら切り刻んでパン粉にするから』なんて警告してくる彼女が、この一年あんなふうに騒がなくなったし、時々俺を避けていた。そういうことだったのか】

【詩織を送っていくと言ったら、彼女はずっと自分で帰れると断った。俺と二人きりになるのを避けているのは分かっていたけど、追いかけた……最近痩せたみたいで、背中がとても華奢だった……彼女はずっと下を向いて黙っていたけど、呼吸が早くて乱れていた。俺も……同じだった】

【今日、詩織が珍しく恥ずかしがらずに、大勢の前で俺にキスをした。でも俺は少しも嬉しくなかった。奈々の目が、明らかに悲しそうだったから。だめだ、どうあっても、彼女に俺の気持ちを伝えなければ!】

胸の奥から強烈な酸味が込み上げてきた。

そうか。あのダンスコンテストで彼がステージを見つめて呆然としていたのも。

夕食時の上の空も、葬儀での焦燥と心痛に満ちた眼差しも、デート中の言いたげな沈黙も……

すべての答え合わせができた。

朔也が心を動かされたのはあのダンスコンテスト。

奈々に関しては、明らかにそれより早かった……私だけが鈍感だったのだ。

マウスをさらにスクロールする。

最後の更新は、一時間前だった。

【奈々と互いの気持ちを確認し合い、彼女も俺を愛していることが分かった以上、詩織の誕生日が過ぎたら、決着をつけなければならない!正直に話せば詩織を深く傷つけることは分かっているが、どうしようもない……】

最後の一文字を見た瞬間。

タイミングを見計らったようにスマホが震え出した。

震える指を握りしめる。

冷や汗が背中を伝う。

ようやく分かった。

なぜ七日前、食事が終わるのも待たずに「学校で用事がある」と嘘をついて逃げ出したのか。

最近ずっと彼らを避けていたのか。

怖かったのだ。

朔也が別れ話を切り出してくるのが怖かった。

十七歳の時、満天の花火の下で私に愛を告白した彼の、あの愛に満ちた表情を知っている。

そんな彼から、単刀直入に「奈々を愛してしまった。別れてくれ」と言われることに、どう向き合えばいいというのか。

でも今。

彼の電話は来てしまった。

ほとんど逃避するように。

私はファイルを即座に指導教官へ送信した。

言わないで。お願いだから、言わないで。

私は絶対に、絶対にあなたたちの邪魔にはならないから。

このまま静かに私が消えれば、あなたたちは何の問題もなく一緒になれるでしょう?だから。

スマホはまだしつこく鳴り続けている。

私は寝返りを打ち、布団の中に顔を埋めた。

着信音が遠のいていく。

心の刺すような痛みだけが、鮮明に尖っていく。

ずっと堪えていた涙が、ついに決壊した。
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