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第718話

Auteur: 藤原 白乃介
佳奈は笑いながら彼の頭を撫でた。

「だって、一つはママの、もう一つはパパのだから」

その言葉を聞いた佑くんは、智哉の結婚証書を手に取り、ポケットにしまい込んだ。

「パパの結婚証書は、僕が持っておく。会いたくなったら、見れるから」

彼はそれをまるで当たり前のように言った。悲しみや寂しさを見せることもなく。

その無邪気でしっかりした様子が、かえって周囲の胸を締めつけた。

佳奈の笑顔はだんだんと苦くなり、そっと佑くんの頬に手を添えた。

「佑くん、これからはね、パパはいないの。覚悟はできた?」

佑くんは力強くうなずいた。

「パパがいないのはすごく悲しいけど、僕、もっと強くなる。早く大きくなって、ママを守るんだ」

その言葉に、佳奈の目には涙が浮かんだ。

うつむいて、息子の頬にキスを落とし、かすれた声で言った。

「じゃあ、パパを見送ろう。安心して向こうに行けるようにね」

全員が高橋家の本邸に戻り、葬儀の準備を始めた。

智哉の正体が俊介であることは、最後まで明かされなかった。

だから、この葬儀も「事故死」として公にされた。

弔問客はひっきりなしに訪れた。

佳奈は一貫
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