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33話「読めない日」

Penulis: 団紡るう
last update Tanggal publikasi: 2026-07-19 09:41:14

 土曜日の昼過ぎ、買い物から帰ると革靴があった。

 今日は連絡がなかった。

 台所を通り抜けてリビングへ向かった。

 灯がソファに座っていた。

 本を開いていた。

 ページが動いていなかった。

「こんにちは」

 返事が来るまで、一拍あった。

「こんにちは」

 顔を上げた。

 見た。

 少し赤かった。

「顔が赤いですよ」

「そうですか」

「熱がありませんか」

「少しだけあるかもしれません」

「少しだけ、というのは」

「昨日から少し高かったので」

「体温計を持ってきます」

 立ち上がろうとした瑠衣を灯は大丈夫ですと言葉で引き止めた。

「大丈夫かどうかを確認するために体温計を持ってきます」

 それ以上は言わなかった。

 洗面台の棚から体温計を出してきた。

「測ってください」

 受け取った。脇に挟んだ。待っている間も本を持っていた。開いてはいなかったが、手放さなかった。

 音が鳴った。

 体温計を受け取った。見た。

 三十八度二分だった。

「大丈夫ではないです。熱があります」

「動けているので」

「動けているかどうかと、大丈夫かどうかは別の話です」

 灯は少し考えた。

「そうですね」

「寝て
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