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7話「変な人」

مؤلف: 団紡るう
last update تاريخ النشر: 2026-06-22 07:00:39

 金曜日の夜、玄関を開けたら革靴があった。 

 なぜか少し安心した。その事実に気づいて、すぐ気づかないふりをした。スーパーの袋を台所に置いて、地下書庫に向かった。

灯は先週と同じ場所にいた。棚の前に立って、背表紙を眺めていた。

「こんばんは」

「こんばんは」

 それだけだった。いつも通りだった。

 夕食を作りながら、考えた。

 先週来た。今週も来た。偶然が二回続くと、習慣に近い。灯が「普段は別の場所に住んでいて、本が読みたいときだけ来る」と言っていたのを思い出した。本が読みたい頻度が、週一ということなのか。

 食事の準備ができた頃、地下から灯が上がってきた。手ぶらだった。今日は探し物が見つからなかったらしい。

 テーブルについて、食べ始めてから聞いた。

「毎週来るんですか」

「本が読みたいので」

 家に来るのではなく、本に来る。即答だった。迷いがなかった。
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  • 結婚式当日、妹と寝た婚約者を退け、叔父の妻となる   2話「人生最悪の日、乾杯」

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