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第10話

Author: 卵とトマト
浩が身を寄せてきた瞬間、私は反射的に手を伸ばして彼を突き放した。

それを見て、浩の瞳に悲しげな色が浮かんだ。「どうして拒絶するんだ?」

私は何度も後ずさりして浩との接触を避け、淡々と口にした。「風邪をひいてるから、移したくないの」

言い終えると浩を無視し、背を向けてまた眠りについた。

夜が静かすぎて、隣で浩が何度もため息をつくのが聞こえた。

昔の私なら、すぐに浩を抱きしめて、愛おしそうに慰めてあげただろう。

けれど今は、ただ煩わしいとしか思えなかった。

「すごく眠いの。自分の部屋に帰ってくれない?隣にいると安眠できないの」

言葉が終わると、辺りは途端に静まり返った。

しばらくして、浩がゆっくりと起き上がり、部屋を出て行くのがわかった。

浩が去ると、私はすぐに再び意識が遠のいた。

その夜は、信じられないほど深く眠ることができた。

翌朝、スマホに目をやると、理恵からメッセージが届いていた。

【離婚協議書は作成済みよ。都合のいい時に取りに来て】

理恵に返信をしてから、私は適当な航空券を予約した。

行き先なんてどこでもよかった。ただ、この街からも浩からも消えたかっ
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