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第六章:溺れる理性

作者: 佐薙真琴
last update 最終更新日: 2025-12-13 07:51:27

 アレクシスの指が、レオンの肌を這う。

 首筋から鎖骨へ。鎖骨から胸へ。ゆっくりと、焦らすように。

「兄さん、綺麗ですね」

 その言葉に、レオンは思わず目を逸らした。

「……からかうな」

「からかってなんかいません。本心です」

 アレクシスはレオンのシャツのボタンを、一つずつ外していく。その仕草は丁寧で、まるで大切なものを扱うようだった。

「兄さんは、いつも完璧でいようとする。誰にも弱さを見せない。でも」

 最後のボタンが外され、シャツが肩から滑り落ちる。

「俺の前では、全部さらけ出していい。完璧じゃない兄さんも、全部受け止めますから」

「っ……」

 その言葉が、レオンの胸を締め付けた。

 誰にも見せたことのない弱さ。認めたくなかった欠陥。それを全て受け入れると言われて――レオンは、初めて涙が滲みそうになった。

「泣かないでください」

 アレクシスは優しくレオンの目元に口づけた。

「今夜は、気持ちいいことだけ考えていてください」

 そう言って、アレクシスはレオンの身体をゆっくりと愛撫し始めた。

 胸を撫で、腹筋を這い、徐々に下へと向かっていく手。

「あ……」

 声が漏れる。

 こんな声を出す自分が信じられない。だが、止められない。

「いい声ですね」

 アレクシスは満足げに笑い、さらに大胆に触れてきた。

 レオンの理性が、徐々に崩壊していく。

 ダメだ。

 こんなの、おかしい。

 でも――気持ちいい。

「兄さん、力を抜いて」

 アレクシスの囁きが、耳元で響く。

「俺に、全部任せて」

 もう、考えられない。

 身体が勝手に反応している。

 アレクシスの声に従い、身を委ねていく。

「そう、いい子ですね」

 アレクシス

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