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第4章 – 裏切り

Author: Heln
last update publish date: 2026-09-17 10:09:17

キャッサンダ

ドン・ジョージとのセラピーは順調に進んだ。幸いにも試験が終わり、2週間の休みに入っていたため、私は本当にすべての時間を彼に費やすことができた。

ママが家に帰ってくることが少なくなったおかげで、老人に不適切な薬を盛られることもなくなり、今では杖を使わずに歩けるまでになっていた。本当に体力が戻ってきたため、車椅子もしまわれた。

「ドン・ジョージ、ママのことは許してあげてください。いつもいませんし、友達と出かけたり、ショッピングやスパ、サロンにばかり行っています。あなたへの義務を果たしていないわね」

私は彼の頭をマッサージしながら言った。

ドン・ジョージはちらっと目を開けると、うなずいた。

「いいんだよ、彼女が幸せならね」

私は彼に少し同情した。彼はママに対して本当に純粋な気持ちで接しているように見えるのに、私の母親にとっては彼がただのATMにしか見えていなかったからだ。

「君は泳げるかい?」

彼が突然尋ねた。

「えっ?」

彼は体を起こしてスイミングプールを見つめた。

「ここに引っ越してきてから、一度も泳いでいないんだ。若い頃はスイマーだったんだよ」

「本当ですか? 私たち同じですね。小学生の頃からずっと勝ち続けていたんです。勝負してみますか?」

私は笑いながら言った。

「いいとも」と彼は答えた。

プールに行くとき、私はツーピースのビキニを着て、ドン・ジョージはタイトなボクサーショーツ姿だった。その瞬間、彼をシャワーに入れた時のことが頭をよぎった。

あの大きなペニスの記憶が邪魔をして負けてしまうといけないので、私は必死にその記憶を頭から追い払った。彼も負けず嫌いそうだったからだ。

しかし、3ラウンド連続で私は負け続けてしまった。悔しくてたまらなかった私は、最後のラウンドでついに勝利を収め、思わず飛び上がって彼に強く抱きついてしまった。

二人とも体が濡れていたので、彼のペニスが硬くなって私の体に押し付けられているのが分かった。すぐに離れようとしたが、彼も私を抱きしめ返してきた。

100万ボルトの電流が体中を駆け巡ったような気がして、私は慌てて体を離した。気まずさを隠すために、一緒に着替えに行こうと誘った。

深夜、微かな物音で目が覚めた。私は眠りが浅いので、ちょっとした音でもすぐに起きてしまうのだ。

時間を確認すると、まだ午前3時だった。自分の部屋の明かりをつけて、窓の外を見た。

そこには、ママと以前一緒にいた男が、大きなバッグやまるで米袋のような荷物を抱えている姿がはっきりと見えた。

私は何が起きているのか確かめるために、急いで外に出た。

「ママ? それは何? どこに行くの?」

私は信じられなかった。ドン・ジョージの金庫(ボルト)ごと車に積み込もうとしているのだから。金庫の扉は開いていて、中が札束でパンパンに詰まっているのが見えた。しかもドル札だ。間違いなく何百万という額だった。

その時のママは、まるで正気ではないように見えた。目は薬か酒で真っ赤に充血していた。一緒にいる男も、足元がふらつくほど酔っ払っていた。

「急げよ、エレナ、さっさと積み込め。あの老人が目を覚ますかもしれないだろ。だから最初に殺しちまえって言ったんだ!」

男がイライラした様子で言った。

「金庫のほうが大事でしょ! 見なさいよ、大儲けよ!」とママが言い返す。

これ以上聞いていられなくなった私は、バッグの一つをつかんで開けた。中には大量の現金、宝石、そして豪邸にある高価な私物が詰まっていた。

「ママ? ドン・ジョージから盗みをするの? どうして? 彼は何でもあなたに与えてくれたじゃない! 頭が上がらないほどの恩を受けておきながら、彼の財産を奪うなんて、少しは恥を知りなさいよ!」

私は怒りに満ちて叫んだが、ママは正気を失っているのか、私の顔を思い切り平手打ちした。

「バカね! 私は彼の妻なんだから、彼の財産から私の取り分を取っているだけよ! それより私たちを手伝いなさいよ! さっさと自分の荷物も持って、ここを出るわよ!」

私は泣きながら首を横に振った。

「嫌だ! そんなの絶対に嫌! 彼は私たちを受け入れてくれたのよ。こんなやり方で彼を裏切りたくない。ママ、いったいどうしちゃったの? もうママが分からないよ!」

「おい、親子喧嘩してる暇があったら急げよ、捕きちまうぞ! さっさと乗り込んで、カジノに戻るぞ! 早く遊びたくてウズウズしてるんだ!」

男はそう叫ぶと、バンの運転席に乗り込んだ。

ママは私を鋭い目で睨みつけた。

「一緒に来るの、それとも勘当されたいの?」

私も真剣な眼差しで言い返した。

「私を勘当してよ、ママ。でも、私はママみたいな真似はしない。自分のしたことをいつか後悔すればいいわ!」

ママは不気味に私を睨みつけるとバンに乗り込み、車は猛スピードで走り去っていった。私は涙を流しながら家に戻り、階段を上がろうとした時、そこにドン・ジョージが立っているのを見つけて息を呑んだ。

彼が何が起きたのかすでに気づいていると分かっていたので、私は彼が近づいてくるのを見てその場にひざまずいた。

「お、お願いです、ドン・ジョージ、ママを警察に突き出さないでください。彼女が盗んだものは私が弁償します。どんなに時間がかかっても。あなたの奴隷になれと言われたって、そうしますから!」

私は泣き叫びながら懇願した。

しかし、彼は私の目の前まで歩いてくると、私を立たせ、バーカウンターへと引っ張っていった。彼は酒瓶を開け、グラスに酒を注いだ。

「失った金なら取り戻せる。私は金持ちだし、今の財産を墓場まで持っていくわけにはいかないからね。だが、失った信頼はもう二度と戻らない。受けた痛みは消えないんだよ」

彼は静かに続けた。

「あなたのママが私を愛していないことなんて、最初から分かっていたさ。彼女はただここから逃げるために私を利用しただけだ。そして実のところ、私も彼女を愛していなかった。かつて、強盗に殺されかけた彼女を救い出した時、彼女は『すべては娘のためだった』と言った。母親なら誰でも子供のために何でもするものだと思ったよ。私の間違いは、彼女を信じ、信用してしまったことだ。今こそ証明された。彼女はかつて、あなたのために雇い主から盗みを働いたわけではなかったんだ。そして今回、彼女が私の金を奪ったのも、絶対にあなたの母親だからではなく、自分自身のためだ。本当にあなたのためなら、無理にでも一緒に連れていこうとしたはずだ。まともな母親なら、子供を一人ぼっちで置いていったりはしないからね」

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