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155

Author: 槇瀬光琉
last update publish date: 2026-10-22 18:37:05

俺は自分の机を見て、数枚の紙切れが入ってるのに気付いた。

それを出して読んでみたら、俺を貶す言葉。

『一回いくらで寝るの?』

『そんなにSEXが好きなの?』

とか、そんな言葉。

俺は小さく笑い、それを机の中にしまった。

バカだね。

蒼華の本当の意味を知らないやつは……。

あの日から、俺の机の中には小さなメモが山のように入っていた。

内容は初めて見つけたときと同じもの。

俺はそ知らぬ顔でやり過ごしていた。

今更そんなことを言われようが、気にすることじゃないからね。

ただ…心が限界みたいだ……。

そろそろ本当に崩壊するみたいだ。

俺は放課になるたびに教室を出て、色々とうろついた。

東棟に行ったり、西棟で誰も近づかない場所に行ったり。

俺ってサボり魔だから、いろんな場所知ってるのよ~ん。

ほんと、こんなとこ誰も知らねぇよって場所も知ってる。

それだけ俺がこの学校をうろつき回ってる証拠だけどね。

今日も授業を終えて放課になったから、教室を出て廊下を歩いていたら、雨が降ってるのに気付いた。

俺は自然と外へと向かって歩き出していった。

向かったのは中庭。

そこにあるベンチに腰掛けた。

雨に当たる
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  • 蒼い華が咲く   160

    side雅 僕は生徒会室を出て、溜め息をつく。拓真が僕を名前で呼ぶときは、かなり怒ってるときだ。ということは、A組でそれなりに怒ったに違いない。まぁ今回の件に関しては、僕もかなり苛立ちを覚えたけどね。 僕は取り敢えず自分の教室に入り、「先生。拓真のカバン持ってくから」拓真の席に行き、机を片付け、カバンの中にしまいながら言う。今の授業は、うちのクラスも丁度担任なんだ。だから何も文句は言わない。 織田くんの状況を知っているから……。拓真と織田くんの関係を知っているから……。 「直希、靖、授業終わったら生徒会室に来てだって」僕は二人にそう告げる。二人は手を上げ、返事をした。拓真が言わなくても判る。生徒会の仕事を片付けるということは、拓真の決心が固まったということだ。織田くんを治すために休むという決心。 僕はそのまま教室を出て、A組の後ろの扉から中に入り、「先生。織田くんのカバンもらってくからね」そう告げた。織田くんは窓側の一番後ろだからね。僕はクラス中の視線を無視して、織田くんの席へと行き、机の上を片付け、カバンを机の上に置く。そして机の中を片付けるためにしゃがみ、中を見て驚いた。きれいにコピーされたノート。きっと苗代くんなんだろう。それと一緒にあるのは、ノートの切れ端のメモ。きれいに束ねられている。そんなのがいくつも入ってた。僕は不思議に思い、それを取り、書かれた文章を見てブチ切れた。「…ふざけるな…ふざけるなお前ら!」僕は自然と叫んでいた。みんなの視線が一斉に僕に集まる。「なんだよこれ! なんだよこれは! ふざけんじゃねぇ!」そこに書かれた文章は、どれも織田くんを貶すもの。罵るもの。冗談じゃない!「織田くんを…夜の街を彷徨う蒼い華の蒼華を侮辱するなんて、君たち勇気があるね。彼をそこら辺のホテルの前で自分の身体に値段をつけて、変態親父に買われてるやつと一緒にすんじゃねぇよ」冗談じゃない。「蒼華は彷徨い華だ。一度相手した奴は二度と相手をしない。誰にも媚を売りはしない。どこにも根をつけない彷徨い華だ。彼が唯一、自分から心を許したのは金狼だけだ!」僕はバン! と机を叩く。冗談じゃない!「蒼華は夜の街では高嶺の華なんだよ! 夜の住人ですら彼に触れることを許されない。彼に危害を加えることすら出来

  • 蒼い華が咲く   159

    side拓真 俺は蒼樹を二人に頼み、生徒会室を出た。今の俺はいつになく苛立っていた。何にって?蒼樹の両親に対して、苗代に対して、ZEAのメンバーに対して、GoldWolfに対して、佐久間に対して、佐久間の弟に対して、蒼樹に対して、そして俺自身に対して…。今起こってる現状に対して憤りを覚える。どうしようもない怒り。蒼樹を守りきれなかった自分の不甲斐無さ。 蒼樹の異変に気付けなかった不甲斐無さ。 蒼樹を支えきれなかった不甲斐無さ。そんなもの全てが憤りとなって、俺の中に渦巻く。苛立っても仕方がないことは百も承知だ。だが、どうしようもない感情。あいつを守るために傍にいると決めたのに…。結局、俺は守りきれていない。それどころか、あいつは壊れてしまった。崩壊が続いている。本当に戻れなくなってしまう。なんとしても元に戻さなければ……。 その前に、どうしてもやっておきたい事が一つだけある。 2-Aの連中に宣戦布告だ。俺はもう隠しはしない。あいつを守ると決めたそのときから、覚悟は決めた。俺が彷徨う金狼だとばれてもかまわない。もともと隠していたわけじゃないんだからな。ただ姿を隠してただけだ。蒼華の為に……。 俺は足早に廊下を歩き、授業中である2-Aの扉を勢いよく開けた。俺を見た吉田は、なんとも言いがたい顔をして教科書を閉じた。 教室の中が何事かと騒がしくなる。俺は入り口に凭れ、「てめぇら、蒼樹を何だと思ってやがんだ? 利用するだけ利用して、あいつの素性がわかれば玩具の様にポイ捨てか?」そう叫んだ。部屋の中がシーンとなる。「てめぇら、誰も気付いてねぇもんな。蒼樹が今、どんだけ危険な状態に陥ってるのかさえな」俺は教室の中を睨んだまま言う。「蒼ちゃん…そんなに悪いの?」そう聞いてきたのは、確か牧野だったか?「今のあいつはな、何も食べられねぇし、夜も薬がなきゃ眠れねぇ…。心が壊れちまってんだよ」俺はそう教えてやる。「そんな…そんな素振り全然…」牧野が俺に言ってくる。「ハッ。てめぇらが気付くわけねぇだろ? あいつはな、誰よりも傷付きやすくて、繊細で、臆病で、誰よりも優しいんだよ。そんなあいつが、てめぇらに自分の状態を気付かせるわけがねぇだろ!」俺は怒りのまま言葉をつなげる。「あいつはな、佐久間の魔の手からて

  • 蒼い華が咲く   158

    いつもと同じ風景なのに、今の俺にはただの恐怖。全てが怖い。 行き交う人たちが怖い。俺は唇を噛み締め、拓ちゃんのブレザーの裾を掴んだ。「大丈夫か? 手でも繋ぐか?」拓ちゃんが心配そうに聞いてくるけど、「このままでいいから…」俺はそう答えた。必要以上に拓ちゃんに甘えられない。 俺たちは結局、そのままの格好で学校に行き、普通に別れて自分たちの教室に入っていった。俺は一番後ろだから、後ろの扉から誰にも気付かれないように気配を消して入った。俺という存在を今日一日だけ消すために……。だから気配を消して、極力音も立てずに席に座った。 「…怖いよ…全てが…」俺は窓の外を見て、ポツリと呟く。 今の俺がここにいていいわけじゃない。ここにいるべきじゃないんだ。だけど……我慢しなくては…。拓ちゃんと約束したから…。1限目だけは出ると…。そしたら理事長室に行って、理由を話して休学させてもらうと…。だから我慢しなきゃいけない…。今日の1限目は吉田だから…。だから…我慢しなきゃいけない…。怖いけど…我慢しなきゃいけない…。 普通にHRが始まって、そのまま授業が始まった。俺は極力、普通の振りをして授業を聞いていた。ただ、ふとボーッとするときがあったんだけど……。運悪く、そん時に呼ばれていたらしく、「蒼樹。おい。蒼樹、呼んでる」前の翔太が教えてくれた。その瞬間だった。「嫌だ…触るな…俺に触れるな…」俺はそう叫び、勢いよく立ち上がり、教室を飛び出していった。「ちょっと待て、蒼樹!」翔太が追いかけてくる。翔太にばれちゃったな。「こら! 織田! 苗代、待て!」吉田が叫んでるけど、今の俺には止まれなかった。そのままの勢いで一階まで駆け下り、東棟へと走っていき、いつも俺が使ってる部屋に入り、部屋の隅に座り込んだ。「蒼樹! 大丈夫か?」翔太が聞いてくる。俺は翔太の手を振り払い、「お願いだから…傍に寄らないで…」そう言う。それだけで翔太に通じる。翔太にしか判らない俺の変化。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。全てが怖い。「クソッ」翔太が呟く。「苗代、悪い。代わってくれるか?」少し息を切らした拓ちゃんが、雅と一緒に来る。「あぁ。わりぃ。頼む」翔太はそう言って俺から離れ、拓ちゃんと入れ替わる。「大丈夫か?

  • 蒼い華が咲く   157

    そのまま俺たちは大量の食材を持って、拓ちゃんの住むアパートに戻ってきた。「じゃぁまた連絡して」美優さんはそう言って帰っていった。拓ちゃん一人じゃ持ちきれないから、俺も荷物を持ってキッチンに向かった。拓ちゃんは、「適当にしてていいぞ」って、食材をしまいながら言うから、俺は部屋の中を見て回って、リビングのCDデッキのとこに行って立ち止まった。デッキの側に並べられてるCDを見ながら、「ねぇ…CDかけてもいい?」聞いてみた。「好きなのかけていいぞ」そう返事が返ってきたから、俺は並べられたCDの中から一枚取り出し、それをデッキにセットしてかけ始めた。中身はクラシックなんだけど、俺の好きな曲だったんだ。部屋の中に流れる曲。久しぶりに聞いたな…。「蒼樹。制服から着替えろ。服貸すから」いつの間にか冷蔵庫の片づけが終わったのか、拓ちゃんが言う。「は~い」俺はそう返事をして、拓ちゃんに付いていった。でもさ…。「拓ちゃんのパジャマがいい」だって動きやすいんだ。俺には丁度スカートみたいだけどさ。「好きなの着ろ」拓ちゃんも判ってたのか、そう言ってくれた。俺は適当に選ぶと、制服から拓ちゃんのパジャマに着替えた。リビングに戻って、ソファに座ってCDをじっと聴いてたの。1曲だけリピートにしちゃったんだけどね。でも拓ちゃんが文句言わないから、そのまま。拓ちゃんは何してるかって言うと、俺の薬と診断書を整理しつつ、キッチンに戻ってご飯の準備。 「蒼樹。出来たぞ」ご飯の準備が出来たのか、そう言われ、俺はキッチンに行く。「ヨーグルトだけじゃあれだから、野菜スープ作ってみた。無理して食べなくてもいいからな」拓ちゃんはそう言ってくれる。優しいよね。「うん。でも頑張ってみる。早く食べられるようになりたいから」俺はそう答え、拓ちゃんが用意してくれた晩御飯を食べ始めた。やっぱりね、初めは抵抗あるんだ。でもね…。拓ちゃんがいると不思議なの…。「拓ちゃんがいると…普通に食べられるから不思議だよ」俺はそう言いながら、少しだけだけど野菜スープも食べちゃった。 拓真は後片付けし始めたから、俺はまたソファの上。ボーっとしてる時間が多くなってきたかも…。そろそろかもな…。何も受け付けなくなるのも……。 「蒼樹、薬」拓ちゃんに呼ばれ、俺は

  • 蒼い華が咲く   156

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  • 蒼い華が咲く   155

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  • 蒼い華が咲く   30

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  • 蒼い華が咲く   03

    公園で金狼さんと別れた俺は一人帰路へと着く。 ほんと、気乗りしない道のり。帰ったって誰もいないんだから…。 あぁ、帰りたくない。 家につけば真っ暗だった。あぁ、やっぱり今夜もか。 外灯も、門灯もいつ頃から着かなくなったのか?今宵もこの家で俺は一人。俺はため息をつき門を開けて中に入りポケットの中から鍵を取り出して、玄関の鍵を開け家の中に入った。シンとしている家の中。真っ暗だ。ドアを閉め鍵をかけると靴を脱ぎ捨てて、自分の部屋へ向かおうと階段を上りかけて足を止め、キッチンへと行先を変えた。 キッチンへと入り冷蔵庫の中から缶ビールを二缶取り出し、そのままその場で一缶は一気に飲み干す。

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