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第11話(3)

Author: 北川とも
last update Petsa ng paglalathala: 2025-12-31 11:00:37

 和彦が思いつくまま簡単に述べると、秦は軽く拍手した。思わず睨みつけた和彦だが、すでに包帯が巻かれていない秦の右手のてのひらに、大きな絆創膏を貼ってあるのが見えた。和彦の視線に気づき、秦はてのひらを差し出してくる。

「先生が何度も忠告してくれたので、病院に行って胸のレントゲンを撮ってもらったんです。そのとき、抜糸もしてもらいました。もう少し早く来いと怒られましたが、傷の縫い目がきれいだとも言われましたよ」

「別に……、特別丁寧にしたわけじゃない。そういう縫い方が身についてるんだ」

「肋骨のほうは、しっかり固定して、静かに日常生活を送っていたので、完治も間近だそうです。すべて、先生のおかげです」

「感謝なら――」

 中嶋くんにしてくれ、と言おうとして、和彦は反射的に口元に手をやる。先週、その中嶋と自分が何をしたのか思い出したのだ。

 欲情を刺激されないくせに、不快どころか、心地よさを覚える不思議なキスだ。やましい気持ちがないからこそ、罪悪感とも無縁だ。だが、誰にも言えない。

「先生、ど
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