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第19話(16)

Author: 北川とも
last update publish date: 2026-03-12 08:00:52

「先生、こっちです」

 ようやく中嶋と肩を並べて歩きながら、和彦は手にした手提げ袋に視線を落とす。

「それ、プレゼントですか?」

「そうだ」

「プレゼントだけじゃなく、伝言も受け取ったんじゃ……」

「意外なことに、それはなかった。プレゼントだけを渡されて、あとは、友人からの忠告だ。一度ぐらい、会って話し合ったほうがいいと言われた」

「俺でも、その友人の方の立場なら、同じ忠告を先生にするかもしれません」

 中嶋にニヤリと笑いかけられ、乱暴に息を吐いた和彦は乱暴に髪を掻き上げる。

 頭ではわかっているのだ。家族と会って、互いの生活に干渉しないとはっきりさせたほうがいいと。ただ、和彦が今身を置いている環境と、佐伯家が迎えつつある環境の変化は、絶対に相容れない。そして、非難される環境にいるのは、和彦だ。

「……家族に会って、自分が今、ヤクザの組長のオンナになっていると話せると思うか?」

「そこまで話す必要はないでしょう。ただ、元気にし
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