Beranda / BL / 血と束縛と / 第27話(7)

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第27話(7)

Penulis: 北川とも
last update Tanggal publikasi: 2026-04-26 11:00:16

『それでもお前は、わたしの弟だ。これは、わたしにはどうしようもない。だったら、せいぜい利用させてもらう』

 英俊が向けてくる冷たい悪意は、電話越しでもしっかりと伝わってくる。どれだけの言葉を費やそうが、気持ちは決して交わることはなく、ただ一方的に搦め取られそうになる。

「ぼくに何ができる? 兄さんが言うとおり、おぞましい画像を撮られて、いつスキャンダル沙汰になってもおかしくない人間だ。そんなぼくが佐伯家にできることと言ったら、存在を隠すことだけだ」

『そんなお前でも、利用価値はある。佐伯の血を引いているという一点でな』

 ゾクリとするような感覚が、全身を駆け抜けた。

 和彦は、〈血〉の怖さと重さを知っている。長嶺の男たちによって教えられたのだ。切り捨てることも、逃げ出すこともできないものであるということも。

『父さんは、お前を外で自由にはさせていたが、手放す気は一切ないぞ。……わたしにとっては忌々しいがな』

 不穏な空気を感じ取った――わけではないだろうが、なんの前触れもなく、書斎の
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  • 血と束縛と   第36話(27)

     背に玲が覆い被さってきて、ちろりと肌を舐められる。背後からきつく抱き締められながら、次にうなじに唇が押し当てられた。荒い息遣いが耳朶に触れ、和彦は甲高い声を上げる。 玲が夢中で腰を動かしているとわかる。内奥から欲望を出し入れされ、ぐちゅっ、ぐちゅっと淫靡な音を立てて濡れた粘膜が擦れ合い、その音が、一層欲情を煽り立てる。「んっ、んんっ、あっ、あっ、玲、く……」「その声も、いい――。んっ、また、出していいですか……? 出したい」 中に、と掠れた声で囁かれ、鳥肌が立った。 誘い込むように玲の欲望を締め付ける。内奥深くに、二度目の精を受け止めていた。 玲の額が背にぐりぐりと押し当てられ、和彦は息を喘がせながらも笑ってしまう。 玲は今度は、和彦の背に愛撫の痕跡を残し始める。肌にときおりチクリと走る小さな刺激だけではなく、微かに聞こえる濡れた音に鼓膜を刺激され、和彦は自分の両足の間にそっと片手を這わせる。まだ一度も絶頂を迎えてはいないが、中からの刺激に反応していないわけではなく、十分に熱くなり、反り返っていた。「はっ……ん、ふっ、は、あぁ――……」 玲の愛撫を受けながら、自らを慰めようとしたが、ふいに内奥から欲望が引き抜かれ、背から玲が退く。肩を掴まれて、なんとなく意図を察した和彦が仰向けとなると、勢いよくしがみつかれた。 汗で濡れた体をぴったりと重ね、擦りつけ合う。和彦は、いまだに力強さを漲らせている体をてのひらで愛撫する。しなかやな筋肉を覆う肌の感触も心地よかった。「こうしていると、よくわかる。本当に、きれいな体だ。……たまに考えるんだ。君たちぐらいのとき、ぼくはこんなふうに、圧倒されるぐらい眩しい存在だったんだろうか、って」「君たち?」 和彦は自分の失言に気づいたが、うろたえたりはしなかった。玲が知ろうと思えば、明日にでも耳に入ることだ。「ぼくをオンナにしている一人が、君とそう歳が違わない」「――……犬っころみたいな奴。昨

  • 血と束縛と   第36話(26)

     和彦の内奥は、侵入者を見境なく締め付ける。玲はまだ快感を味わえてはいないだろう。 玲が緩く腰を突き上げながら、少しずつ侵入を深くしていく。和彦は浅い呼吸を繰り返し、なるべく下腹部に力を入れないよう努める。内奥の圧迫感と異物感が増していき、馴染みのある感覚に安堵する。 何度か出し入れを繰り返し、内奥の肉を押し広げていく。玲なりに、和彦に苦痛を与えまいと努力しているのが伝わってきて、じわりと胸の奥が温かくなる。「んうっ」 切羽詰った声を上げたのは玲だった。内奥に欲望を根元まで埋め込むと、和彦の胸元に倒れ込んでくる。熱くなった体からはすでに汗が噴き出し、濡れている。 繋がっているせいもあり、玲の力強い鼓動がこちらにまで伝わってくるようだった。一回り以上も年下の青年の生命力をこんな形で感じて、繋がった部分が疼く。 しがみついてくる玲の背を何度も撫でながら、和彦は低く囁く。「もう少し待ってくれ。中が柔らかくなって、具合がよくなる」 顔を覗き込んできた玲が笑った。「――エロいな、あなた。すごく」 ここで唇を重ね、貪るように唇と舌を吸い合う。短い間に、玲の口づけはどんどん和彦好みのものへと変化していた。 差し出した舌先を擦りつけ合い、唾液を交わす。それから舌を絡め合いながら、和彦は腰を揺らす。内奥で息づく熱い欲望の存在を強く意識して、吐息を洩らしていた。玲がぎこちなく欲望を動かし、やはり吐息を洩らす。「本当だ。中、柔らかくなってきました。でも、締まってます」「痛くない?」 和彦は息を詰め、内奥を収縮させる。玲が呻き声を洩らし、欲望が小刻みに震えた。「気持ちいい……。すげー、いい。腰が溶けそうです」 玲が腰を揺すり、和彦は小さく喘ぐ。意外にがっしりしている腰に両腕を回して抱き寄せると、玲は呻き声を洩らす。 あっ、と和彦が声を洩らしたときには、玲は内奥で達していた。 ビクビクと震える欲望の蠢きに、和彦は快感にも似た愛しさを感じる。相手が誰であろうが、自分が快感を与えられたと強く実感できるこの瞬間は、好きだった。 ポタポタと汗

  • 血と束縛と   第36話(25)

     まったく経験したことのない触れられ方に、心臓の鼓動が速くなっていく。愛撫とはまったく違うからこそ、玲の手の動きを意識してしまう。 飽きることなく和彦の体をてのひらで撫で続けていた玲が、ふと思い出したように顔を寄せてくる。何を求めているのか即座に察した和彦は、玲の首の後ろに手をかけ、口づけを受け入れた。 唇を吸い合い、舌先を擦りつけ合ってから、互いの口腔をまさぐる。露骨に濡れた音を立てながら舌を絡め合うようになった頃、和彦は片手を玲の腰の辺りに這わせ、指先で探り当てた帯を解いた。玲が帯を抜き取り、浴衣を脱ぎ落とす。 すがりつくように玲が抱きついてきたので、和彦は両腕で受け止めながら、厳かな気持ちで熱く滑らかな肌にてのひらを這わせた。すると玲がまるで何かに急き立てられるように、もどかしげに下着を引き下ろしながら、腰を密着させてきた。「――……君、やっぱりおかしい」 今にも破裂しそうなほど高ぶった欲望を擦りつけられ、和彦は小声で洩らす。玲が笑ったような気配がしたが、表情を確かめることはできなかった。和彦の体を撫で回したあとで、新たな興味に移ったらしく、さっそく実行に移したのだ。 肩に強く吸い付いた玲が顔を上げる。どうやら、肌に跡が残るか確かめたらしい。 微かに濡れた音をさせながら、強弱をつけ、ときにはそっと歯を立てられて、肩だけではなく、腕の内側や胸元、脇腹へと吸い付かれる。最初はくすぐったさに声を堪えていた和彦だが、いつの間にか息が弾み、肌に触れる硬い歯の感触にゾクリとするような疼きを感じるようになっていた。 玲が、肌に残った鬱血の跡を満足げに眺める。「これ、キスマーク……、初めてつけました」「嬉しそうだな」 和彦は、玲の髪に手荒く指を差し込む。何かの儀式のようにまた口づけを求めてきたので、今度は玲の好きなようにさせる。口腔に入り込んできた舌に隈なく舐め回され、流し込まれる唾液を喉を鳴らして飲んでやると、興奮したように強く腰をすり寄せてきた。「……入れたい、です」 口づけの合間に、苦しげな声で玲が言う。一瞬、このまま続けていい

  • 血と束縛と   第36話(24)

    「……ぼくをオンナにしている人に、初めて抱かれたとき、部屋に、若武者の掛け軸がかかっていた。ぼくに似ていると言われたけど、自分ではまったくそんなふうに思えなかったんだ。ぼくとはあまりに違う。若く、凛々しいきれいな顔立ちをして。本当に君によく似ている。一目見て、惹かれた」「掛け軸の若武者に? それとも――」 ハッと我に返った和彦は、ここでやっと肝心なことを玲に尋ねる。「君はどうして、この部屋に……?」 それに、今の自分の格好だ。和彦は慌てて体を起こそうとしたが、玲の肩が手にかかり、動けない。玲は体重をかけないよう気遣いながらも、和彦の体の上にしっかりと馬乗りになっていた。「欲が出ました。父さんがしていたように、俺も――、オンナを抱きたいです」 大胆な告白に、今の状況も重なって、怒りを感じるべきなのかもしれないが、まず和彦は戸惑う。夕方交わした口づけで、自分が玲を煽ってしまったという自覚もあった。その自覚は、罪悪感とも呼べる。 これは、やはり年下である千尋と初めて口づけを交わし、体の関係を持ったときですら、抱かなかった感情だ。そもそも千尋との出会いは、あくまで後腐れのない享楽的なものから始まり、複雑な事情も、厄介な男たちの存在も、当時の和彦は一切関知していなかった。 今、体の上にいる青年は、個人としては普通の高校生かもしれないが、少なくともオンナの存在を把握している。それどころか、毒され、魅了されていると言ってもいい。 玲の父親である龍造は、どれほど〈オンナ〉を魅力的に語っていたのかと、内心で詰っていた。刺激が強すぎて、未成年に語っていい存在ではないはずなのだ。「……ダメ、だ……。それは、ダメだ。君は、これ以上ぼくに関わるべきじゃない。ぼくをオンナにしているのは、怖い男たちだ。君の父親の立場も考えたら、ぼくと君の手に負えない事態になる」「関係ないです。俺には、父さんの立場なんて。今、俺の目の前には、あなたしかいない」「子供のような屁理屈を言うなっ」 声を荒らげたところで、玲がその子供であることを思い出

  • 血と束縛と   第36話(23)

     微かに濡れた音を立てながら、玲の舌を優しく吸い、自分の口腔に誘い込む。和彦のマネをするように玲の舌が蠢き始めた。されるに任せながら、初めて見たときから惹かれていた玲の背にてのひらを這わせる。 まっすぐ伸びたきれいな背筋を何度も撫で、清廉さがそのまま現れているようなうなじを指先でくすぐる。同時に、玲の舌を甘噛みする。玲の反応は素直で、再び体を震わせた。 際限なく口づけを続けてしまいそうで、和彦はなんとか頭を引く。追いすがってきた玲の口元をてのひらで覆った。「ここまでだ」「……嫌です。まだ、続けたいです」「思い出にはなっただろ。ほら、清道会の人が来るから、君は部屋に入っていろ。その顔じゃ――」 二人揃って唇を赤く腫らして、人前に出るわけにはいかない。和彦が言おうとしていることを理解したらしく、玲はあからさまに残念そうな顔で一旦体を離したが、次の瞬間、思い直したようにまた和彦を抱き締めてくる。 体を締め付ける腕の感触に、心臓の鼓動が大きく跳ねる。ズルリと音を立てて、自分の中にある感情の塊が玲に引き寄せられたのを、このとき確かに和彦は感じていた。** 枕元のライトの明かりが、ぼんやりと天井を照らす。布団に横たわった和彦は、きれいな木目をじっと見上げていたが、両足の熱が気になって、結局起き上がる。 今日は歩き過ぎたせいで、足の裏が熱をもっている。ふくらはぎは少し痛かった。和彦はパジャマのパンツの上から足を丁寧に揉みながら、鷹津と街をさまよった日のことを思い出す。ずいぶん遠い日の出来事のように思えるが、まだ一か月も経っていないのだ。 その間、自分は――。 夕方、玲と交わした口づけが蘇り、布団に突っ伏したくなる。羞恥からではなく、どうしようもない罪悪感からだ。 夕食は、和彦たち三人以外に、準備を手伝ってくれた清道会の組員たちも加わって、ずいぶんにぎやかなものとなったのだが、和彦は、なんでも見通してしまいそうな御堂の色素の薄い瞳が、非難の色を浮かべるのではないかと気が気でなかった。その点玲は、何事もなかったように堂々としていた。 あの一度の口づけで気が済んだ

  • 血と束縛と   第36話(22)

    「それ以上に彼も楽しんだだろう。佐伯くんがいてくれてよかったよ。そうでなかったら、いかつい護衛だけを引き連れて、出歩くことになっていたはずだから」「……いい子でしたよ。千尋と年齢が近いし、環境も境遇も似たようなところがあるようですけど、やっぱり、タイプは全然違いますね」「どちらも、可愛く見えても、あの父親たちの息子だからね。将来はどうなるやら」『あの父親たち』をよく知っている御堂の発言に、少しだけ和彦の首筋が寒くなった。「怖いこと言わないでください……」「おや、千尋はともかく、玲くんにも何か片鱗は感じた?」「基本的に物静かで素直な子ですが、迫力がありますよ。……少し押しが強いというか」「本能的に嗅ぎ取るのかな。自分のわがままを聞き入れてくれる相手かどうか。君は、優しいから」 裏の世界で生きている男から優しさを指摘されるのは、喜ばしいことではない。付け入る隙があると言われているようなものだ。和彦はさまざまな男たちと接してきて、それを学習した。 和彦が複雑な表情を浮かべていると、玲が戻ってくる。すると御堂が、イスの背もたれにかけていた上着を手に立ち上がった。「さて、わたしはちょっと夕飯の買い出しに行ってくるから、二人で留守番を頼むよ」「あっ、じゃあ、ぼくも荷物持ちに――」「歩き回って疲れたんだろう? いいよ、清道会が車と人を出してくれるから、君らは休んでいて。あっ、もうすぐ、手伝いの組員たちが来るから、そのときは玄関を開けてやってくれないかな」 御堂が慌しく出かけていき、和彦は玄関で見送る。引き戸が閉まってから背後を振り返ると、玲が立っていた。和彦はあえて言葉はかけず、傍らを通り過ぎるときに、ぽんっと軽く肩を叩く。 洗面所で手を洗おうとしたが、何げなく正面の鏡を見て驚く。玲がついてきていた。本能的に、マズイと思った。 和彦は手も洗わないまま慌てて洗面所を出ようとしたが、玲が立ちはだかる。さらには肩を掴まれ、壁際に押しやられていた。 言葉もなかった。玲の顔が近づき、そっと唇が重ねられる。熱い吐息

  • 血と束縛と   第4話(2)

     また指で呼ばれ、和彦は賢吾のあとについていく。工事後は待合室となるホールでは、施工業者の人間が集まって持ち込む機材について話し合っている。その様子を一瞥した賢吾は、奥の部屋へと向かう。 「……護衛の人間は?」  ホールを見て、賢吾が一人でこのフロアにやってきたのは確認した。 「物騒なツラした人間を、一般の業者がいる場所に連れてくるわけにはいかないだろ。設計士は前からの馴染みだが、業者のほうはそうじゃないんだ。クリニックを始める前に、妙な噂は立てたくない」 「自分は物騒なツラじゃない、と言いたいんだな」  皮肉でもなんでもなく、思ったまま

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-19
  • 血と束縛と   第4話(18)

    「総和会から連絡したいことがあると、中嶋さんが来るの。奥さんがいる家より、こっちのほうが、難波さんが捕まりやすいんだと思う」  和彦の疑問を察したように教えてくれたが、その口調からは、愛人である自分の立場に対する引け目のようなものは一切感じ取れない。案外、仕事のようなものだと割り切っているのかもしれない。 「ねえ、佐伯先生、クリニックの話、本当?」 「あっ、まあ、クリニックを開くのは本当ですよ。今はまだ、準備中ですけど」 「だったら、開業したら、わたしのことも診てくれる?」  まだ二重瞼の手術を諦めていないのだろうかと思いながら、和彦は微

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-19
  • 血と束縛と   第4話(13)

    「普段生活している場所だと、どんな雑菌がいるかわからないんです。その雑菌が傷に入ったら、大変なことになりますよ。それに処置するにしても、もっと明るい照明が必要です。瞼を少し切って、糸をすべて取り除くことになりますから」 「それで、お前が上手くできるという保証はあるのか? もしかすると、もっとひどいことになることもあるんだろう。場所を変える云々も、自分の腕に自信がないからだろう。だいたい、こんな若い医者の言うことが信用できるか」  さてどうしたものかと、和彦は中嶋と顔を見合わせる。聞き分けの悪い患者の相手は慣れているが、クリニックの仕事とはわけが違う。組の事情などという

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-19
  • 血と束縛と   第3話(5)

     和彦は最初、性質の悪い男なりの笑えない冗談かと思ったが、そうではないようだ。  指先に唇を割り開かれ、押し込まれる。舌を刺激され、口腔から出し入れされるようになると、和彦も言われたわけではないが賢吾の指を吸い、舌を絡める。賢吾のものをそうして愛撫したように。賢吾の腰の動きが次第に同調し、内奥から逞しいものを出し入れされる。  指ではなく、口づけが欲しいと率直に思った。和彦がおずおずと片手を伸ばすと、口腔から指が引き抜かれ、甘く残酷に囁かれる。 「さあ、どうするんだ? 俺は名前を呼ばれないと、お前の欲しいものはやらないぞ。もうこっちには、お前の欲しいも

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-18
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