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第28話(7)

작가: 北川とも
last update 게시일: 2026-05-02 11:00:51

「何度も言ってるだろ。お前は、俺にとって大事で可愛いオンナだと。それは、他人とは言わない。恋人でもない。こっちの世界じゃ……、いや、長嶺の男にとってそれはもう、家族と呼ぶんだ」

 不覚にも、胸が詰まった。ヤクザの口先だけの言葉など、と返すことすらできなかった。

 賢吾に唇を吸われてから、魅力的なバリトンで囁かれる。

「もう一度呼んでみろ」

 反射的に顔を背けた和彦だが、反応を促すように賢吾に腰を揺らされ、内奥深くまで埋め込まれた欲望の興奮を知らされる。今すぐにでも引き抜かれそうで、はしたなく締め付け、襞と粘膜で奉仕する。

「ほら、早く呼べ」

 和彦は、賢吾を軽く睨みつけてから、ぎこちなく呼びかけた。

「――……賢、吾」

「もう一度」

「……賢吾」

 何度も賢吾に求められ、そのたびに和彦は応じる。まるで、甘い睦言のようなやり取りだった。その間も律動は繰り返され、内奥から否応なく肉の悦びを引きずり出され
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  • 血と束縛と   第28話(7)

    「何度も言ってるだろ。お前は、俺にとって大事で可愛いオンナだと。それは、他人とは言わない。恋人でもない。こっちの世界じゃ……、いや、長嶺の男にとってそれはもう、家族と呼ぶんだ」 不覚にも、胸が詰まった。ヤクザの口先だけの言葉など、と返すことすらできなかった。 賢吾に唇を吸われてから、魅力的なバリトンで囁かれる。「もう一度呼んでみろ」 反射的に顔を背けた和彦だが、反応を促すように賢吾に腰を揺らされ、内奥深くまで埋め込まれた欲望の興奮を知らされる。今すぐにでも引き抜かれそうで、はしたなく締め付け、襞と粘膜で奉仕する。「ほら、早く呼べ」 和彦は、賢吾を軽く睨みつけてから、ぎこちなく呼びかけた。「――……賢、吾」「もう一度」「……賢吾」 何度も賢吾に求められ、そのたびに和彦は応じる。まるで、甘い睦言のようなやり取りだった。その間も律動は繰り返され、内奥から否応なく肉の悦びを引きずり出される。賢吾の下で煩悶しながら和彦は、抑え切れない嬌声を上げていた。「うあっ、あっ、あっ、い、い……。気持ち、いいっ――」「ああ、俺もだ。俺をこんなに感じさせてくれるのは、お前だけだ」 嬉しいと、率直に思った。和彦は意識しないまま笑みをこぼし、誘われるように顔を寄せた賢吾と、激しい口づけを交わす。 それだけでは満足できない和彦は、言葉にならない強い求めを知らせるため、筋肉が張り詰めている逞しい肩にぐっと爪を立てる。和彦の求めがわかったのだろう。賢吾は猛々しい鋭い目つきで和彦を見下ろしてきながら、内奥深くに熱い精をたっぷりと注ぎ込んできた。** 賢吾とのセックスはいつでも激しく濃厚だが、今日は特別だったと和彦は思う。 剥き出しの肩先を撫でられて、それだけで淫らな衝動が胸の奥で蠢く。暴れ出さないよう、慎重に息を吐き出した和彦は、賢吾の肩にのしかかるように描かれた刺青に触れる。「――そうやって先生に触れられるだけで、まだ興奮する」 本音半

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     和彦がぎこちなく手を動かしているのとは対照的に、賢吾の指の動きは巧みだ。確実に和彦の弱みを探り当て、弄んでくる。すべてを賢吾に委ねた証として、無意識のうちに力が抜け、自ら大きく足を開いて愛撫を求めてしまう。そんな和彦を見下ろしながら、賢吾はそっと目を細めた。 オンナの従順ぶりを愛でているようでもあり、そのオンナに、同じような愛撫を施した男の動きを追っているようでもある。「どの男に対しても、こんなにいやらしい蜜を垂らして悦んで見せているんなら、少し仕込みすぎたかもしれねーな」 ゾッとするほど優しい声で囁いた賢吾の片手が、反り返り、先端から尽きることなく透明なしずくを垂らしている和彦の欲望にかかる。唇を噛んで声を堪えたが、反応そのものを堪えることはできない。賢吾の手が動くたびに腰を揺らし、熱くなったものを震わせる。「ふっ……」 凶暴な熱の塊が、ひくつく内奥の入り口に擦りつけられる。それだけで和彦の背筋に、痺れるような疼きが駆け抜けていた。指で解されたとはいえ、まだ狭い場所をゆっくりとこじ開けられ、痛みと異物感が生まれはするものの、大蛇の化身のような男に内から食らわれるという高揚感の前には、あまりに淡い感覚だ。 和彦はすがるように賢吾を見上げながら、逞しい腕に懸命にしがみつく。そんな和彦を見下ろしながら、賢吾が残酷な質問をぶつけてきた。「――こんなふうに、南郷を受け入れたか?」 瞬間的に怯えた和彦だが、欲望の太い部分を内奥に呑み込まされ、強い刺激に気を取られてしまう。さらに追い討ちをかけるように、賢吾が緩く腰を揺する。「んあっ、あっ、あうっ……」「どうだ」 反り返った欲望を、賢吾の下腹部に擦り上げられながら、唇の端を軽く吸われる。吐息をこぼした和彦は、ようやく言葉を発することができた。「……な、い……。受け入れて、ないっ……」「本当か?」 賢吾の口調が穏やかだからこそ、腹の内に滾っているものを想像して恐怖する。和彦は恥らう余裕もなく、事実を答えていた。

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     念を押すように賢吾に問われ、顔を背けながら和彦は頷く。ここで一旦賢吾が体を起こし、ベッドに沈められそうな圧迫感から解放される。だが、ほっとはできなかった。顔を背けたままの和彦の耳には、しっかりと衣擦れの音が届いていたからだ。 再びのしかかられ、今度はしっかりと素肌同士が重なる。全身で感じる賢吾の体の重みと熱さに和彦は、一気に高まった高揚感から眩暈に襲われる。その間にも膝を掴まれて両足を広げられると、逞しい腰が割り込まされる。擦りつけられた賢吾の欲望は、すでに猛っていた。「先生、俺を見ろ」 傲慢に命令され、和彦はおずおずと従う。見上げた先で、賢吾は唇に薄い笑みを浮かべていた。かつては酷薄そうに見えていた笑みだが、今は違う。ひどく官能を刺激される魅力的な表情だと思った。「あっ……」 こちらの求めがわかったように、賢吾に唇を吸われる。和彦は箍が外れたように賢吾の唇を吸い返しながら、夢中で両腕を広い背へと回し、てのひらで存分に大蛇を撫で回す。口づけの合間に賢吾に問われた。「――こいつが愛しいか?」 和彦は息を喘がせながら、賢吾の目を覗き込む。背だけではなく、この男は身の内にも大蛇を棲まわせている。残酷で獰猛なくせに、蕩かしそうなほどオンナを甘やかしながら、底知れない強い執着心と独占欲を持つ生き物だ。だからこそ、己の手から離れると知ったとき、この生き物は容赦なく、オンナの首をへし折ってしまうだろう。他人の手に渡るぐらいなら、と。「そんなわけ……ない。こんな、怖いもの……」「だが、欲しいだろ?」 甘く優しい声で囁かれ、和彦は賢吾を睨みつける。しかし賢吾の唇が瞼に押し当てられると、もう抗えなかった。「……欲し、い」 指にたっぷりの唾液を絡めた賢吾が身じろぐ。予期したとおり、濡れた指が内奥の入り口をまさぐり始め、和彦は反射的に腰を揺らしていた。内奥をこじ開けるようにして指を挿入され、堪えきれず呻き声を洩らしていたが、賢吾は冷静に和彦の内を探る。 きつい収縮を繰り返す内奥から指を出し入れし、確実に入り口を解してい

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     反論は唇に吸い取られ、そのまま舌を絡め合う。賢吾の指が器用に動き、ネクタイを解かれ、ワイシャツのボタンを外されていく。賢吾の指がわずかに肌を掠めるだけで、鳥肌が立ちそうなほど感じてしまい、浅ましく愛撫をねだってしまいそうになる自分が忌々しい。「……そんな、気分じゃ、ない……」 ほんの一時間ほど前に会った南郷の顔がちらつき、情欲のうねりとは裏腹に、拒否感がチクリと胸の奥を刺激する。嫌でも、あの男に触れられたときのことを思い出していた。 そして、賢吾に申し訳ないと感じてしまうのだ。「生憎だが、俺は、そんな気分だ。――他の男の毒気にあてられたオンナを、さっさと正気に戻してやらねーとな」 大蛇が潜む目でじっと見据えられ、危うく息が止まりそうになる。一見、普段と変わらない――むしろ機嫌がよさそうにすら見えた賢吾だが、胸の内では激しいものが吹き荒れているのだと、この瞬間、思い知らされた。 怯えた和彦が何も言えなくなった間に、賢吾にワイシャツのボタンをすべて外され、ベルトも緩められる。「うっ……」 賢吾の熱い体が覆い被さってきて、首筋に唇が押し当てられる。所有の証を刻み付けるように、強く肌を吸い上げられた。さらに舌で舐め上げられ、このとき和彦は、首筋に牙を突き立てる大蛇の姿を想像し、恐怖で竦み上がる。 和彦の体の強張りを感じ取ったのだろう。皮肉げな口調で指摘される。「俺が怖いか?」「……ぼくはいつでも、あんたが怖い」「あんたじゃない。賢吾さんだろ。今は」 再び首筋に唇を這わされながらワイシャツを脱がされ、腹部から胸元へとてのひらが這わされる。愛しげに丹念に肌を撫で回されているうちに、寸前の会話を忘れ、簡単に身を任せてしまいそうになっていた。 期待と興奮で硬く凝った胸の突起を、焦らすように指の腹でくすぐられてから、摘まみ上げられる。小さく声を洩らした和彦は、無意識のうちに賢吾の頭に手をかけていた。 和彦の求めがわかったらしく、賢吾の唇が首筋から移動し、胸元に押し当てられる。「

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    「そうだったな。俺は先生から堅気の生活を奪った。挙げ句が、長嶺の男三人の〈オンナ〉という立場……いや、役目を押し付けている。とっくに腹を刺されていても、不思議じゃない。なのに、こうして俺がピンピンしているのは――どうしてだ?」 賢吾に顔を覗き込まれ、和彦はスッと視線を逸らす。長嶺の男は、いつも和彦から欲しい答えをもぎ取ろうとするのだ。 低く喉を鳴らして笑った賢吾の指に、あごの下をくすぐられる。「先生は俺にとって、大事で可愛い、特別なオンナだ。逃がさないために、何重にも鎖を巻きつけて、この世界に留めておきたくなる。先生にどれだけつらい思いをさせようがな」「まだ……、そこまで、つらい思いはしていない。それどころか、ひどく甘やかされているようだ」「甘い地獄だ。品がよくて優しい一方で、したたかで多淫な先生は、繊細だ。壊さないように大事にしながら、抜け出せないよう深い場所にまで引きずり込む」「……ぼくがそこまで堕ちたら、本性を見せるんだろ」「もう見せているとは、考えないのか?」 返事に詰まった和彦の反応をおもしろがるように、賢吾は目元を和らげ、そして、額に唇を押し当ててきた。 暴発寸前だった怒りが消えてなくなっていくようで、そんな自分の現金さに和彦はうろたえ、視線をさまよわせる。「――ぼくの機嫌を取っているつもりなのか?」 こめかみに唇を這わせる賢吾の息遣いが笑った。「取ってほしいか?」 カッとした和彦は賢吾の肩を押し上げようとしたが、簡単にあしらわれ、強引に唇を塞がれる。喉の奥から呻き声を洩らした和彦は、なんとか賢吾の顔を押しのけようとするが、反対にがっちりと頭を押さえ込まれていた。 食らいつくような勢いで唇を吸われたかと思うと、熱い舌を口腔深くまでねじ込まれ、犯される。あまりの口づけの激しさに息苦しくなり、必死に身を捩ろうとするが、覆い被さっている体はびくともしない。 このまま窒息させられるのではないかと、本気で怯え、動揺した和彦の抵抗をすべて受け止めながら、賢吾は口づけを続ける。 ようやく一度

  • 血と束縛と   第28話(2)

     ジャケットのボタンを外しながら移動する和彦に、揶揄するように賢吾が話しかけてくる。和彦は素っ気なく応じた。「そんなひどいことは思わないが、否定はしない」「ふむ。機嫌が悪そうだ」「……あんなものを見せられて、機嫌がいいわけないだろう」「総和会と縁がありながら、南郷の土下座を『あんなもの』呼ばわりできるのは、多分先生ぐらいのものだろうな」 いつもであれば、苦々しく感じながらも受け流せるのであろうが、事実今の和彦は機嫌が悪かった。ついカッとして、脱いだジャケットを賢吾に投げつける。「手打ち式ってなんだ? まるでぼくが、ヤクザになったみたいだ。長嶺の男に大事にされている立場を利用して、大層な詫びを求めたと思われたはずだ」「傲慢なオンナだと思われるのは嫌か?」 澄ました顔で賢吾に問われ、返事に詰まった和彦は、きつい眼差しを向ける。ささやかに持っているプライドや恥というものを嘲笑われた気がしたのだ。「もう、いい……。今日は誰とも話したくない」 賢吾の足元に落ちたジャケットを拾い上げ、傍らを通り過ぎようとする。次の瞬間、腰に賢吾の片腕が回される。何事かと思ったときには和彦の体は浮き上がり、爪先が廊下から離れていた。「おいっ……」 反射的に身を捩ろうとしたが、まるで荷物のように賢吾の肩に担ぎ上げられる。バランスを崩しかけて、咄嗟に賢吾の着ているワイシャツを握り締める。わけがわからないまま、もう一度身を捩ろうとして、賢吾に尻を叩かれた。「おとなしくしてろ。落とすぞ」「だったら下ろしてくれっ。一体なんのつもりだ」 賢吾の背を逆さまに見ているうちに頭に血がのぼり、さらに声を荒らげると、眩暈までしてくる。たまらず和彦は、広い背を拳で殴りつけたが、まったく堪えていないらしく、賢吾の足取りが乱れることはない。 寝室に入ってから、和彦の体はベッドに転がされる。すぐに起き上がって抗議をしようとしたが、素っ気なく賢吾に肩を押され、また仰向けで転がった。「怒りを露わにしている先生は、艶やかだな。この世界の男たち

  • 血と束縛と   第17話(27)

     思案するように声を洩らした守光が、和彦の傍らに歩み寄ってきたかと思うと、なんの前触れもなくあごを掬い上げた。「……確かに、少し顔色が悪い。やはり、賢吾や千尋と一緒に過ごすほうがよかったようだ」「いえっ、そんなことはありません。お忙しい立場なのに、気にかけていただいて感謝しています」「次に会うときは、もっと打ち解けてくれ」 守光の指がさりげなくあごの下をくすぐる。極度の緊張を強いられた和彦が動けないでいる間に、守光は座敷を出て、廊下にいる南郷に話しかけた。二人の会話が和彦の耳に届く。「――南郷、先生を

    last update최신 업데이트 : 2026-04-03
  • 血と束縛と   第17話(44)

     首を傾げて返事を待つ賢吾の顔をまじまじと見つめてから、とうとう和彦は笑ってしまう。実家を見せられ、なんの嫌がらせかと思ったが、そうではないとわかった。 賢吾は、和彦の心の内を見たかったのだ。今の生活をどう感じているか、和彦が本当に佐伯家を忌避しているかどうか。もちろん、それだけではないだろう。受け取り方によっては、これは恫喝にもなりうる。ヤクザの組長に、実家の場所と状況を把握されているというのは、ある意味で恐怖だ。 賢吾が声をかけ、車が走り出す。実家前を通り過ぎるとき、スモークフィルムの貼られたウィンドー越しに眺めてはみたが、和彦の中で懐かしいという感情が込み上

    last update최신 업데이트 : 2026-04-03
  • 血と束縛と   第17話(16)

     普通なら、侵入者だと警戒するところだが、生憎、和彦の生活は普通とは言いがたい。部屋の主である和彦の意思に関係なく、自由に出入りできる人間が何人もいる。そしてその人間たちは、和彦に害を及ぼすことは絶対しない。「この落ち着きのなさは――」 和彦は、一人の男の名を呟く。寝室を出て迎えてやろうかとも思ったが、ようやく温まったベッドの中に、夜の訪問者を招き入れるほうが効率的かもしれないと、多少情緒に欠けたことを考えて、じっとしておくことにする。 つまり和彦は、ベッドを出て寒さに震えるのが嫌だったのだ。 それから十分ほどして、ようやく寝室のドアが控え

    last update최신 업데이트 : 2026-04-03
  • 血と束縛と   第17話(29)

     突然のことに声も出せない和彦は、大きく目を見開く。南郷は、手荒な行動とは裏腹に、静かな表情で和彦を見つめていた。 こんなときに限って、マンション前には人はおろか、車すら通りかからない。 南郷の大きく分厚い手が眼前に迫ってくる。絞め殺されるかもしれないと、本気で危機を感じた和彦だが、仮にも総和会に身を置く男がそんなことをするはずもない。 南郷の手は、和彦の首ではなく、両頬にかかった。「これが、長嶺組長のオンナ……」 和彦の顔を覗き込みながら、ぽつりと南郷が呟く。淡々とした声の響きにゾッとして、和彦は手

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