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第6話(15)

작가: 北川とも
last update 게시일: 2025-11-19 17:00:06

「デート……」

 つい声に出して呟いた和彦は、秦の存在を思い出してうろたえる。

「お前、何言って――」

『ここんところ、先生忙しくて、俺の相手してくれないじゃん。家でそれをぼやいたら、オヤジに、自己主張しておかないと先生に存在を忘れられるぞ、って、ニヤニヤ笑いながら言われたんだよ』

 余計なことを、と心の中で舌打ちする。おそらく賢吾のことなので、決して息子を励ますために言ったのではないだろう。そもそもまともな親なら、自分のオンナを息子と共有すること自体、ありえないのだ。

 和彦と三田村が関係を持っていることを、千尋は知っている。和彦自身が告げたわけではないが、長嶺組での千尋の存在を思えば、知らないということはありえない。なのに千尋は、そのことで癇癪を爆発させることもなく、相変わらず犬っころのように和彦にじゃれついてくる。だからこそ、和彦としては身構えてしまうのだ。

 賢吾が常に湛えている迫力は確かに怖いが、千尋の、いつ、なんの拍子に豹変するかわからない危うさも、十分怖い。

「お前のこ
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  • 血と束縛と   第26話(25)

     今回の別荘の滞在で、中嶋は世話係として本当にうってつけの人材だと、改めて感心する。一応、一人暮らし歴は長かったため、料理以外のことはソツなくこなせる和彦だが、三田村も中嶋も、器用さとマメさのレベルが違う。「君と三田村が側にいると、ぼくは一人暮らしでなんの経験を積んできたのか、という気になる……」 和彦の言葉に、中嶋は楽しげに声を上げて笑いながら、針に餌をつける。釣り竿を差し出されたので仕方なく受け取ると、無様な姿勢で湖に向けて仕掛けを投げた。「――先生は、それでいいんですよ。てきぱきと患者を治療して、クリニックの切り盛りまでして、そのうえ家事まで完璧にこなされると、世話を焼く人間がつまらない。少しぐらい隙があるほうが、かえって周囲から愛されるものです」 だったら自分は隙だらけだなと言いかけた和彦だが、それがとんでもなく自惚れた発言になることに気づく。寸前のところで別の言葉に言い換えた。「周囲にいるのがデキる男ばかりで、たっぷり甘やかされてるよ」 和彦の背後で中嶋が、クスッと笑い声を洩らした。もしかすると三田村も、唇を緩めるぐらいはしたかもしれないが、浮きの動きに集中する和彦には、そこまで確かめる余裕はなかった。** 開けた窓から入ってくる風があまりに心地よくて、スリッパを脱いだ和彦はベッドに転がる。そこで視界に飛び込んできたのは、ゆっくりと雲が流れていく青空と、緑豊かな山々だ。 ぼんやりと眺めていると、日ごろの多忙さや、自分の厄介な立場すらも遠いことのように思えてくる。今こうしてのんびりできるのは、その多忙さや、厄介な立場があってこそのものなのだが。 マンションの部屋の工事は進んでいるだろうかと、ふと気になった和彦は、寝返りを打った勢いで起き上がり、ナイトテーブルに置いた携帯電話に手を伸ばそうとする。このとき、部屋の前に立っている中嶋に気づいた。一方の中嶋も、驚いたように目を丸くしている。「……すみません。ドアが開いていたので」「風通しがよくなるから、開けておいたんだ。さすがに知らない人間がウロウロしているなら気をつかうが、そうじゃないし

  • 血と束縛と   第26話(24)

    **** 男三人が、静かな別荘地で何をして過ごすか――。 密かに和彦は、この問題をどうするべきなのかと心配していたのだが、意外なほどあっさりと解決した。主に、中嶋の働きによって。 垂らしていた糸がピンと張り詰め、両手でしっかりと持った釣り竿がしなる。和彦は半ば反射的に、隣で同じく釣り糸を垂らしている中嶋を見る。「先生、魚がかかるたびに、そう動揺しないでください。適当にリールを巻いて、魚の引きが弱ったら、釣り上げるだけです」「適当ってなんだっ……。その適当の加減がわからないんだ」 和彦が反論する間にも、掛かった魚が激しく暴れる。慣れない手つきで慌ててリールを巻き、竿を立てようと奮闘していると、背後で苦しげな息遣いが聞こえてきた。振り返ると、顔を伏せた三田村が肩を震わせている。「三田村、笑っているんなら、交代してくれ」「ダメですよ、先生。掛かった魚は、責任を持って本人が釣り上げないと」 和彦はじろりと、横目で中嶋を見る。言っていることはもっともだが、明らかに中嶋も笑っている。「……ぼくがオロオロしているのを見て、二人とも楽しんでいるだろ」「普段マイペースの先生が、おっかなびっくりで釣りをしている姿が、なんだか可愛くて。つい、からかってしまうんです。三田村さんも同じ気持ちですよね?」 中嶋に問われ、三田村は曖昧な返事をする。さらに言い合うのも大人げないので、まずは掛かった魚を釣り上げることに専念する。初心者ながら、さきほどから意外に釣果は悪くないのだ。 やや物騒な理由から、総和会が所有する別荘で連休を過ごすことになったが、別に和彦個人が狙われているわけではなく、身を隠しておく必要はない。賢吾からも、護衛をつけておく限り、自由にしていいと言われている。 では、自由に何をするか、という話題になったとき、朝食の後片付けを終えた中嶋が、別荘近くの湖で釣りをしないかと提案してきたのだ。道具一式は揃っており、冷蔵庫には餌になりそうなものものが入っていると言われれば、断る理由はなかった。「先生は、

  • 血と束縛と   第26話(23)

    「ぼくのオトコの感触だ……」 意識しないまま和彦が呟くと、三田村は口づけで応えてくれる。緩やかに舌を絡め合い、もっと互いを味わいたいとばかりに唾液を交わし、啜り合う。そんな口づけを交わす間にも、和彦の内奥は猛った欲望の感触に馴染み、強い刺激を欲し始める。 腰をわずかに揺らすと、それだけですべてを察した三田村が律動を刻み始める。内奥の襞と粘膜を擦り上げられ、鳥肌が立つほど和彦は感じてしまう。「うっ、ううっ、うあっ――」「……俺は、こういう先生も見たかった。首筋まで真っ赤に染めて、感じている先生を……」 三田村の唇が首筋に這わされ、ささやかな愛撫の感触にすら狂わされる。三田村に触れられる悦びで、体が蕩けてしまいそうだ。 うわ言のように三田村を呼び続けながら、必死に背にすがりつく。そんな和彦を惜しみなく三田村は愛してくれる。淫らな蠕動を繰り返す内奥の深い場所にまで欲望を突き込まれ、呻き声を洩らして和彦は感じる。「あっ、あっ、三田村っ……。奥、すご、い……」「ああ。よく締まってる。先生が、俺を欲しがっている」 狙い澄ましたように最奥を突き上げられ、そのたびに痺れるような法悦が溢れ出し、全身に行き渡っていく。内奥と欲望を擦りつけ合うだけの行為だというのに、気がつけば和彦は、二度目の絶頂を迎え、今度は自分だけではなく、三田村の下腹部も濡らしていた。 このとき恥知らずな嬌声を上げていたかもしれないが、惑乱した和彦には気にかける余裕もなく、ただすがるように三田村を見つめるのが精一杯だった。誘われたように三田村が目元に唇を押し当て、滲んでいた涙を吸い取ってくれる。 熱い吐息がこめかみに触れ、反射的に和彦は目を閉じる。内奥深くで三田村の欲望が爆ぜ、たっぷりの精を注ぎ込まれる。満たされる悦びに、浸っていた。 三田村の筋肉の強張りが一気に解ける。全身の血がめまぐるしく駆け回っているのか、熱い体から汗が噴き出し、流れ落ちていく。まるで、何かから解放されたようだなと思いながら、和彦は優しく三田村の体を撫でてい

  • 血と束縛と   第26話(22)

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  • 血と束縛と   第26話(21)

    「そんなこと言って、どうなっても知らないからな」 三田村の胸元に顔を伏せ、舌先で肌を舐め上げる。すると三田村が大きく息を吸い込んだ。「先生――……」 わずかに動揺を滲ませた声を発した三田村だが、あえて無視した和彦は、微かに濡れた音を立てながら肌を吸い上げ、舌を這わせる。 三田村が深くゆっくりとした呼吸を繰り返すたびに、胸が大きく上下する。落ち着いているようだが、触れている三田村の肌が熱を帯びていくのを、和彦は感じていた。それだけではなく――。 腹筋のラインを舌先でくすぐりながら、スウェットパンツの上から三田村の両足の間に触れる。何よりも明らかな反応がそこにはあった。上目遣いで三田村の表情をうかがう。優しいだけではない、狂おしい欲情を湛えた眼差しが、じっと和彦を見つめていた。 次の瞬間、三田村に腕を掴まれて引っ張られる。体を引き上げられてベッドに押さえつけられ、間近で三田村と目が合ったかと思うと、強引に唇を塞がれた。 これが今日、三田村と初めて交わす口づけだった。一瞬にして和彦の全身が、燃え上がりそうに熱くなり、身悶えしたくなるような強い欲情が胸の奥で生まれる。 唇と舌を貪り合いながら、三田村の指がパジャマの上着のボタンにかかる。ボタンを一つ外されるごとに期待が高まり、和彦は小さく声を洩らす。そんな和彦を宥めたいのか、煽りたいのか、三田村の舌が口腔に入り込み、感じやすい粘膜をじっくりと舐め回される。 ようやくパジャマの上着を脱がされると、和彦は両腕を三田村の背に回し、虎の刺青を夢中でてのひらで撫でる。三田村の筋肉がぐっと引き締まり、一際体が熱くなった。普段は誠実で優しい男だが、背の虎に触れると簡単に猛々しい獣に変わり、その変わり様に、和彦は惚れ惚れとしてしまう。 自分が、この男を変えられる特別な存在なのだと、強く認識できるからだ。 背の虎に夢中になっている間に、三田村に下肢を剥かれる。さらに、すでに高ぶっている三田村の欲望を両足の間に擦りつけられ、互いのものがもどかしく擦れ合い、焦れるような感覚を生み出す。「――先生、俺に舐めさせてくれ」 三田村が耳元で、掠れた声で囁く。耳朶に触れ

  • 血と束縛と   第26話(20)

     不器用で優しい男を、そんな気持ちで苦しめていいのか――。 ふっと魔が差したように、そんなことが頭を過る。すると、中嶋に言われた。「先生がそんなことを考えていると知ったら、多分三田村さんは、喜ぶと思いますよ。もっとも、あの無表情は変えないと思いますけど」「……根拠は?」「元ホストの勘」 真剣に聞くのではなかったと、和彦は背もたれにぐったりと体を体を預ける。「元ホストの勘で、もう一つ言いたいことがあるんですが」「この際だ。なんでも言ってくれ」「――三田村さんは、手に入れるためじゃなく、失わないために鬼になるタイプですよ。命がけで先生に手を出したんなら、死んでも先生から離れないでしょう。そんな人が、先生に振り回されたぐらいで参るとは、到底思えません」 のろのろと姿勢を戻した和彦は、どういう表情を浮かべればいいかわからず、結局、聞こえなかったふりをしてコーヒーを啜る。 空気の読める中嶋はそれ以上は何も言わず、澄ました顔でチョコレートを摘まみ上げた。** さすがに夜は少し冷えると、開けた窓から外を眺めていた和彦は軽く身震いする。パジャマ姿で夜風に当たるのは、少々無謀だったようだ。 ただ、窓を閉めていては感じない夜風の冷たさや、街中とは明らかに違う空気の匂いは、堪能する価値がある。何より、静かだ。風が木々を揺らす音がせいぜいで、車のエンジン音すら響くことはない。本当に、周辺に人気がないのだ。 こんな環境に身を置くと、ふらりと夜の散歩に出かけたくなる和彦だが、それは明日の楽しみにしておこうと、静かに窓を閉めた。 ベッドの傍らを通り過ぎ、部屋を出る。廊下はぼんやりとした明かりで照らされているが、人影はない。立派すぎる別荘も、宿泊者が少ないときはただ寂しいだけだなと思いながら、和彦は隣の部屋の前へと行く。 露骨な気遣いを示した中嶋は一階の部屋を利用しているため、二階で休んでいるのは、和彦ともう一人しかいない。 ノックもせずに静かにドアを開けると、室内の様子がわかる程度には明るかった。光源は、音量を抑えたテレビだ。和彦は足音を

  • 血と束縛と   第4話(21)

     後部座席に乗り込んできた賢吾は、いきなり言葉もなく和彦の頭を引き寄せ、唇を塞いできた。痛いほど強く唇を吸われ、口腔に舌が捩じ込まれる。賢吾のこんな口づけに慣らされてしまった和彦は、抵抗もせずおとなしく受け入れた。  引き出された舌を吸われながら、賢吾の頬を両手で挟み込むと、それが合図のように両腕でしっかりと抱き締められる。濃厚な口づけを交わす間に、静かに車は走り出していた。  絡めていた舌を解き、和彦は大きく息を吐き出す。間近から賢吾を睨みつけた。 「なんなんだ、いきなり……」 「――この間から考えていた。お前の面子を守ってやるためには、どうする

    last update최신 업데이트 : 2026-03-19
  • 血と束縛と   第4話(8)

    ** すっかり不精が身につき、最近の和彦はバスローブをパジャマ代わりにして寝ている。寝返りを打っているうちにはだけて、脱げてしまうことが大半だが、広いベッドで手足を思いきり伸ばせる心地よさに裸という解放感も加わり、到底パジャマを着る気にはなれない。  もっとも、このベッドを選んだ相手は、和彦が一人寝で満足することにいい顔はしないだろう。  熟睡というほどではなく、だが目を開けられるほど意識が覚醒しているわけではない、非常に曖昧で、だが、いつまでもこの状態でいたくなるようなまどろみに、和彦はどっぷりと浸っていた。  そこに、さら

    last update최신 업데이트 : 2026-03-19
  • 血と束縛と   第4話(27)

    「――先生」  呼ばれて、おずおずと振り返ると、そこに真剣な賢吾の顔がある。何か言われたわけでもないのに、和彦は小さく喘いでから賢吾の唇にそっと自分の唇を重ねた。すると、賢吾のもう片方の手に、和彦の柔らかな膨らみは包み込まれる。 「ひっ、あぁっ」  泡で滑る手に柔らかく揉みしだかれ、たまらず和彦は、ビクッ、ビクッと腰を震わせ、背をしならせる。下肢が、甘く溶けてしまいそうだった。 「あとでたっぷり、ここを揉んで悦ばせてやる。最近、弄られるのがよくなってきたみたいだからな。今は、洗うだけだ」  賢吾の的確に動く指は貪欲に、和彦の官能を刺激する

    last update최신 업데이트 : 2026-03-19
  • 血と束縛と   第4話(2)

     また指で呼ばれ、和彦は賢吾のあとについていく。工事後は待合室となるホールでは、施工業者の人間が集まって持ち込む機材について話し合っている。その様子を一瞥した賢吾は、奥の部屋へと向かう。 「……護衛の人間は?」  ホールを見て、賢吾が一人でこのフロアにやってきたのは確認した。 「物騒なツラした人間を、一般の業者がいる場所に連れてくるわけにはいかないだろ。設計士は前からの馴染みだが、業者のほうはそうじゃないんだ。クリニックを始める前に、妙な噂は立てたくない」 「自分は物騒なツラじゃない、と言いたいんだな」  皮肉でもなんでもなく、思ったまま

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