Beranda / BL / 血と束縛と / 第7話(25)

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第7話(25)

Penulis: 北川とも
last update Tanggal publikasi: 2025-11-30 14:00:20

 射殺されそうな眼差しを鷹津から向けられた。普段の和彦であれば怯むどころか、足が震えるだろうが、今は違う。嫌悪感しか与えてこない鷹津に一撃を与えられたと、ただ確信していた。

 今度は和彦が、ニヤリと笑う番だった。ここまでの慇懃な口調をかなぐり捨て、挑発的に言い放つ。

「その様子だと、あんたにも有効みたいだな、この手は。――なら、さっそく見せてもらおうか。一般市民がお茶を飲んでいるところに押しかけてきて、部屋を見せろと言い張る根拠ってやつを」

「一般市民? ヤクザのオンナが、人並みのこと言うな」

「そのことを責めるなら、やっぱり根拠が必要だ。ヤクザと寝ることは犯罪だという、根拠が。一般市民の住居に踏み込むのに、刑事の道徳心を振りかざすだけでどうにかなると思ってるのか、あんた」

 和彦と鷹津は睨み合う。先日、秦と一緒にいるところを急襲されたときは、この得体の知れない男相手にどう対処すればいいのかわからなかった。何より、一般人である秦に迷惑をかけられないという思いがあった。

 しかし今の和彦は、人一人の命をこの手に預かっている
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  • 血と束縛と   第27話(15)

    **** 和彦が携帯電話への着信に気づいたのは、ジムでシャワーを浴び終えてからだった。 じっくりと丹念に全身の筋肉を動かし、健全な疲労感に満たされて、汗を洗い流してさっぱりとしたところだっただけに、一瞬、魔が差したように、億劫だなと思ってしまう。 着信は、護衛の組員からのものだ。普段であれば、和彦がジムを出るまで待っているのだが、こうして連絡してきたということは、そうするだけの事情があるということだ。その事情は、非常に限られていた。 賢吾からの一方的な呼び出しか、あるいは――。 和彦は服を着込んで手早く髪を乾かしてから、急いでジムを出る。駐車場に向かうと、組員が車の傍らに立って待ち構えていた。「何かあったのか?」 和彦の問いかけに、組員は困惑気味の表情を浮かべる。ひとまず車に乗り込むと、他人の耳を気にする必要がなくなった組員は、すかさずこう切り出した。「総和会から連絡が回ってきました――」 シートに身を預けようとしていた和彦は、半ば反射的に背筋を伸ばす。全身に行き渡っていた心地よい疲労感は、瞬時に緊張感へと変化していた。「仕事か?」「この患者を、先生に診てもらいたいと」 信号待ちで車を停めた間に、組員が車内灯をつけてからメモを差し出してくる。患者の名ではなく、和彦が施した処置について端的に記されているのだが、それで十分だ。ああ、と声を洩らして眉をひそめていた。 組員が言っている『この患者』とは、一か月以上前に半死半生となるほどの全身打撲を負った男だ。腹部の内出血がひどくて開腹手術を行った後、腸閉塞を起こしたりもしたが、それから容態も落ち着いたこともあり、別の医者のもとで養生生活を送っている――と総和会から説明を受けていた。 患者自身は、和彦の言いつけを守るし、治療にも協力的だったこともあったため、悪い印象は持っていない。ただ、この患者を診ているときに、和彦自身が思いがけない出来事に襲われ、どうしてもその記憶が蘇り、苦々しい感情に苛まれる。体に刻みつけられた生々しい感触とともに。「……具体的に、どう調子がよ

  • 血と束縛と   第27話(14)

    「だがまあ、今はお前の事情を優先してやる。忌々しいが、ヤクザに囲まれているお前のオンナっぷりを、俺は気に入っているからな」「――……悪徳刑事らしい、台詞だな」「せいぜい大事にしろよ。俺はお前にとって、数少ない手駒だろ」 喉元にかかった手が退けられ、鷹津の熱い舌にベロリと舐め上げられる。不快さに眉をひそめた和彦だが、覆い被さってきた鷹津の体を受け止め、耳元に荒い息遣いを注ぎ込まれながら、内奥に逞しい欲望を打ち込まれているうちに、甘い陶酔感に襲われていた。「はっ……、あっ、んうっ、うっ、くうぅっ――」 鷹津の欲望がますます膨らみ、内から和彦の官能を刺激してくる。「奥、ひくつきまくってるぞ。……いいか?」 露骨な台詞を囁かれ、瞬間的に感じた羞恥から顔を背けるが、追いかけてきた鷹津の舌が口腔に差し込まれる。所有の証のように唾液を流し込まれ、和彦は喉を鳴らして受け入れながら、自分でもわかるほど内奥を淫らに蠕動させる。体と心の区別を必要としないほど、鷹津を求めていた。 和彦の激しい反応に気づいたのか、体を起こした鷹津に両足を抱え上げられる。打ち付けるように力強く内奥を突き上げられ、その勢いで和彦の頭が肘掛にぶつかる。すかさず鷹津に体を引き戻されたが、すぐにまた突き上げられた。 和彦は鷹津の肩にすがりつきながら、片手で頭を庇ってもらう。「……手っ……、抜糸したばかりで……」「うるせえっ。〈こっち〉に集中しろ」 獣が唸るように声を上げた鷹津に驚き、和彦は目を丸くする。舌打ちした鷹津が、和彦に何も言わせまいとするかのように、唇を塞いできた。 濃厚な口づけを交わしながら、内奥と欲望を擦り合う行為に耽る。鷹津の望み通りに。 和彦が放った精で二人の下腹部が濡れるが、気にかける様子もなく――むしろさらに高ぶった様子で、鷹津の動きが激しくなる。察するものがあり、和彦は鷹津の肩を押し上げようとする。「中は、嫌だ。ここでは――…&hel

  • 血と束縛と   第27話(13)

     口腔からゆっくりと指を出し入れしながら、鷹津は和彦の欲望を同じリズムで扱く。「興奮してるのか? もう、こんなに涎を垂らし始めたぞ。……胸糞が悪くなるほど、性質の悪いオンナだ。気を抜くと、骨までしゃぶり尽くしたくなる」 ふいに口腔から指が引き抜かれる。その指をどうするか、目で追うまでもなかった。 やや性急に内奥の入り口をまさぐられて、和彦は小さく呻き声を洩らす。つい非難がましく鷹津を見上げると、薄い笑みで返された。「いきなり突っ込まれるほうがよかったか?」「下品な、男だ……」「お上品なお前にそう言われると、ゾクゾクする」 和彦の唾液で濡れた指が内奥に侵入し、妖しく蠢く。異物感と鈍い痛みに最初は息を詰めていたが、鷹津の熱い体に押さえつけられながら、唇を吸われているうちに、被虐的な悦びが生まれてくる。「――それでお前は、自分の実家に対してどうしたいんだ?」 内奥への愛撫の合間に鷹津に問われる。和彦は正直に答えた。「わからない。それでなくても考えたいことがあるのに、そこに実家のことまで……。先送りできることならそうしたいし、関わりたくもない。だけどそれだと、里見さんが困る」「あちこちの男にいい顔をしていると、身動きが取れなくなるぞ。いや……、もうすでに、そうなってるか」 内奥から指が引き抜かれ、片足をしっかりと抱え上げられる。わずかに綻んだ内奥の入り口に、再び鷹津の欲望が押し当てられた。 きつい収縮を味わうようにゆっくりと、内奥をこじ開けられる。和彦は反射的に鷹津の腕に手をかけていた。「うっ、あっ、あぁっ」「どいつもこいつも、お前に甘い顔しか見せないから忘れてるかもしれないが、お前を囲い込んでいるのは、所詮ヤクザだ。いざとなると、お前が警戒している通り、お前を佐伯家に売りつけるかもしれないぞ」 和彦は下肢に押し寄せてくる強烈な感覚と、不安を刺激する鷹津の言葉によって、少しの間言葉が出なかった。そんな和彦を攻め立てるように鷹津が軽く腰を揺らした。「&hell

  • 血と束縛と   第27話(12)

     淫らに下品に蠢く舌に粘膜を舐め回され、歯列を擦られながら、唾液を流し込まれる。逃げ惑う和彦の舌は搦め取られてしまい、引き出されて、痛いほど吸われてから、歯を立てられる。その頃には和彦の体は熱くなっていた。 鷹津は、和彦の変化に敏感だった。突然、甘やかすように上唇と下唇を交互に吸い、それを何回も繰り返されながら片腕できつく抱き寄せられ、和彦もぎこちなく鷹津の唇を吸い返す。まるで互いを欲しているように唇を交互に吸い、その合間に舌先を触れ合わせ、擦りつける。欲望の高まりとともに、緩やかに絡めていた。 鷹津の舌を、口腔に迎え入れる。和彦は柔らかく舌を吸い、そっと歯を立ててやる。興奮したのか、獣のように鷹津がブルッと身震いした。 鷹津の両手が体を這い回り、ベルトを緩められる。スラックスからワイシャツの裾を引っ張り出されていた。ここでようやく、唇が離される。鷹津の荒い息遣いが唇に触れ、ゾクリとするような強烈な疼きが和彦の背筋を駆け抜けていた。「佐伯家を探るのに、ヤクザどもは使いたくないんだろ。いいぜ、俺が動いてやる。ツテを最大限に利用して、お前のために情報を取ってきてやる」「……その、恩着せがましい言い方……」「俺は、よく働く番犬だろ?」 実家の件で賢吾に頼りたくないのは、ある種の権力を持つ家同士が接触を持ったとき、何かとてつもない不幸を生み出すのではないかと危惧しているからだ。それに、社会的害悪という立場にある長嶺組の名を、表沙汰にしたくない。陰では力を持つ存在も、陽の下に晒されれば、圧倒的に不利だ。 その点、過去の所業はともかく、刑事の肩書きを持っている鷹津は、使いやすい。「――俺を利用してやろうって、企んでるだろ」 和彦の顔を覗き込み、鷹津がニヤリと笑う。「ああ……」「いいぜ。利用されてやる。俺はお前から餌をもらう、番犬だからな」 ここで鷹津に乱暴に後ろ髪を掴まれて引っ張られた。そのままソファの上に押し倒され、乱暴にスラックスと下着を引き下ろされそうになり、和彦は慌てて鷹津の手を止めた。殺気立った目で睨みつけられたが、猛獣の調教

  • 血と束縛と   第27話(11)

     鷹津は油断ならない。長嶺組と手を組んでいる一方で、しっかりと動向は探っているのだ。 一瞬手を止めかけた和彦だが、鷹津に心の内を悟られたくなくて、何事もないふりをする。「どうしてそんなことが気になる。ぼくが、長嶺組の都合に振り回されるのは、珍しいことじゃない」「朝、お前が慌てた様子で電話をかけてきたから、何事かと思うだろ。いままで、少なくとも携帯に連絡してくるなと言ったことはなかったしな」 話す義理はないと突っぱねたかったが、それでは鷹津が引かないだろうと予測できた。和彦は手を動かしながら簡潔に答える。「……連休の間、三田村と一緒だった」 鷹津は軽く鼻を鳴らしたものの、それ以上は何も言わなかった。おかげで、処置室の静けさを意識してしまい、和彦も声を発することができなくなる。 抜糸を終え、傷跡を覆うようにテープを貼ると、鷹津が慎重に手を動かす。物言いたげな視線を向けられたので、立ち上がった和彦は片付けをしながら説明する。「縫い跡を固定するためだ。あんた絶対、抜糸してすぐに無茶をするだろ。特に手なんだから、注意しないと」「お優しいことで。――お前、ヤクザなんかと関わらなきゃ、まともな医者をやってたんだろうな」「余計なお世話だ。やることはやったんだから、さっさと出て行ってくれ。あんたが来るということで、長嶺組の人間にずっと駐車場で待ってもらっているんだ。ぼくも早く帰りたい――」 ここでふとあることが脳裏を過り、反射的に背後を振り返る。ブルゾンを掴んだ鷹津が、軽く首を傾げた。「どうした?」「いや……」 一度は口ごもった和彦だが、前に鷹津が言っていたことが気になり、それが今の自分にとっては大事だということもあって、切り出す。「――前にあんた、ぼくの兄の国政出馬の話を、昔馴染みの新聞記者から聞いたと言ってたな」「それがどうした」「まだ、ぼくの実家の情報を集めているのか?」 怪訝そうな顔をした鷹津だが、和彦の真剣な様子から察するものがあったらしい。次の瞬間、ニヤリと笑った。「何かあったみたいだな

  • 血と束縛と   第27話(10)

    「現にぼくがそうだった。大学に入ってからは、実家に顔を出す必要もなくなったし、向こうからもそれを求められなかった。ごくたまに、大事な行事には出席して、佐伯家の一員として振る舞っていたぐらいだ。それ以外では、連絡すら取り合っていなかった。……兄さんの出馬の件で、事情が変わったんだ。それがなければ、ぼくがどんな相手と寝ていようが、知らん顔をしていたはずだ」 話すべきことを話し終え、ここまで張り詰めていたものがふっと切れる。和彦はしばらく黙り込むが、その間、賢吾もまた口を開かなかった。和彦に対して助言どころか、命令することすら可能なはずだが、そうしないということは、こちらが出す答えを待っているのだろう。 自分はどうすべきなのか、まだ結論が出せない和彦は、心に溜まる澱を取り留めない言葉として吐き出した。「……あんたたちと知り合ってなかったら、ぼくは今ごろ、どうしていただろうな。とっくに佐伯家と縁を切っていたか――いや、そんなことはしないな。抗えない力に逆らわず、子供の頃から変わらない、無害な存在として家族とつき合っていたはずだ。そして、兄さんにいいように使われて……」 自分で言って、和彦は自己嫌悪に陥る。物騒な男たちに囲まれて生活している、今の信じられないような状況にあっても、自分と佐伯家との関係は何一つ変わっていないと痛感したのだ。 和彦の気持ちを掬い上げるようなタイミングで、賢吾が切り出した。「先生は今、〈力〉を持っている。物騒で危険きわまりないが、先生を守るためにある力だ。そのうえで、自分がどうしたいか考えるといい」「ぼくは――……」「先生のためなら、どんな汚い仕事でもしてやる」 そう言った賢吾の表情は穏やかだった。だからこそ、本心を読み取ることはできない。和彦を怖がらせないための配慮なのかもしれないが、それすら知ることはできない。 このとき和彦は、自分はすっかりこの物騒な世界に染まってしまったのだろうかと、つい考えていた。 賢吾の怖い台詞を聞いて、胸の奥がじわりと熱くなったからだ。**

  • 血と束縛と   第9話(14)

     クールに応じながら鷹津を一瞥すると、奇妙な生き物でも見るような眼差しが向けられていた。そこには、好奇心と嫌悪、他人に不愉快さをもたらす熱っぽさが含まれている。 ほう、と声を洩らした鷹津は、皮肉っぽく唇を歪めた。「大した度胸だな。組長のオンナが、その忠犬と浮気しているのか」「脅すネタができたと思ったのだとしたら、残念だな。組長は知っている。というより、組長公認だ。――三田村は、ぼくのオトコだ」 鷹津の表情は純粋な嫌悪に占められたが、和彦はなんとも思わなかった。お互い様だ。「……ヤクザに目をつけられた可

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-24
  • 血と束縛と   第8話(32)

    「わたしも、先生にハマったと言ったら、四人目に加えてもらえますか?」「何、言って……」「秘密を共有するという前提抜きでも、先生とこうするのは、麻薬めいた魅力があるんです。一度味わうと、やめられなくなりそうな――」 秦の逞しい欲望が、蕩けて弱くなっている内奥の入り口に擦りつけられたかと思うと、ゆっくりと侵入を開始する。「あっ……」「先生、力を抜いてください。絶対に、乱暴にはしませんから。そう振る舞いたくても、わたしの今の体では無理なので、安心してください」 一度は

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-24
  • 血と束縛と   第9話(8)

     放埓に悦びの声を上げて感じる和彦に対して、男たちは容赦なく快感という責め苦を与えてきた。強弱をつけた愛撫と律動が間断なく和彦を襲い、精を搾り取られる。 そしてその代わりのように、熱い精を内奥に注ぎ込んでくれるのだ。 いつの間にか、賢吾は話しかけてこなくなっていた。そのため、周囲で男たちに動かれると、どこに賢吾がいるのかわからなくなる。知らない男たちの中に放り込まれているのだとしたら、和彦にとって頼るべき相手は賢吾しかいないのだ。「賢吾、さん……」 不安になって思わず呼びかけると、返事がないまま、布団に横たえた体

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-24
  • 血と束縛と   第9話(16)

     三田村は、ごっそりと感情をどこかに置き忘れたかのような無表情を保っていたが、一方の賢吾は、ニヤニヤと笑っていた。和彦の反応をおもしろがっているのだろうかと、最初は訝しんだのだが、どうやらそうではなく、鷹津の行動に何かしら感じたようだ。意地の悪い男は、それがなんであるか、当然和彦に教えてはくれなかった。 表面上の無表情さとは裏腹に、和彦が知るどの男よりも優しい三田村は、何かと気遣ってくれる。実際和彦は、鷹津のことを正直に話したところで、鬱屈した感情は少しも軽くなってはいない。 蛇蝎の片割れである男に侮辱されたことが、ささやかに残っている和彦のプライドを踏みにじり、

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-24
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