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第8話(2)

Author: 北川とも
last update publish date: 2025-12-03 14:00:49

「中嶋くんっ……」

「お願いしますっ。秦さんを診てください。先生だから、頼るんです。俺がもっと総和会の中で力があれば、別の方法もあったかもしれない。だけど今は――先生しかいないんですっ」

 中嶋は必死だ。このまま和彦が玄関に向かおうとしたら、今度は足にしがみついてきても不思議ではない。見た目は普通の青年でも、本性は切れ者のヤクザだ。相手を従わせる手段など、いくらでも持っているだろう。

 それに、あまりに中嶋が必死で、振り切って帰るのは良心が咎めた。賢吾なら、それは良心ではなく、和彦の甘さだと言って鼻先で笑いそうだが。

 和彦は軽く息を吐き出すと、部屋に引き返す。

「先生……」

「一応、君に世話になったという自覚はあるからな」

 秦が横になっている部屋に入った和彦は、まず中嶋にハサミを持ってこさせ、破れたワイシャツを切って脱がせる。少し迷ってから、中嶋に手伝ってもらい、スラックスも脱がせた。ベルトで腹部を圧迫したくなかったし、何より、全身の検分をする必要があ
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