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第4話

Author: 夜の雲
言葉が途切れ、部屋は静まり返った。

私の心も、この馬鹿げた茶番の中で一緒に死んでしまった。

父が亡くなったあの日、出張だと言っていた湊と、病気だと言っていた寧々。

二人は一緒にいたのだ。

あの時の私の溢れんばかりの涙は、彼らの興奮を高めるための道具に過ぎなかった。

父の葬儀のあとの初七日法要にすら、湊は顔を出さなかった。

その後、私は昼夜を問わず父を想う苦しみの中にいた。

湊は私を抱きしめ、根気よく何度も何度も慰めてくれた。

「大丈夫だよ。お父さんは夜空の星になって、ずっとお前を見守ってくれるから。

俺も、お父さんの代わりにお前を守るよ」

しかし、真実はこれほどまでに醜悪で、私に痛烈な打撃を与えた。

我に返った湊は、慌てて私に手を伸ばした。

「ごめん、梨乃、俺は……興奮しすぎて、口が滑ったんだ」

私は唇を強く噛み締め、口の中に血の味が広がった。

部屋の中のものをすべて投げつけた。つい先日撮ったばかりのウェディングフォトも一緒に。

「出てって!」

写真立てが割れ、砕け散ったガラスがちょうど私たちの中間に境界線を引いた。

寧々が私に向かって歩み寄ってきたが、私が投げつけた物に当たった。

「痛っ!」

彼女は顔を覆い、苦痛に全身を震わせた。

湊の瞳にようやく浮かんでいた罪悪感は完全に消え失せた。

彼は私の手首を掴み、私の手にある物を払い落とした。

アルバムが床に落ち、写真の束が散らばった。

そこには多くの瞬間が記録されていた。

湊が私に告白した日。

私が彼に寧々を紹介し、三人で正式に知り合った日。

そして私の誕生日に、二人が笑顔で私の願い事を聞いていた日。

「梨乃、何をお願いしたの?」

「私たち三人が、ずっと一緒にいられますようにって」

湊の手の力が少し緩み、その視線は床に散らばる写真に釘付けになった。

彼が何かを言おうとした瞬間、寧々がそれを遮った。

「湊、おでこがすごく痛い……血!血が出てる!」

彼は咄嗟に顔を上げ、写真を踏みつけながら寧々のもとへ駆け寄った。

彼女の額には私のジュエリーボックスが当たり、深い傷口から絶えず血が滲み出ていた。

湊は彼女を横抱きにし、振り返ることなく立ち去っていった。

玄関のドアのところで彼は立ち止まったが、振り返りはしなかった。

「どうあろうと、彼女はお前の一番の親友だ。

彼女にこんな仕打ちをするべきじゃない。彼女はすでに十分辛い思いをしているんだ!」

言い終わると、彼は完全に私の視界から消えた。

辛い思い?

私たちは幼い頃から一緒に育ってきた。

彼女の家が貧しいと知っていたから、私は一番良いものをすべて彼女に譲ってきた。

美食も、母が新しく買ってくれた文具も。

そして今、八年間愛し合った恋人まで、彼女に譲らなければならないのか。

私は床に崩れ落ちた。涙はもう枯れ果てたようで、ただ虚ろに前を見つめることしかできなかった。

夜になって、寧々から酒気帯びの声で電話がかかってきた。

「梨乃、私、本当にわざとじゃないの。

許してくれないかな、あなたを失いたくない……

私たち、小さい頃からずっと一緒だったじゃない。男のことで離れ離れになるなんて嫌だよ」

電話の向こうで、彼女は息も絶え絶えに激しく泣いていた。

その後、店の従業員が電話を代わった。

「すみません。もう閉店の時間でして。もしお迎えに来られないようでしたら、この方を路地に残していくしかありません」

私は長い間沈黙した後、結局コートを羽織って外に出た。

彼女の両親が亡くなる前、私は彼女の面倒を見ると約束したのだ。

これを最後にしよう。

私が駆けつけた時、彼女は湊に壁に押し付けられていた。

彼は罰を与えるかのように、荒々しく彼女の唇を塞いでいた。

「橘寧々、お前はあと何度俺を突き放せば気が済むんだ!

俺が一番愛しているのはお前だって知っているのに、どうして何度も俺を拒絶するんだ!」

寧々は目を赤くして彼を突き飛ばし、涙を床にポロポロとこぼした。

「でも、彼女は私の一番の親友なの!彼女の幸せを奪うことなんてできない!」

「じゃあお前はどうなんだ!お前の幸せはどうなるんだ!」

湊は彼女の肩を強く掴み、納得いかない様子で問い詰めた。

その瞬間、寧々の心の奥底に押さえ込んでいたすべての愛情が、完全に爆発した。

寧々は彼の胸に飛び込み、しがみつくように抱きついた。

「私もあなたを愛してる。でも、梨乃はどうすれば……」

しゃくり上げる声が響く中、私は湊の選択を目の当たりにした。

「彼女が納得しないなら、俺がお前を連れて逃げる」

電柱の陰に隠れながら、私はふと笑みを漏らした。

ぼやけた視界の中で、昔の光景が見えた気がした。

寧々が三ヶ月分の給料をはたいて、私を温泉旅行に連れて行ってくれたこと。

湊が横でフルーツを切り、私の口に運んでくれたこと。

二人は私への優しさを競い合い、子供のように張り合っていた。

しかしこの瞬間、それらはすべて泡となって完全に消え去った。

その愛も人も、ただ過去に留まっているだけだ。

だから私はスマートフォンを取り出し、メールボックスに埋もれていた採用通知を見つけ出した。

瀬崎湊、かつて私はあなたのために、ここに残ることを選んだ。

でも今、私はここを離れ、遠くへ行くことを選ぶ。

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