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Auteur: 酔夫人
last update Dernière mise à jour: 2026-01-12 11:01:00

「聞いていると思うが、資料の原本は見せられない」

「はい」

「正確には原本の全てだ。分析に必要な範囲だけ抜粋した資料ならと上も首を縦に振った」

あの頭の固い連中をどう説得したのか。

浩市さんの目は僕に答えを要求していた。

純粋な好奇心。

それなら答える必要はない。

不要に腹を探られるのは嫌だ。

「僕は父に言われたことをやっているだけなので」

便利な言い訳に逃げる。

「くくっ、未成年だとその言葉が使えて便利だな」

浩市さんは信じてはいないが、信じる真似はしてくれるようだ。

「俺になんでも聞いてくれ。言えないことは話さないから安心していい」

安心していい。

大人の庇護が必要な子どもの扱い。

苛つきがないというと嘘のようになるが、今後も使える手段だという理性の声のほうが大きい。

「お願いします」

浩市さんの目に感心したような感情が現れる。

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