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第445話

作者: 炭酸が抜けたコーラ
暁の表情は相変わらず冷え切ったままで、掴んだ腕の力も少しも緩めようとはしなかった。

「中に入るのは構わん。だが、さっき医師が言ったことを忘れるな」

貴臣は鋭く彼を睨みつけた。

「手を離せ」

「忘れられては困るからな」

暁は真っ直ぐに彼を見据えた。

「今日、彼女がここまで追い詰められた原因がどこにあるのか、お前自身が一番よく分かっているはずだ。中に入ったら余計なことは話すな。それから、お前の得意な甘い言葉で彼女を丸め込もうとするのもやめろ」

最後の一言を聞いた瞬間、貴臣の瞳が険しく沈んだ。

「……首を突っ込みすぎだ」

「忠告しているだけだ」暁は指先にわずかに力を込め、声を低く落とした。「お前が今ここへ入れるのは、資格があるからじゃない。彼女の意識が戻ったばかりの今、搬送口の前でお前と不毛な押し問答を続ける気がないだけだ」

貴臣は口元を歪めた。

だが、その表情に笑みは欠片もなかった。

「……まるで、自分には彼女の前に立つ資格があると言いたげだな」

「少なくとも私は、心愛を再び危険に晒すような真似はしない」

「俺が今夜のことを見て見ぬふりしたとでも言いたいのか」

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