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04:訓練官に、私はなる

ผู้เขียน: 灰猫さんきち
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-10 15:20:53

 その後の私はゼノンの魔術訓練官に正式に立候補して、各方面の説得に当たっていた。

 駆け出し下級魔術士の私では、聖騎士の訓練官にふさわしくないという意見が多かったので、不利を少しでも減らすためだ。

 ベテランを推薦しようとした上司には、こう言った。

「年の近い私の方が、お互いに切磋琢磨して訓練できると思うんです。ゼノン様は優秀な聖騎士と聞きました。訓練であっても一方的な指導ではなく、潜在能力を引き出す方向がいいのではないでしょうか」

 ものは言いようである。

 上司は言いくるめられて、ベテランの他に私も推薦してくれた。

 他にも訓練官に立候補を考えている先輩を牽制したり、まあいろいろやった。

 そしてその成果として、私はゼノンの担当訓練官に選出されたのである!

 待ちに待った訓練の日がやって来た。

 ゼノンはアレクと一緒に魔術棟までやって来た。

 長い廊下を歩いてくる美少年二人の姿は、そこだけ後光が差しているかのようだ。そこらをたむろしている魔術士たちも自然、二人を通すために横によけている。

「こんにちは! 今日からよろしくお願いします!」

 金髪のアレクが元気いっぱいに挨拶した。

「精一杯努めます。よろしくお願いします」

 黒髪のゼノンは落ち着いた様子だ。とても十五歳には見えない。

 静かな声音はアニメの彼とまったく同じで、私の耳が幸せになる。

 訓練場でアレク組とゼノン組に分かれた。

 私の顔を見て、ゼノンは小首をかしげた。

「担当官の方は、もっとベテランなのかと思っていましたが。お若いのですね」

「ええ、まあ」

 いろいろ裏工作したとは言えない。私はちょっと引きつった愛想笑いをした。

「私の魔力属性は地と水ですから。ゼノン様の力をよりよく引き出すのに、ちょうどいいと判断したんですよ」

「なるほど、そうでしたか。僕の属性は闇と地と氷」

 彼はちらりとアレクを見た。その瞳に薄暗い色を見つけて、私は慌てて言う。

「光や火に比べて派手さはありませんが、大事な属性ですよ」

「ええ、そうですね」

 ゼノンは微笑んだが、心から納得していないのは何となく分かった。漫画の世界とはいえ、ゼノン推し歴十年の私を舐めては困る。

「闇は冥府の属性、地も地底の冥府につながり、氷は生命を奪う冬を連想しますよね。でもそれだけではないんです。闇は安らぎ、地は生命を支える大地。氷だって自然の営みの一環です。冬が来なければ春が来ないのですから」

 ゼノンは僅かに目を見開いた。

 アレクの魔力属性は、光と火と雷。どれも明るくエネルギーに満ちた属性で、主人公である彼にふさわしい。

 光は地上の正義の体現者である女神の属性。

 火は燃え盛る熱と生命そのものの象徴。

 雷は天空神の属性で、光と並んで至高のものとされている。

 同じ三つの属性持ちでも、ゼノンの闇・地・氷は確かにあまりいいイメージがない。

 一般人はもちろん、魔術士ですら偏見を持つ者がいるくらいだ。

 けれど私に言わせれば、ちゃんちゃらおかしい。

 闇の象徴は夜と死だが、人間であれば誰だってそのうち死ぬし、夜がなければ安眠できない。

 氷はちょいと扱いがやっかいだけど、攻撃魔法から足場作り、食料の冷凍保存までとても便利な属性である。

 地に至っては何も悪い点がない。

 あえて言うなら冥府が地の底にあるとされている点と、単に地味だったりする。地味がそんなに悪いのか。

「ですから、ゼノン様が引け目を感じる必要は何もないんです。ていうか地が地味ってひどくないですか? 私も地属性持ってますけど、けっこう地味って言われるんですよ。地属性は大地の恵みの象徴で、植物を育てるのにとてもいい属性なのに!」

 そんなわけで、私は各属性の良さを力説した。

 最初はゼノンを励まそうと思ったものの、そのうち本心が出てしまった。

 私は魔法の研究が好きだ。前世をあまり思い出さなかった時期からだけど、たぶんファンタジーへの憧れが強かったんだと思う。

 地属性と水属性を組み合わせて薬草や魔法植物の栽培を主な研究課題にしている。

 そういや前世で家庭菜園好きだったな、と思い出した。

 ゼノンはそんな私をどこかぼんやりと見ていた。

「あっ、すみません! 私ったらつい一人でしゃべってしまって。同僚に魔法オタクって言われるんですけど、以後気をつけますので」

 赤面すると、ゼノンはくすくすと笑った。

 そんな笑い声さえ涼やかで、私は内心の動揺を押し殺すのに必死になった。私の推しは声も良い。

「いいえ、大丈夫です。本職の魔術士の方から属性の解釈を聞けて、納得できました。そうですね……実はほんの少しだけ、アレクが羨ましかったんです」

 彼は微かに寂しそうに笑う。

「女神の聖騎士にふさわしい属性は、彼の持つものなのだろうと。でも僕の属性も悪いものではないんですね」

「悪いどころか! 三つの属性持ちはとても優秀な証ですよ。私が思うに、属性間で優劣はありません。自分の持ち味としてどう扱うかです」

 ゼノンはうなずいた。

「自分の持ち味。女神のために力を尽くせるよう、訓練を頑張ります」

 ほんの少しだけ彼の心を垣間見れたのもつかの間、ゼノンはまた微笑みの向こうに本心を隠してしまった。

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