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第277話

Author: タロイモ団子
望美は、魂が抜け落ちたかのように呆然としながら、逃げるようにスイートルームを後にした。

成哉はわずかに頷き、険しい表情のまま告げる。

「……失礼します」

二人が去ると、俊一はすぐに女を引き寄せた。

「さあ、続けようか」

女は甘えるように身をよじる。

「もう嫌だわ。すっかり興が削がれちゃった。あの間抜け面した人たちは誰なの?」

「ただの仕事相手だ、気にするな」俊一は煙草に火をつけ、不機嫌そうに吐き捨てた。

――こんなやり方で自分の楽しみを邪魔するとは、いい度胸だ。だが、奴らは俺の急所を突いた。

俊一は、何一つ恐れるものはないが、不倫の露見だけは御免被りたい。

天野家の連中め、この件が外に漏れないよう、せいぜい祈ることだな。

――

スイートルームを離れた望美の頭の中は、混乱の極みにあった。

――ありえない。確かに紬があの部屋へ入るのを、この目で見たはずなのに。なぜ中身が俊一とその愛人にすり替わっていたのか。この短い間に、自分の知らぬところで一体何が起きたというのか。

「望美、これは一体どういうことだ」成哉の声は低く沈んでいた。

望美が「紬はこの部屋にいる」と言
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