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逆ハーレム建国宣言! ~恋したいから国を作りました~
逆ハーレム建国宣言! ~恋したいから国を作りました~
Auteur: fuu

第1話:婚約破棄?知るか、建国だ!

Auteur: fuu
last update Date de publication: 2025-07-02 19:29:59

私が転生したのは中世ヨーロッパ調のお屋敷の中。

大きなベビーベッドで目が覚めたことは覚えている。

何をしゃべろうとも、

「おぎゃー!」

としか言えないと理解したところで異世界転生した事実に気が付いた。

私はごく一般的なOLだった。

そう、特別なことは何もない。

しいて言うならちょっと死因が可哀そうかも?

実は失恋をきっかけにやけ酒をしてしまってそのまま脱水症状で死亡……かわいそうというより情けないな?

まぁそんなわけで、情けなくも失恋で死んだわけだ。

今世ではいい恋愛するぞ~!

……そう思っていた。

5歳の誕生日の日のこと。

「え?」

「だから、君との婚約は破棄する。」

「な、なんで?」

「好きな子ができたんだ!君とは違って無邪気で可愛らしい子だよ?」

「はぁ。」

「君は美人系だからね。僕の好みではないんだ。」

「……。」

「あ、これプレゼント。じゃあね!」

正直に言おう。

良かったと思った。

恋愛結婚ではなかった。

まだ幼いうちに振ってくれたことで今後を考えることもできる。

白い婚約を証明する必要もない。

……ただ……ただ、むかついたのだ。

何で好きでもない奴に振られなきゃならないの!?

何で今世でも失恋しなきゃならないわけ!?

「お嬢様、お可哀そうに……。」そう言って泣くメイドや執事達に申し訳なくなる。

何で私が申し訳なくならなきゃならないのよ!?

悪いのはあの王子!

第一王子のレオニス・アルバレスト!

金髪碧眼のテンプレ顔王子!

何が可愛い子を見つけたからよ!

こちとら好きでもない相手に政治的理由で結婚させられそうになってたのよ!?

あ、ご紹介が遅れました。

私、エリシア・グランフォード、勇者の末裔だそうです。

勇者とはこの世界における王家の血筋の中で、はるか昔に魔王を倒した勇気ある者の称号です。

つまりはかなり高貴な血という話。

王家はその血を取り込むために、何代かに一度勇者の末裔の家系から婚約者を選ぶのだとか。

前時代的ね~。あ、前時代か。

まぁそんなわけで、私との婚約破棄は勝手に決めたのでしょうね。

この後は適当に王家筋の中から有望そうなのに嫁がせようって話になるのでしょうね。

そんなの受け入れるわけがないわ!!

ということでエリシア・グランフォード、家出をすることにしました。

目標は国家の設立!

やること?まぁハーレムの構築とか?

奴らを見返せればなんでもいいわ!

とにかく美男美女に囲まれて悠々自適な生活を送ってやるわ!

「……と、思っていたのだけれど。」

「あのねぇ、エリシア。そんなことダメに決まってるでしょ?」

「はい、お母様……。」

「そうだぞ?そんなに面白そうなこと、一人ではじめるなんてずるいじゃないか!」

「お父様?」

「そうよ!やる時は家族一緒によ!」

「お母様!」

思いの外怒ってるらしかった父と母。

国王様、ご愁傷様。

こうして私達グランフォード家は独立することにした。

目指せ!国家建国!ハーレム構築!

あ、女の人が男の人に囲まれているのは逆ハーレムっていうんだっけ?

じゃあ逆ハーレムね!

作戦は簡単!

今も忌み地とされている魔王領を改造して新しい国家として独立!建国!

簡単ね!

魔物?家は勇者の家系よ?

ぶっ倒せばいいし、魔物除けのすべは全部知ってる。

そんなわけで魔王領に到着!

そこには数人の魔人といわれる種族の人々が住んでいた。

廃墟といっても差し支えの無いボロボロ小屋や崩れかけた石の家らしきもの。

ぱっと見まともな暮らしは出来ていそうにない人々だが、かなり血気盛んだった。

実力を示せば土地を譲ってくれるというので父と母が対戦中。

私も適当に持ってきた木刀で銀の髪が陽光で鈍く輝く少年と対戦中。

「そっちからどうぞ!」

「……なめるな!」

琥珀の瞳が爛々と光る

瞬間、一瞬で背後に回り込まれる。

速い!

でも残念。

私これでも転生者なのよね。

ということで逆手で持った木刀で思いっ切り突きを食らわせる。

吹っ飛んでいく少年!

「あ、ごめん、やりすぎた!」

「……。」

「まぁ、怪我はなさそうだし大丈夫でしょ!あんたは今日から私のものよ!」

「……は?」

「さて、負けた君達には最初の住人になってもらおうかな~。」

「いいわね!魔人さんは力が強いからいい大工さんになってくれるわ!」

「「「は!?」」」

こうして、魔王領改めグランフォード領が発生した。

――しかし王都では、ある命令が静かに下っていた。

「“あの家”を消せ。勇者の血もろともな――」

世界はこの誕生に震え上がるのであった——〈次話〉“魔人の銀髪少年の謎に迫る!”

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  • 逆ハーレム建国宣言! ~恋したいから国を作りました~   第167話:影の弟と、家族という選択

    影の子——エルが、名前を得てから一晩。王城は朝の光に包まれているのに、私の頭の中はずっと忙しかった。(これからどうなるんだろう) (エルは、ここにいていいの?) (“保護”って、どこまで?)考えすぎて、朝ごはんのパンを三回落とした。「エリシア様……落ち着いてください……」メイド長が、私の落としたパンを拾いながら遠い目をしている。「ごめん……私、なんか、そわそわして……」そこへ、共有スペースの扉がそっと開いた。小さな足音。ユキナが先に出てきて、こちらを見て頷く。ユキナ『……おきた……』クロトも出てきて、眠そうな顔で目をこする。クロト『……あさ……』ルーメは勢いよく飛び出して、叫んだ。ルーメ『ママ!! エル、まだねてる!! かわいい!!』「情報が全力で可愛い方向に偏ってる!!」私は慌てて共有スペースへ向かう。◆◆◆共有スペースのソファ。 そこには、小さな影の子——エルが、丸くなって眠っていた。黒い髪がふわふわ。 頬はまだ少し青白くて、呼吸は浅い。でも、昨日の“泣き影”とは違う。“ここにいていい”って、体が覚え始めている感じがした。ユキナがそっと毛布を直してあげている。ユキナ『……さむくないように……』クロトは近くで座り、影を薄く伸ばして周りを静かにしている。クロト『……おと……おさえる……』ルーメはエルの顔を覗き込み、ぷるぷる震えながら嬉しそう。ルーメ『エル!! ルーメのおとうと!!』「だからまだ弟確定じゃないってば!」でも。その“弟”って言葉が、嫌じゃなかった。私はエルの頬に触れない程度に手を近づける。……温度はない。 それでも、ちゃんと“存在”がある。その時。エルが、ゆっくりと目を開けた。闇色の瞳が、ぼんやりと私を捉える。『……え……り……』胸がきゅっとなる。「おはよう、エル」エルは少しだけ眉を寄せ、言葉を探すように口を動かす。『……こ……こ……』「うん。ここだよ。王城だよ」『……い……い……?』(ここにいて、いい?)そう聞かれている気がして。私は迷わず頷いた。「いいよ。ここにいて」エルのまつ毛が震え、瞳が潤んだ。『……ほ……っ……』小さな安堵の息。その瞬間、三魂が一斉に歓声を上げた。ユキナ『……よかった……』 クロト『……だいじょうぶ……』 ルーメ『やったーー!

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    手のひらに残された“黒い涙”。それはただの魔力残滓とは違い、確かに“感情”を帯びていた。――怯え。――孤独。――呼ぶ声。「……この子、泣いてたよね」 私が呟くと、三魂がそっと寄ってくる。ユキナ『……うん……かなしかった……』 クロト『……ボク……あのこ……しってる……きがする……』 ルーメ『ママ……なんか……かわいそう……』三人とも、影球に触れたときの感触をまだ身体に宿したままだ。カイラムは剣を収めながら険しい表情で言う。 「影が“泣く”など……聞いたことがない」ユスティアが黒涙を魔導器に収めながら解析を始める。「エリシア様、これは……“影核の萌芽”とでも呼ぶべき性質です。生まれたばかりの影。しかし通常の影とは異なり、自我の揺らぎがある……」「じゃあ……赤ちゃん?」ユスティアは驚いたように目を見開き——やがて、ゆっくりと頷いた。「理論的には……否定できません」「え、ほんとに!?」リビアが羽を震わせながら口を挟む。「だが、影の“誕生”自体が異常じゃ。空白王が滅び、影の源が消えた今……影が産まれる理由がない」「じゃあ……誰がこの子を?」ユスティアは沈痛な面持ちで黒涙を見つめた。「……おそらく、“意図的に”産まれた影です」◆◆◆翌朝。黒涙の解析は王城の最上階、魔導研究塔で行われることになった。 私と三魂も立ち会うことに。魔導塔の最上階は白い石造りの部屋。魔力を安定させるため、結界が幾重にも張られている。ユスティアが黒涙の入った魔導球を台座に置くと、空気がひやりと震えた。「……かなり強い反応が出ています。エリシア様、三魂の皆様、無理のない範囲で近くで魔力同調してください」ユキナ『……がんばる……』クロト『……ボク……できる……』ルーメ『ママといっしょ!!』三魂が光を広げると——黒涙が、かすかに揺れた。“……コ……ア……”微かな、微かな声。「また……呼んでる」三魂の表情が強ばる。ユキナ『……なかないで……』 クロト『……こわい……きもち……』 ルーメ『ママ……さびしいの……』黒涙の奥に、“魂”の気配があった。ユスティアが震える声で告げる。「この子……影になる前、もともとは“魂”だったはずです」「え……魂が影に?」「はい。通常ありえません。魂が影へ転化するには膨大な負荷が必要です。そし

  • 逆ハーレム建国宣言! ~恋したいから国を作りました~   第164話:影の残痕解析会議と、三魂の決意

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  • 逆ハーレム建国宣言! ~恋したいから国を作りました~   第163話:三魂の初登校と、影の微震(マイクロクラック)

    三魂との慌ただしくもあたたかい生活が始まって三日後。王都はすっかり“光の三魂の噂”で持ちきりだった。そして今日、ついに——「三魂の《はじめての登校》の日です!!」ユスティアが宣言した。「えっ、登校!? 三魂が!? 学校に!?」ユスティアは胸を張って頷く。「はい! 王城付属の初等魔導学院が、三魂のために特別授業を用意しました。魂状態での知識習得、基礎魔術、社会適応訓練……どれも重要です!」「いや社会適応ってそんな……赤ちゃんみたいに扱わなくても……」リビアが羽をふわりと揺らす。「主殿よ、三魂は“存在として”は幼いぞ? いわば魂の乳児じゃ」「えっ……じゃあ学校で大丈夫……?」その瞬間、三魂が勢いよく飛び込んでくる。ユキナ『……がっこう……こわくない……?』 クロト『……ボク……べんきょう……できる……?』 ルーメ『がっこう!! ママといっしょ!? ママもいく!?』「うん、今日は私も一緒だよ」三人はぱぁぁと輝く。レーンが私の肩を叩く。 「頼んだぞエリシア。三魂は国の宝だからな!」「え、責任重い!!」カイラムは淡々と言う。 「問題があればすぐ呼べ。俺も随伴する」「学校に宰相が同行するの!? 重役すぎるよ!?」◆◆◆王城付属・初等魔導学院。文字通り“王族と特別生”のための学校だ。校庭には既に教師陣が整列していた。「エリシア様、お待ちしておりました!」「三魂の皆さま、本日はよろしくお願いします!」三魂がきゅっと私の服の裾に隠れる。ユキナ『……おねえちゃん……て、てを……』私は手を差し伸べる。「大丈夫、みんな一緒だよ」クロトも手を握り返す。 『……なら……がんばる……』ルーメは逆に元気いっぱいに飛ぶ。 『ママとがっこう!! ママとイス!! ママとベッド!!』「なんで学校にベッド!? もうやめて!?」教師が苦笑いしつつ案内を始める。「三魂の皆さまには、本日“はじめての魔力安定授業”を受けていただきます」「魔力安定?」ユスティアが説明する。「はい。三魂は半実体化が安定したばかりなので、自力での魔力制御に慣れる必要があります」「なるほど……」授業室に入ると、生徒たちがざわついた。「あれが三魂の……!」「すごい、光ってる……!」「かわいい……!」ユキナは恥ずかしそうに私の影に隠れ、クロトは無言で距

  • 逆ハーレム建国宣言! ~恋したいから国を作りました~   第162話:三魂専用ルームと、初めての家庭会議

    王都に戻って最初に行われたのは——祝賀でもなく、式典でもなく。「……三魂専用の“おへや”計画会議、ですか?」私は思わず聞き返した。ユスティアが、まるで国家機密を扱うような真剣な顔で頷く。「はい。三魂はエリシア様の魂と安定的に接続していますが、物理的な生活空間は別途必要です。魂格の安定、魔力循環、生活導線、安全性……あらゆる観点から“住まい”を整える必要があります」「魂の生活導線って何!?」一方、三魂はというと——ユキナ『……おへや……ひろい……?』 クロト『……ボク……ベッド……ほしい……』 ルーメ『ルーメ、キンピカのイス!! ママのベッドとなり!!』「ルーメの欲望が強いよ!? 初手で王族レベルの要求してない?」レーンがどかっと椅子に座りながら笑う。「まぁまぁ、子どもなんだし好きに言わせてやれよ。叶うかどうかは別としてな!」リビアは顎に羽根を当て、真面目に考え込んでいる。「三魂は魂従者として半実体化した。寝床ひとつとっても、魔力が循環する素材でなければ安定しないじゃろう」「そんな難しい問題なの!?」カイラムは書類をめくりながら淡々と答える。「当然だ。三魂の居住区は王城内に設置する。安全性、結界管理、生活動線、エリシアの部屋との距離——どれも重要だ」「いや、部屋との距離って……」カイラムはきっぱりと言った。「お前が三魂と離れたら不安になるだろう?」「……っ」そんなストレートな言葉を言わないでほしい。心臓に悪い。いや、嬉しいけども!!!ユキナが小さな手を上げる。『……おねえちゃんの……ちかく……がいい……』クロトも口を開く。『……ボク……エリシア……みえないと……さびしい……』ルーメは両手をぶんぶん振って叫ぶ。『ママのベッドとなり!! ちがう? ママのベッドのうえ!!』「最後の選択肢は絶対だめ!!」会議室に笑い声が広がる。ユスティアは眼鏡を押し上げながら、ものすごい勢いでメモを取っている。「三魂の希望:・エリシア様の近く・個別の寝床・金色のイス(ルーメ)……承認可能性の検討対象とします」「ユスティア、真面目にメモしなくていいよ!? 検討対象に入れないで!?」レーンはにやにやしながら言う。「でもよ、エリシア。お前の隣に三つ部屋作るって、なんか……一家だよな」「い、いっか……!」その単

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