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野良猫、採用される

Author: 朱音小夏
last update publish date: 2026-06-26 06:15:09

「...る、ヨル!!」

「!レオ?悪い。ボーっとしちゃった。」

なんで、今こんなところで思い出すかな...。できれば思い出したくない過去なのに。ヨウタの元を去ってから今の生活も始めたのであった。あれだけ嫌悪していた母親と同じ生き方で。

「いきなり面談とテストの両方やって疲れたかな?今日はもう終わりで大丈夫だよ。...結果としては採用でいいと私は思います。専務もその方がいいでしょう?」

「そうだね。テストの結果もミス0だったし、即戦力になるだろうからね。」

「じゃあ...」

「もちろん。採用だよ。これから仕事でもよろしく。」

夜斗は心の中でガッツポーズをした。オレってばこれで脱ニート?脱ヒモ?と喜ぶのであった。そんな夜斗から見えないところで、玲央と斉藤がひっそりと会話をしていた。

「いやぁ、まさか専務にあんな隠し玉があったとは。一体どんなかんけいなんです?」

斉藤は思わず興味本位で玲央に尋ねた。すると玲央はいたずらっ子のような笑みを浮かべ、

「可愛い可愛い、僕の飼い猫だよ。」

と答えた。斉藤はその答えにしばらくポカーンとしたが、次第に笑いがこみ上げてきた。

「アハハ。成程。飼い猫ですか
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    人事部から出ると、次に向かったのは社長室であった。玲央は夜斗が緊張してはいないか、と様子をうかがったが、当の本人は平然としていた。「ヨルは緊張とかしないのかい?」「ん?だって、今までの男やパパの中に社長なんていっぱいいたもん。社長という人種には慣れてるよ。」...玲央はなんだかやるせない気持ちになった。今までの男どもにヤキモチを焼いてしまいそうだ。そんな玲央の様子に夜斗はにんまりする。「なぁに?坊ちゃんはヤキモチ焼きさんですかぁ?」「...揶揄わないでくれるかい?それにヤキモチを焼かないなんて無理があるだろう?」「へぁ?」夜斗はおちょくっただけのつもりであったが、こうも素直に認められてしまうとこっちが恥ずかしくなってしまう。そうしてしばらく2人は黙って歩いた。気がつけば、社長室の前へとたどり着いていた。「いいかい?お利口にしてるんだよ?」「...オレは子供か。」玲央は扉をノックすると、中から「入れ。」と渋い声が聞こえて来た。「...なんだ、玲央か。一体どうしたんだ?」「社長。これから私の仕事を手伝ってもらう事にした者を紹介しに参りました。...ヨル。」「はじめまして。ヨルと申します。不束者ですがよろしくお願いします。」まるで結婚の挨拶のようなセリフに玲央は吹き出しそうになるのを堪えた。社長である玲央の父親は、鳩が豆鉄砲を食ったように目をまん丸くすると、急に大声を出して笑った。「はじめまして。玲央がお世話になっているようだね。」「いえ。お世話になっているのはオレの方です。仕事まで斡旋してもらって...。有難い限りです。」「はっはっはっ。よく躾けられているようだな。どうだい?このままウチの玲央の嫁にならないか?」「父さん!」思っていたよりもユーモアたっぷりの社長で、夜斗は安心した。社長は椅子から立ち上がると夜斗の目の前に立ちはだかり夜斗をジッと見つめると、次の瞬間夜斗を思い切り抱きしめた。「しゃ、社長さん?!」「はぁー!なんなんだ君は!なんて愛らしいんだ!ヨル。ウチの子にならないかい?」「父さん!なにをふざけた事を抜かしているんですか。...それと、ヨルは僕のです。さっさと離してください。」「嫌だね。こんな可愛らしい子猫、なかなか会えないのだから。」「...母さんに言いつけますよ?」玲央の言葉に、社長はビシリと固まる。

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    「...る、ヨル!!」「!レオ?悪い。ボーっとしちゃった。」なんで、今こんなところで思い出すかな...。できれば思い出したくない過去なのに。ヨウタの元を去ってから今の生活も始めたのであった。あれだけ嫌悪していた母親と同じ生き方で。「いきなり面談とテストの両方やって疲れたかな?今日はもう終わりで大丈夫だよ。...結果としては採用でいいと私は思います。専務もその方がいいでしょう?」「そうだね。テストの結果もミス0だったし、即戦力になるだろうからね。」「じゃあ...」「もちろん。採用だよ。これから仕事でもよろしく。」夜斗は心の中でガッツポーズをした。オレってばこれで脱ニート?脱ヒモ?と喜ぶのであった。そんな夜斗から見えないところで、玲央と斉藤がひっそりと会話をしていた。「いやぁ、まさか専務にあんな隠し玉があったとは。一体どんなかんけいなんです?」斉藤は思わず興味本位で玲央に尋ねた。すると玲央はいたずらっ子のような笑みを浮かべ、「可愛い可愛い、僕の飼い猫だよ。」と答えた。斉藤はその答えにしばらくポカーンとしたが、次第に笑いがこみ上げてきた。「アハハ。成程。飼い猫ですか!専務の事だか大変可愛がっているのでしょう。」「もちろんさ。もう可愛くって仕方ないよ。...囲ってしまいたいほどにね。」斉藤は「ヨルさんも大変な人に捕まったものだ。」と感想を持ってしまった。やがて夜斗がこちらの様子に気がついてすぐさま寄って来る。まさしく飼いならされた猫のようだ。「なーなー。即日採用とかオレすごくない?ご褒美に回らないお寿司が食べたいな♡」「仕方ないなぁ。分かったよ。その代わり、仕事はちゃんとこなす事!いいね?」「もちろん!オレってばやるときはやる男だよ?」「流石僕の猫ちゃんだ。期待しているよ?」斉藤は、"いちゃつくなら私のいないところでしてほしい"と思うのと同時に、自身も妻が恋しくなったのであった。「それはそうと、社長にはお会いしたんですか?」「いや、これからだ。まずは人事を通ってからかなと思ってね。」「なるほど。...社長の事ですからきっと...いや、絶対ヨルさんの事気に入ると思いますよ。」「専務と好みが同じなので。」とは言わないでおいた斉藤なのであった。「それじゃあ、これから社長室に向かうよ。斉藤、今日はいきなりすまなかったね。ありがとう。

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  • 野良猫、御曹司に拾われる   野良猫、最初の男3

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  • 野良猫、御曹司に拾われる   野良猫、捕まる

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  • 野良猫、御曹司に拾われる   野良猫、出会う

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