/ ファンタジー / 錬金術師は国から追われる / 11 魔物よけの鈴と試し斬りの風

공유

11 魔物よけの鈴と試し斬りの風

작가: 缶小豆
last update 게시일: 2026-07-18 19:20:00

「塔から出て水場の横の道を少し行けば、広いところがあったはずだ」

レオンハルトのその声に、ミレイユはうなずき、軽く鈴を鳴らす。

魔物避けの鈴は、魔物の三半規管をつぶすぐらいだから、どんな大音量、もしくはキーンとくるような音がと想像していたが、チリンチリンと軽い音を鳴らすだけだった。

「えっ?それだけ……本当に効くのか、これ?」

思わず、身構えていたレオンハルトは拍子抜けする。

「それがですね、売れずに商品にならなかった理由です」

ミレイユが、困ったように、鈴を指でつまみながら笑う。

「五回分しか使えないのに、みんな効果が不安でガラガラ鳴らしすぎちゃって。で、次に使おうとしたら、ただの鈴になってた……っていう」

 

이 작품을 무료로 읽으실 수 있습니다
QR 코드를 스캔하여 앱을 다운로드하세요
잠긴 챕터

최신 챕터

  • 錬金術師は国から追われる   56 彼女に寄り添うべきか?みんなを守るべきか?

    「ま、まて!早まるな!」ミレイユが取り出した、短剣を見てレオンハルトは慌てる。「切りますか?」「いや、まずはカイルと話せる状態にしてくれ。これでは、本当のことを言おうとしても言えないから……もう十分だ。ありがとう」レオンハルトは、短剣を仕舞わせながら、微笑んで話す。だが、その背中は汗でじっとり。心臓はバクバクいっている。頼むからカイルに突き立てるな、その短剣は即死だ――レオンハルトは息も絶え絶えのカイルを見据え、問いかける。「カイル。お前は国王に逆らえないだけか? それとも、寝返る気はあるのか?」「へ……え、言ったところで……寝返る……の……しんじ……るのか……」「国王の駒って意味じゃ、セリオやお前のような影も近衛も俺たちも同じだ。思い通りに動けなければ、このあと待っているのは死だけだって、お前だってわかってるんだろう?」俺たちは、ミレイユの錬金道具を使って樹海を抜け出せる。でも、職務放棄で逮捕された後、この樹海の内情を知ったことで消される未来が俺には見えていた。「…………」「ただ、王に、忠誠を誓うって言うなら、望みどおり殉死でもいい。だが、お前だって、俺たちだって、実力でこの第一騎士団に在籍するポジションを勝ち取ったはずだ」第一騎士団。それは、先日までは、武闘大会や武勲で選ばれた、身分も関係ない実力だけの国の精鋭の集まりだ。「俺たちは、こんなところで、国王に潰されていい人間じゃない」レオンハルトは、そういって、カイルのそばから離れた。「少し考える時間をやる」だが、踵を返したレオンハルトに、カイルは嘲るように笑う。「……上り詰めた結

  • 錬金術師は国から追われる   55 絶対お前を許さない

    尋問のため、カイルの口に巻かれた布を、元第一騎士団のフォルターが解こうとした。だが、その手をミレイユが制する。「待ってください。毒を仕込んでいたら困りますし」そう言うや否や、彼女は淡々と液状の解毒剤をカイルの鼻に流し込んだ。気管に入ったのだろう。カイルはぐほっと咳き込み、フォルターの手が止まる。先ほどまで共に戦場を駆けたはずの仲間を前に、フォルターには目に少しの躊躇がある。だが、ミレイユの視線は冷たい。「これは胃でも気管でも吸収できます。……これで、仕込んだ毒は全部無意味ですよ」口の布を外されたカイルは、涙と咳をこらえながらも怪しげに目を光らせた。「僕のチョイスの服、よく似合ってるじゃないか」「あなたのチョイスでしたか……最後の下着は余分でしたけどね」即座に返すミレイユ。その声音は氷のように冷たい。だがカイルは、ははっと笑った。「お楽しみいただけたかと思ったけどね。まさか前部隊長アリエルの娘が、月影亭のミレイユさんとは思わなかった」その名に、ミレイユに見覚えがあった者たちも、ざわめく。「やっぱり……月影亭のミレイユさんだ……」「ってことは、ダリウスの恋人の……娘?ええっ!月影亭のオーナーがここの前の隊長?」「2週間前に取り調べを受けて逃亡したダリウスの恋人の娘だよな」みんなにとっても、レオンハルトにとっても、いや、ミレイユ本人だって、今までは月影亭のミレイユで、ダリウスの恋人の娘と思っていた。だが、その月影亭のオーナーであり養母が、ここの前隊長となれば話が変わる。ざわざわしたところを、レオンハルトはみんなに伝える。「彼女も知らされてなかったことだ。樹海防衛部隊の前隊長のアリエルは、ダリウス元総司令官と横領して駆け落ちしたと言われている月影亭のアリエルと同一人物だ」「え、じゃあ、

  • 錬金術師は国から追われる   54 私は師匠の弟子で娘です

    お互いの気持ちがつながり、ふと冷静になった時――二人は思わず赤面した。「に、荷物!錬金道具を持っていかないといけませんね!」慌てて、ミレイユは3階にポーション類を取りに行き、レオンハルトはその離れた体温に少し寂しさを感じた。「どれだけ鍛え上げても、俺の腕で抱えられる荷物には限界があるから、度々ここに取りに行くよ。ただ、隊員たちの目の前に、多くの錬金道具を並べたいんだ。視覚的に、もう大丈夫と思わせたい」それを聞いて両手にポーションやハイポーションを抱えたミレイユは、少し悩ましげな声を上げた。「氷属性の山に行ければ、物を軽く運べる錬金物くらい作れますけどねえ……まあ、風の符合素材があればですけど」「霊峰山にあるかもしれんが、今はそんな余裕ないだろ」そのために、霊峰山に登るぐらいなら、何度も往復するよ。苦笑いをして、レオンハルトはそう言う。腕まくりして荷物を持ち上げてみるが……重い。やっぱり重い。ミレイユならどれだけでも抱き上げるけどな。「やっぱり往復コースだな、これ」だが荷物よりも深刻な問題がある。ミレイユの服だ。カイルが選んだ服で人前に出すとか、腹が立つ。更に、カイルの前に出すとか……殺意が湧くレベルで腹が立つ。……仕方ないけど。仕方ない。いや仕方ないんだけどな!?レオンハルトは、深いため息をついた。「よし、行くぞ。何かあったら我慢しないこと」「はい!」素直に頷くミレイユを抱き上げ、荷物ごと指輪をはめた。◇転移した先の樹海防衛部隊――隊員たちは、しなしなになったジャガイモを囲んで葬式みたいな空気を漂わせていた。そこに――ふわりと揺れるピンクブロンドの長いまつ毛に、人形みたいな顔立ち…&helli

  • 錬金術師は国から追われる   53万能包帯では止められないファーストキスのやり直し

    レオンハルトは仲間に背を向けて、指輪をみんなに見られないように、そっと取りつけた。本当は転移用の錬金道具があるなんて、知られない方がいい。だが、この壕の中にいるものが、自由に外に出られ、物資も手に入れることが出来るという安心感ぐらいは、みんなに与えておきたい。俺の姿が突然消えた今、おそらく壕のみんなは大騒ぎになっているだろう。だが、元々いた隊員は、ミレイユの師匠の錬金術を見ているはずだ。きっと、見慣れた風景だと感じるのではないか?そして、これは錬金術なのだと他のメンバーにも説明してくれるだろう。俺は、物資とミレイユという新たな錬金術師を連れて帰る。それは、みんなの生きる希望になる――◇レオンハルトは、何も変わらない塔のドアに、よろよろと手をかけた。長すぎる一日が、ようやく終わろうとしている。もう、長い期間ここに来なかったような気持ちになる。塔の扉を押し開けると、ミレイユの懐かしい安心できる香りと気配が走った。四階か!レオンハルトは、顔を上げて大声で叫ぶ。「ミレイユ!」その声に、ミレイユが階段を駆け降りてくる。次の瞬間、お互い、視線が絡み、何も言わなくてもお互いの気持ちが通じ合った。二人は、お互いに迷うことがなく、抱きしめ合っていた。レオンハルトは張りつめていた緊張から解放されて、ミレイユに安堵と癒しを感じていた。ミレイユは、すべての真実を知った不安から、唯一信頼できるレオンハルトに安堵感を求めて――だからこそ、互いに安心を貪るように、強く、絡むように抱きしめ合った。そして、時間が止まったかのように、二人はそのまま動かなかった。(やっぱり俺はミレイユが好きだ)(レオンハルトさん、ずっとそばにいて)それぞれの胸に、はっきりとした想いが刻まれる。やがて、お互いに抱きしめ合ったまま、ミレイユは、体に回した手の

  • 錬金術師は国から追われる   52 味方も他の選択肢もない

    ミレイユが、師匠とダリウスの過去、そして、師匠に誰からの危険が迫っていたのか知った頃――とりあえず、ミレイユのハイポーションで傷を治したレオンハルトはカイルを見つめていた。カイルは、例の睡眠玉がよく効いてくれてまだ眠っている。以前、自分が浴びた睡眠玉と違い、ミレイユは、針がついた改良版を作ってくれたので、前のように半日近く眠ることはなさそうだが……「とりあえず、しっかり縛っているし、まだ目覚めそうにないから、みんなは安全かな」信頼していた部下を失った痛みは大きい。これからの指揮は、俺ひとりでやらなければならないのか。残った連中も、本当に信用できるのかどうか……それすらまだ分からない。レオンハルトは、これから誰も頼れない中で、一人で全て決めて、全て動かなければならない絶望感に襲われていた。「みんな!ここの拠点の中にいるやつは誰も魔物にやられてない。カイルのことがあって、お互い信用できるのか不安はあると思う。でも、ここには、魔物が入れない結界のようなものがあるんだ。だから絶対に外に出るな」そう告げてから、俺はポーションの瓶を取り出した。ミレイユが作ったものだ。それをここに備蓄されていたポーションの横に置く「見ろ。色が違うだろう」皆が息を呑む。「ま、まさか」「中身はポーションじゃないのか?」みんなの動揺は隠せない。「今、外に出て魔物にやられても、ここにあるポーションでは回復できない可能性が高いんだ。もちろん、他の店のもので、効果は変わらない可能性も残されている」レオンハルトがそう言うと、前から樹海防衛部隊にいた隊員のダンがそれを見て頷く。「いや、前から置いてあったポーションは、レオンハルト隊長が持って来られたものと同じ色だったと思います」「中身を変えられた可能性はあるか?」レオンハルトがダンに聞くと、残りの隊員たちは顔を見合わせる。

  • 錬金術師は国から追われる   51 師匠に迫り来る危険

    レオンハルトが、命に関わる大怪我をしていた頃――ミレイユは、師匠であるアリエルの日記をめくる手を止められなかった。そこには、だんだんと自分の名前が増えていく。そして、その中にある話の幾らかが、自身の記憶にある出来事と重なっていった。師匠から初めて錬金術を習った日。大きな魔物を狩った成果を自慢された日(私は素材の説明だと思って聞いていたけど……)武器に付与する倍率を間違えて大失敗した日――小さな思い出が、紙の上に散らばっていた。「師匠、こんなに人に伝えることが不器用なのに。こんなに一生懸命、私が人らしく生きられるように、努力してくれてたんだ」胸の奥がじんわり熱くなる。師匠は何でも記録に残した。錬金術の小さな気づきや研究レシピも……狩りの方法からその取れる素材のことも……そして、私の育児も。そのうえで、感じたことや考えを「これは人と同じ感覚なのか?」と、頻回にダリウスに尋ねており、そのダリウスの返答まで、記録に残してあった。――自分は他の人と違う。そう理解してから、不安だったのだろう。思い返せば、私が店に出るようになってからは、師匠より従業員と過ごす時間の方が長かった気がする。「ふふっ、ミレイユにお店は任せた!いい新製品、作るからね」そう言っては、すぐ留守にしてしまう。どこかに素材を採りに行くのだと思っていたが、樹海防衛部隊と錬金術師を両立で大変だっただろうし……意識して私と距離を置いたんだと思う。きっと、師匠は、私を普通の子のように育てたかったんじゃないだろうか?(師匠と一緒にいた時間って、意外と少なかったんだな)◆王都で暮らすようになって数年――

더보기
좋은 소설을 무료로 찾아 읽어보세요
GoodNovel 앱에서 수많은 인기 소설을 무료로 즐기세요! 마음에 드는 작품을 다운로드하고, 언제 어디서나 편하게 읽을 수 있습니다
앱에서 작품을 무료로 읽어보세요
앱에서 읽으려면 QR 코드를 스캔하세요.
DMCA.com Protection Status