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第372話

Author: 風羽
九条薫の心の中では、まだ自分がいるということがわからないわけがない。ただ、恨みの気持ちの方が大きいだけで、彼女はそれを認めようとしないだけなのだ......

もし本当に愛していないのなら、あんなに素直に身を委ねるはずがない。

しかし。

それは、二人だけの秘密だった。

......

ベッドに戻ると、九条薫は藤堂言の隣に横になった。

彼女はなかなか眠れなかった。

今夜、二人の関係が少し変わったこと、それは彼女も感じていた。しかし、認めたくはなかった......藤堂沢も何も言わなかったので、彼女も口にしなかった。いつか、また自分が出ていくことになるのだろう、と彼女は考えていた。

彼女は、もう昔の少女ではない。

彼女と藤堂沢の間には、あまりにも多くの喜びと悲しみ、出会いと別れが横たわっている。たった一度や二度の体の関係で、全てが元通りになるはずがない......

彼女の手を、誰かが握った......

藤堂沢だった。

暗闇の中、彼は嗄れた声で尋ねた。「何を考えているんだ?」

九条薫は静かに首を横に振り、「別に。もう遅いし......寝ましょう」と言った。

彼女は手を引
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