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第1629話

Author: 桜夏
「本当に、ほかに手立てはないのでしょうか。少しでも回復させるか、命を延ばす方法は」

透子は、祥平が主治医に尋ねる声を聞いた。

「必要なら、最新の医療機器でも、海外の高額な薬でも、こちらで用意します」

医師は祥平を見て、首を横に振った。

「新井会長はもう八十を迎えようとするご高齢です。人としての自然な寿命を考えても……それに加え、これまでの度重なるダメージは不可逆的なものでした。お体は、とっくに限界を迎えていたのです」

医師の言葉は残酷なほど明確だった。

国内外のどんな名薬を使おうと、神仏が舞い降りて細胞を再生させ、若返らせでもしない限り、もうどうにもならないのだ。

その瞬間、それまで何とか立っていた蓮司の体から、完全に力が抜けた。ゆっくりとうずくまり、両手で顔を覆った。

彼は声は一切出していない。けれど、震える肩と、手の甲に浮き上がった青筋が、すべてを物語っていた。

医師は言うべきことをすべて言い終えていた。今さらどんな慰めの言葉をかけても役には立たない。床にうずくまったまま、ひどい苦痛と悲しみに沈む蓮司を見て、医師は小さくため息をつくしかなかった。

医師はその場を
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