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第193話

Author: 桜夏
「新井蓮司?あなた、あの新井蓮司のこと言ってるの?」

「そうだよ。お前たちの家は縁談を進めてるんだろう?つまり、君の婚約者で、お兄さんの義弟ってわけだ」

翼は言った。

「たとえ世界中の男が死に絶えたって、あんなクズ男に嫁ぐもんか!」

理恵は途端に憤慨して言った。

「もういい、翼。その話でからかうのはやめろ。柚木家と新井家は、もう縁談を取り消した」

聡が口を開いた。

携帯の向こうで、翼はその言葉に少し驚いた。理恵も同じように兄を見つめ、尋ねた。

「この前は、もう無理強いはしないって言っただけじゃなかった?もう、正式に取り消したの?」

「昨夜、お前が新井蓮司と公然とやり合って、両家の面目を丸潰れにしたんだ。これでどうやって縁談を進める?」

聡は問い返した。

理恵は途端に笑みを浮かべた。そんなに簡単に縁談を断ち切れると知っていたなら、もっと早く蓮司と公然と喧嘩すればよかった、と。

「ゴシップの匂いがするな。昨夜、何があったんだ?理恵ちゃん、新井蓮司と何をやらかしたんだ?」

翼は興味津々で尋ねた。

「お兄ちゃんに話してもらいなさいよ」

理恵はそう言うと、書類を机に
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