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第968話

Autor: 桜夏
しかも、プラットフォームの社長自らが陣頭指揮を執り、ネット監視を行ったという。最重要案件として。

電話の向こうで、部下が報告を続けた。「プラットフォーム側は即座に残業体制に入り、経営陣が総出で対応に当たったそうです」

その報告に、悠斗は眉をひそめる。疑問が、渦を巻いて思考を埋め尽くしていく。

たかが取材動画一つで、会社の上層部が総出で動くほどの事態か?

たとえ蓮司の圧力に屈したのだとしても、ここまで大袈裟にする必要はない。ただ事を処理すれば済むことではないか。

「内部の残業していた者に確認しましたが、佐藤大輔や、新井グループの広報部の人間は見かけなかった、と。

ですが、金髪で眼鏡をかけた外国人が一度だけプラットフォームを訪れ、警察と共に、動画を投稿した者すべての実名とIP情報を持ち去った、とのことです」

その言葉に、悠斗の思考が、ぴたりと止まった。

──金髪に、眼鏡の、外国人?

蓮司の周りに、そんな男がいただろうか。

悠斗は、食い気味に尋ねた。「名前は?」

「スティーブ、という名前だったかと。

……今、この人物について調査させていますが、彼は橘雅人のチーフアシスタントです。つまり、今夜この件を処理したのは、帰国して間もない、あの橘社長だということになります」

なぜ、橘社長が動いたのか。考えるまでもない。

そしてそれは、蓮司が橘家の令嬢と結婚するという情報の信憑性を、さらに裏付けるものに他ならなかった。

悠斗は指の骨が軋むほど拳を強く握りしめた。今夜動いたのが、蓮司でも、新井のお爺さんでもなく、橘雅人本人だったとは。

そうだ。これほど短時間で、国内外のネットプラットフォームで同時に情報統制を行うなどという神業、彼以外に誰ができる?

昨夜、海外サイトの動画が削除されたのも、間違いなく彼の仕業だろう。

今、証拠を事前に揉み消されたことへの鬱憤よりも、悠斗は、抗いようのない巨大な脅威と、嫉妬を感じていた。

雅人は、蓮司を『義弟になる男』として認め、自ら彼のために情報統制まで行ったのだ。

これでは、自分がどんな決定的な証拠を掴もうと、彼は意に介さないだろう。

……なぜだ?

蓮司の、一体どこがいい?なぜ雅人は、この結婚にそこまで賛成する?

唯一の説明は、橘家の令嬢が蓮司を狂おしいほど愛していて、彼でなければ駄目だと、家族を無理やり同
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Comentarios (1)
goodnovel comment avatar
child1028believe
悠斗と蓮司の争いは伏線なのかなぁ? この話を絡めてくる意味がイマイチわからない。 雅人じゃないけど「新井家の内輪揉めなんて興味ない」 悠斗はもう黒幕だとバレてるからこれ以上何かできないはずだけど、窮鼠猫を噛むで最後になんかやらかすのかな? 蓮司は透子に会いたくなったとか言ってないで早く家にある透子の日記帳読みなさい! 次の展開が始まらないと物語が退屈ですわ。
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