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第21話

ผู้เขียน: ちょうもも
「はい、こちら受付です。寒河江さん」

「明日のスケジュール表を持ってきてくれ」

「かしこまりました」

そう言って、受付は電話を切ろうとしたが、悠良は仕方なくすぐさま受話器を奪い取った。

「もしもし、寒河江さん?小林悠良です。少しだけお時間をいただけませんか?」

受付は不快そうな顔をした。

「ちょっと......!何してるんですか」

彼女は悠良の手から電話を引き戻そうとした。

すると、悠良は突然受話器に向かって叫んだ。

「伶さん!」

受付は心の中で嘲笑した。

この女、頭おかしいんじゃない?

寒河江さんと親しいフリでもすれば会ってもらえるとでも思った?

伶さんとか、呼び方だけはそれっぽいけど、無駄無駄!

彼女は無情にも電話を取り返し、伶に事情を説明しようとした。

「寒河江さん、さっきのは無視してください。すぐに追い出しますので」

「彼女を通せ」

「......えっ」

受付は電話を切ると、しぶしぶ口を尖らせた。

「上がっていいですよ」

悠良はその言葉にほっと息を吐いた。

汗ばんだ手のひらをぎゅっと握りしめ、気を引き締める。

伶がオアシスの経営権を譲ると約束してくれさえすれば、もう安心してこのプロジェクトから手を引ける。

彼女は伶のオフィスの前に立ち、ノックしようとしたその時、ドアがわずかに開いていることに気がついた。

そっと扉を押し開けると、目に飛び込んできた光景に頭が真っ白になる。

伶は椅子に腰掛け、側には豊満な女性が机に半身を預けていた。

赤いドレスがいやに目立ち、栗色の巻き髪が華やかさを際立たせる。

女の声は艶やかで、甘く誘惑的だった。

「寒河江社長、どうして私のこと見てくれないの?久しぶりに会ったのに......」

だが伶は契約書に無表情でサインをしていた。

彼女を一瞥すらせず、声には一切の感情がなかった。

「どいて、光が遮られる」

「ぷっ」

悠良は思わず笑ってしまった。

その音は静まり返ったオフィスに響き渡り、ふたりの視線が一斉に彼女に向けられた。

悠良はようやく自分の笑い声がどれほど場違いだったかに気づく。

慌てて謝る。

「す、すみません......ドアが開いていたので......お邪魔してすみません、外で待ちます」

腰を低くして退こうとしたそのとき、

「どうしてって聞いただろ?原因
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