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第1011話

Auteur: 小春日和
冬城おばあさんの言葉は確かに切実だったが、周囲の誰一人として信じようとはしなかった。

立花は少し考えてから言った。「そうなのですか?」

「ええ……」

「それは本当に……残念なことです」

立花がわけもなく現れて、わけのわからないことを口にするので、冬城おばあさんの胸はドキドキと高鳴り続けた。

少し離れたところでその様子を見ていた真奈も、不思議でならなかった。

一体何のために、立花はわざわざここへ来たのだろう?

「黒澤夫人、私は向こうのお客様の対応に行ってまいります」大垣がそばでそう告げた。

真奈は静かに頷いた。

大垣が向こうへ行った後、真奈はマスクをつけ、わざと立花の目に入る方へと歩いていった。

立花は確かに人混みの中に真奈の姿を見つけ、馬場に言った。「忠司、もう気持ちは伝えたし、そろそろ行くぞ」

「承知しました、ボス」

立花はくるりと背を向け、帰り際に冬城おばあさんへ挨拶することもなかった。

冬城おばあさんは不吉な予感がした。この死神のような男が現れたのは何か良からぬことの前触れだと感じていた。

だが、わずか二分で出ていってしまうとは、一体どういうつもりなの
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